お子さんの体に異常があると、「ひょっとして何かのアレルギーなのでは?」と心配になってしまうことがありますよね。こどもは皮膚や粘膜のバリア機能が未熟で、アレルギーを起こしやすく、また成長に伴い、アレルギーの症状が変化していくのが特徴です。アレルギーが疑われる場合には検査を受けてアレルギーの原因を特定し治療を受けることで悪化を防ぐことができます。お子さんがアレルギーで苦しみ続けないために不可欠なアレルギー検査について詳しく見ていきましょう。
アレルギー検査とは?
私たちの体にはウイルスや細菌などから体を守るために「免疫」という大事な役割が備わっています。しかし、これが過剰に働き、身の回りの食べ物、ホコリ、ペットの毛、花粉など特に害のないはずのものにまで反応してしまうことをアレルギーといいます。このようにアレルギーを起こすものをアレルゲンと呼びますが、これは人によって異なり、複数のアレルゲンに反応してしまう人もいます。アレルギー症状が出れば、その症状を抑える薬はありますが、それだけでは不十分で、アレルゲンを特定し、それを避けて症状を防ぐことの方がアレルギーそのものを悪化させないために大切です。このアレルゲンを特定していくのがアレルギー検査です。
アレルギー検査の種類
アレルギーと言っても種類はいろいろありますが、代表的なものは食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、アレルギー性鼻炎などがあります。このようなアレルギーを起こす原因を突き止めるアレルギー検査でよく行われているものとしては主に次の4種類があります。
1.血液検査(特異的IgE抗体検査)
簡単に行えるため、医療機関で最もよく行われている方法です。腕の静脈から少量採血するだけで疑わしいアレルゲンを数種類調べ、特定することができます。最近は腕からの採血が難しい乳幼児のために、指先から採血する方法も行われています。ただし、この方法は調べることのできるアレルゲンが腕からの採血に比べて少ないため、ある程度大きくなったら腕の静脈から採血する検査を受けることがすすめられます。血液検査で症状との関連が十分に解明できない場合は、他のより詳しい検査を行います。
2.皮膚テスト
皮膚に直接アレルゲンをつけてみてアレルギー反応の有無を確かめます。皮膚テストには次のような方法があります。アレルゲンの種類や症状によって方法を選びます。
スクラッチテスト
別名「皮膚プリックテスト」とも呼ばれている検査法です。皮膚の表面を針で少し引っかき、その上からアレルゲンの可能性のある物質を含んだ試薬をつけて、皮膚の反応を見ます。引っかくといってもほんの少しですので、ほとんど痛みを感じることはありません。
パッチテスト
アレルゲンの疑いのある物質を絆創膏の内側に2〜3日貼り付けてそれが接している皮膚の反応を見ます。
3.食物除去試験
食物がアトピー性皮膚炎を起こしている疑いがある場合に行われます。アレルゲンと思われる食物を数週間口にせずに生活し、湿疹が改善するかどうかを観察していきます。母乳を与えている場合には、母親の食事から疑われる食物を取り除く必要があります。
4.食物負荷試験
アレルゲンと疑われる食物を食べてアレルギー症状が発症するかどうかを確かめる検査です。強いアレルギー反応を起こす危険性があるため、必ず医師の元で行われる必要があります。
こどものアレルギー検査はいつ頃から?どこで受ける?
こどものアレルギー検査は生後4ヶ月頃より受けることができるため、アレルギーが疑われるような症状がある場合には早めに検査を受けて原因を突き止めたいものです。こどものアレルギーの場合は小児科を受診するのが良いでしょう。できればアレルギー治療も専門に行っている小児科であればなお良いでしょう。
まとめ
お子さんに何か症状があると、インターネットの情報などで勝手に「このアレルギーに違いない」などと自己判断してしまいがちですが、アレルギーはときに重大な症状を起こすことがあります。そのため、何かおかしな症状があれば是非医師に相談し、必要に応じてアレルギー検査を受けることをおすすめします。