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子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン

みんなが知りたかったナッツのすべて

文:SafBabyのゲストエキスパート 編集者:Yayoi

食物アレルギーを引き起こす原因ともなる「ナッツ」について、シリーズで紹介します。

今回は、ナッツの加工法によるアレルギーの出方の違いや、できれば摂取を控えた方が良い子供の年齢についてです。

ナッツについての疑問を、SafBabyのヘルスアドバイザーで修士号を持つ、野菜を中心の食事の専門家であるカレン・ランジさんにお伺いしました。

Q1: ローストナッツより、熱を加えていない生のナッツの方が本当に優れているのですか?

A:生のナッツは間違いなくローストナッツより優れているといえます。ナッツに熱を加えると、含まれている油分が腐ったような匂いを放ち、身体に害のある成分を含みます。高熱でローストすると、もう体に良いものとは言えません。ナッツ類を生で食するのが体に良いというのはこのような理由です。1

ただし、生のナッツ類は熱や光に敏感で酸化しやすいので保存に注意して下さい。冷凍庫で保存するのが良いとされるのはこのためです。

アーモンドやヘーゼルナッツのようなローストナッツ類に含まれている可能性のある体に有害な成分、アクリルアミドのレベルや、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸の副作用の可能性を調べた研究があります。

それによると、アスパラギン酸を多く含むナッツは、含まないナッツに比べて発がん性化合物を放出量が多いという結果が出ました。つまり、アスパラギン酸の多いアーモンドのようなナッツは、ローストすると健康や健康の維持に有害になる可能性があります。

生のナッツ類を選ぶことが、こういった問題を避けるもっとも安全な方法となります。実は、現在のアメリカでは、地元産の生のアーモンドの入手が法律の関係で難しくなっていますが、それでも、輸入品の生のアーモンドの購入は出来ます。

76.65℃以上の温度でローストされたナッツは、含有される脂肪が破壊され、フリーラジカル(遊離基)を生成します。 市販のローストナッツに含まれるフリーラジカルは、脂質酸化的分解反応を起こし、血管内の脂肪の酸化や心臓病の引き金となります。2

こうしたフリーラジカルは、血管壁に損傷を与える脂質化酸化反応をも引き起こすとされ、心臓病のリスクを増加させます。3

また、遺伝物質DNAにダメージを与えるなどの悪影響を持つフリーラジカルの形成を増加させる可能性もあります。

Q2: ナッツアレルギーを持つ人が増えてきていますがなぜでしょうか?
また、子供たちのナッツアレルギーを防ぐために親は何ができるでしょうか?

A: 約1800万人のアメリカ人がナッツに対してアレルギーを持っていると推測されています。 ナッツアレルギーによる反応は食物アレルギーで命を落とす、または重体になる原因の上位を占めています。ナッツの主な種類にはクルミ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、カシューナッツ、ピスタチオ、ブラジルナッツなどの種類があります。4

アメリカの公共放送局のインタビューで、 フードアレルギー研究の著書も出版するルチ・グプタ博士は、「約40,000人 のアメリカ人に行った調査から、全米の18歳以下の子供たちの約8%にあたる600万人の子供たちが食物アレルギーを持っていることが分かりました。食物アレルギーを持つ子供たちの治療薬や予防薬はありません。」と述べています。5

私自身は、ナッツアレルギーの子供や大人を観察してきた経験から、なぜそれが増加しているのか調べ、いくつかの結論に達しました。

それは、「ナッツは健康に良い植物性脂肪を含んでいるが、消化しにくい」ということです。

ナッツは3歳以下の子供には与えないほうがよいでしょう。というのも、赤ちゃんや幼児の発達途中の消化管ではナッツをきちんと消化をすることが難しいからです。これがナッツアレルギーにつながる可能性があります。

乳児にとって人生の最初の1年間は、主に母乳を飲むということが基本になります。アメリカでは、「赤ちゃんもできるだけ早い時期から離乳食を与えなければいけない」という考えがありますが、子供は何本か歯が生えてくるまで離乳食を始めるべきではありません。

準備が整う前に離乳食をスタートした子供は食物アレルギーを発症しやすくなります。実際、赤ちゃんは口の中に何でも入れたがり、それを楽しみますが、それは離乳食の準備が整ったというサインでは決してありません。

栄養士の中には、赤ちゃんの消化生理機能がまだ十分でない生後1年未満でも「ナッツミルクやナッツを与えても問題ない」という人がいますが、これはナッツアレルギーを引き起こす原因となる可能性があるでしょう。6

ピーナッツアレルギーは子供や大人の中で最も一般的な食物アレルギーです。紛らわしいのですが、ピーナッツはナッツではありません。ピーナッツはソラマメやインゲン豆、エンドウ豆、大豆のようなマメ科植物に分類されます。

興味深いことに、他の西洋諸国と比較した場合、アメリカ国外では、ピーナッツアレルギーの発症率はずっと少なめです。ドライローストのようなアメリカ国内の一般的なピーナッツの処理方法が、ピーナッツを強力なアレルゲンにしてしまったのでしょう。7

子供がナッツに過敏に反応している時は、体がその食べ物を異物として扱います。つまり、ナッツの中に含まれるたんぱく質がアレルギー反応を引き起こします。

ほとんどのナッツアレルギーの反応は軽度となります。主な症状はじんましんです。他に起こる可能性のある症状としては、唇や舌、顔面の腫れ、吐き気、腹痛、鼻水、鼻のムズムズ感、喉の腫れ、息切れ、胸がゼーゼーする感じ、血圧低下、めまい、意識消失、目の充血、目のかゆみなどがあります。赤ちゃんや子供は、眠気を催す、顔色が良くない、嘔吐などの違った症状を見せることもあります。

再度言いますが、上記の理由から3歳以下の子供には、ナッツやナッツ製品を与えないほうがよいでしょう。8

Q3:ナッツを水に浸す必要はありますか?
またそれを食べる効果はどのようなものですか?

A: ナッツを水に浸して、毒素である酵素抑制因子を排出することが必要です。ナッツ類は収穫時には水を含んでいますが、出荷前に乾燥させますので、どのナッツも水に浸せば収穫時の状態に戻ります。6

ナッツや種子を水に浸すことで発芽を妨げている酵素抑制因子がなくなり、本来持っている生きる生命力を引き出すことができます。また、ナッツの持つビタミン量を増やし、活性ミネラルの吸収を抑制するフィチン酸を減らせるのもメリットです。

こうすることによって、消化を妨げる酵素抑制因子を不活性化出来ます。

ナッツは熱や光、酸素に敏感なので、水に浸した後、一晩冷蔵庫で保管すると良いでしょう。

Q4: 栄養豊富なのはどのナッツですか?

A: 栄養が豊富なナッツはクルミ、アーモンド、ピスタチオ、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、シダーナッツ、ピーカンナッツです。

なかでも、クルミには心臓を保護するオメガ3脂肪酸であるα‐リノレン酸が豊富に含まれており、心臓の健康に良いもののひとつです。α‐リノレン酸は骨の形成を常にする一方、骨の分解率を減少するため、骨を守る効果があります。

また、クルミは認識効果を持つため、脳機能の向上にも役立つとされています。研究者は、クルミがエラグ酸として知られている抗酸化物質を多く含んでおり、16種類もの病気と闘うポリフェノールを含んでいることを発見しました。

ほんの一握りのアーモンドで一日に必要とされるマグネシウムの25%が摂取でき、骨を強くするカルシウムを同量の牛乳よりも多く摂取することができます。アーモンドはビタミンEやセレニウムといった抗酸化作用のある栄養素も豊富です。

研究によると、アーモンドはその豊富な食物繊維の働きによって、大腸がんを予防する重要な働きをすることが分かりました。また、血管内の悪玉コレステロールを下げることも分かっています。

ピスタチオは、一粒が3カロリーしかないことから別名「スキニーナッツ」と呼ばれています。イースタンイリノイ大学の研究者が2009年に実施した実験では、殻を剥いたピスタチオを与えられた人たちに比べ、殻を剥いていないものを与えられた人たちのほうが摂取カロリーが35%も少なかったことを明らかにしました。ピスタチオは加齢性黄斑変性症のリスクを下げるとされるβカロテンの仲間、ルテインとゼアキサンチンをたっぷり含んでいます。

ブラジルナッツは心臓に良い栄養素が豊富で、銅や、ナイアシン、ビタミンE、食物繊維、マグネシウム、セレニウムなどのミネラルを多く含んでいます。また、たんぱく質が豊富に含まれたブラジルナッツを軽食として食べれば、乳がんの予防としても役に立ちます。

ヘーゼルナッツは心臓病の予防に重要な葉酸、ビタミンBを含んでいます。10

シダーナッツはロシアで産出されるナッツで、多量のビタミンA、B、D、Eと同様に、体が必要とするアミノ酸の70%を保有しています。

どのナッツにも良質の植物性たんぱく質と植物性脂肪が含まれています。

Q5: ナッツはどのように食べるのが一番良いですか?

A:ナッツは、緑の葉物野菜と組み合わせて食べるのが最も良いでしょう。12

他のたんぱく源やでんぷん質のものと組み合わせるのは避けてください。また、甘い果物との組み合わせも良くありません。

特に妊娠中は、赤ちゃんがお母さんの内臓に負担をかけているので、消化しやすくするために、組み合わせのよい食事を摂ることが効果的です。

お子さんがナッツを含め、たくさんの生野菜を食べている場合は、食事との組み合わせを心配することはないでしょう。たくさんの新鮮な果物や野菜を摂取している子供は、自然に体が必要としているものが分かるようになるでしょう。6

Q6: ナッツを多く食べても大丈夫ですか?

A:「ローフードを実践している人が一番間違いやすい食事法とその回避法」の記事の中で、著者はこう指摘しています。

「ローフードを実践している人の多くは脂肪分を制限していないため、8割を超える人が脂肪分を50%以上取りすぎています。ローフードとは、生の果物や野菜をそのまま、またはジュース、スムージー、スープ、サラダなどにしていただく方法です。」 13

身体をきれいにし、デトックス作用のあるローフードの食事。しかし、脂肪分の高い食事は、たとえそれがナッツなどの植物由来のものだとしても、「細胞や臓器をきれいにしないどころか、便秘を引き起こし、負担を掛けます。何百グラムものナッツを一度に食べれば、自然で健康的な効果は望めません。」13

少量のナッツを摂るのは大変効果があります。例えば、クルミ7粒ほどで180カロリー、つまり約3.2kmを歩くのに十分なエネルギーを得られます。つまり、理想体重のキープやエネルギーの急速補給といった恩恵を受けることができるのです。

育ち盛りの子供たち、特に体をたくさん使う場合や成長期の場合は、ナッツのような植物性脂肪を接種することのほうが重要になります。さっと食べられるように準備しておくと良いでしょう。

Q7: 子供の食事にナッツをうまく取り入れる工夫を教えてください。

A: 次に紹介する2つのレシピは、実際に子供たちが作ってみた、ナッツを使った食事のレシピです。楽しく簡単で、子供にピッタリ。栄養満点のアーモンドを使っています。

アンツ・オン・ア・ログ(Ants-on-a-Log)

アンツ・オン・ア・ログは、アメリカで半世紀以上親しまれている、セロリを使った甘さ控えめの一品です。

使用材料:
セロリの茎 1本
生アーモンドバター 適量
レーズン 適量
1)縦に半分にしたセロリの茎の上に生のアーモンドから作ったバターを塗り拡げます。
2)その上にレーズンをパラパラ散らして、出来上がり。
ヒント:違う種類の生ナッツバターを使用しても良いでしょう。例えば、生の無塩ピスタチオと細かく刻んだセロリをフードプロセッサーにかけて滑らかにすると、自家製ピスタチオバターが作れます。
[注意:多くの場合、ピーナッツバターはローストしたピーナッツから製造されており、天然のカビ毒素であるアフラトキシンを含んでいます。]

リングイネ風ズッキーニのタイカレーソースがけ(Zucchini Linguini with Thai Curry Sauce)

野菜のズッキーニをパスタのように細く切って、アーモンドを混ぜたカレー粉のソースで和える一品です。

使用材料:
中くらいのズッキーニ  4本
水に浸したアーモンド 1/2 カップ
しぼりたてのオレンジジュース 1カップ
カレー粉 小さじ1杯
1)スパイラルスライサーを使ってズッキーニをパスタのリングイネの形に細長くスライスします。(スパイラルスライサーとは、野菜パスタを作るための子供が使えるキッチンツールです。)
2)水に浸したアーモンドとオレンジジュース、カレー粉を滑らかになるまで混ぜ合わせます。
3)カレーソースをズッキーニの上にかけて出来上がり。

編集者のコメント

いかがでしたか?日本では「ナッツ」と言えば「おつまみ」の印象が強いですが、子供にも適量を食べさせると、栄養が簡単に取れるのでお勧めです。

Resources

1 http://www.3fatchicks.com/raw-nuts-vs-roasted-nuts-the-truth/
2 http://eyeopening.xomba.com/raw_organic_nuts_vs_roasted_which_better_you
3 http://www.foodallergy.org/page/tree-nut-allergy/
4 http://www.pbs.org/newshour/bb/health/jan-june11/allergies_06-20.html
5 Ranzi, Karen. Creating Healthy Children. Ramsey, NJ: SHC Publishing, 2010.
6 http://allergies.about.com/od/nutallergy/a/peanutallergy.htm
7 PeanutandTreeNutAllergyAninformationsheetforparents.pdf
8 http://bestmbt.blogspot.com/2011/09/5-best-nuts-for-your-health.html
9 Schenk, Susan. The Live Food Factor. San Diego, CA: Awakenings Publication, 2008.
10 http://bestmbt.blogspot.com/2011/09/5-best-nuts-for-your-health.html
12 Schenk, Susan. The Live Food Factor. San Diego, CA: Awakenings Publication, 2008.
13 Best, Sarah. The number one dietary mistake raw fooders make and how to avoid it. www.sarahbesthealth.com: 2011.

EARTH CHILD アースチャイルド


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