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栄養価の高いごまでアレルギー!? 「ごまアレルギー」の症状と特徴

食品アレルギーの中に、ごまを原因とする「ごまアレルギー」があります。和食でお馴染みのごまがアレルゲンとなる「ごまアレルギー」の症状や特徴などをまとめました。

日本の食卓に欠かせないごま

日本の食卓にはごまが上ることが多いですね。おにぎりの定番であるごま塩、しゃぶしゃぶにごまだれ、ごま団子、ほうれん草のごま和え、そして、炒め物にごま油と、ごまは日本では非常に馴染みの深い食材です。その味と独特の香りで、日本の料理に欠かせないものになっています。

また、中国などのアジア料理にも好まれて使用される食材です。ごまが一切使用できなくなると、本来の美味しさを表現できなくなってしまう料理はたくさんあるでしょう。

ごまの利点は美味しさや香りの良さだけではありません。栄養価が高いことでも知られています。ごまの成分である「セサミン」には美肌や育毛、疲労回復などの効果があると言われており、セサミンを主成分とするサプリメントなども販売されています。

海外では敬遠されることも多いごま

しかし、アジア以外の海外では、ごまはピーナッツと同様、アレルゲン性の高い食材と言われており、敬遠されることも少なくありません。日本においてほど健康的なイメージを持つ人は多くはないようです。

近年、日本でも、ごまを原因物質(アレルゲン)とするアレルギーを発症するケースが増えており、ごまを意識的に避ける人も増えてきました。実際に、ごまは、タマゴに次いでアレルゲン性の高いアレルギーとも言われるようになりました。特に年齢が低い子どもは、ごまに対してアレルギー反応を示すことが少なくありません。離乳食などにごまを使用する際は、栄養士などに相談してからにしたいものですね。

ごまアレルギーの症状

ごまアレルギーは、比較的強く症状が出ます。症状自体は、かゆみやジンマシン、湿疹、赤く腫れるなどの皮膚症状や呼吸器症状、消化器症状などと、他の食品に対するアレルギー反応と大差はありません。ですが、それぞれの反応程度が高いこともありますので注意が必要です。

  • 皮膚・粘膜症状…かゆみ、ジンマシン、湿疹、赤い腫れ、目の充血など
  • 口腔症状…喉の違和感、イガイガ感、口唇の腫れなど
  • 呼吸器症状…咳、喘鳴、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、呼吸困難など
  • 消化器症状…腹痛、下痢、吐き気、嘔吐など
  • 全身症状…アナフィラキシーショック

重症化すると、複数の臓器や器官に症状が出て全身症状となることがあります。多臓器に症状が表れる症状をアナフィラキシーと言い、血圧が下がり、呼吸困難に陥る、意識を失うなどの症状をアナフィラキシーショックと呼びます。このような状態になると、命に関わる危険性も出てきますので、早急に医療機関を受診してください。

擂りごまや練りごまは注意

粒状のままのごまは種皮に覆われていますので、消化されずにそのまま体外に排出されることもあります。ごまの種皮の中に入っているアレルゲンとなるたんぱく質が、体内に吸収されずにそのまま排出されてしまいますので、ごまアレルギーを持っている人がごま食品を食べてもまったくアレルギー反応が出ないということもあり得るのです。

一方、擂りごまや練りごまは種皮を破って中の成分を露出させた食品です。アレルゲンとなるタンパク質がすぐに体内に吸収される構造になっていますので、アレルギー症状が発症しやすくなり、症状自体も強く表れる可能性が高くなってしまいます。そのため、ごまアレルギーが疑われる人は、通常のごまや炒りごまよりも、擂りごまや練りごまの摂取を避けるようにするほうが賢明と言えるでしょう。

ごま油は大丈夫?

ごま油は、ごまをそのまま食べるときと比べると、成分の中に含まれるたんぱく質の量が少なくなっています。そのため、ごまをそのまま食べる時よりもアレルギー症状が出にくいと言われ、ごまアレルギーを持っている人でも、ごま油は問題なく摂取することができる人は多くいます。

しかし、ごま油によってアレルギー症状が出るケースも、少なからず報告されております。ごま油によってアレルギーが引き起こされるケースは、ごま自体がアレルギーの原因物質となっているのではなく、酸化したごま油が原因になっているのではないかと考えられます。開封したごま油の瓶をすぐに使い切らずにいると、ごま油の酸化が進み、ごまにはアレルギー症状を起こさない人にもアレルギーを引き起こしてしまう可能性があると指摘されているのです。

白ごまと黒ごま、アレルギーの違い

黒ごまと白ごまでも反応が異なる可能性があります。一概にどちらが強いと断定はできませんが、白ごまではアレルギー反応がなかったのに、黒ごまでは反応があったというケースも認められています。

ごまアレルギーの原因となるタンパク質は1種類ではありませんので、どのタンパク質に対して特異な反応が出るかは人によって異なります。ごまを食べることでかゆみやお腹の痛みなどを感じたことがある人は、念のためにすべての色のごまとごま食品を避けておく方が良いでしょう。

成分には特に大きな違いはない

黒ごまでも白ごまでも、いずれもタンパク質と脂質、食物繊維に富む素材ですので、含まれている成分には特に大きな違いはありません。ただし、黒ごまは種皮の部分に黒い色素となるポリフェノールが含まれています。また、ごま油の原料として使用されることが多い白ごまや金ごまは、黒ごまに比べると若干脂質が多く含まれています。

なお、日本で流通しているごまの産地を見てみると、黒ごまは東南アジアや中国から輸入されたものが多く、白ごまはアフリカや中国、中南米から輸入されたものが多いです。世界各地からごまを取り寄せる日本。ごま好きの国民とも言えますね。

長期間アレルギー反応を示すごまアレルギー

ごまアレルギーは、年齢が上がっても症状はなかなか改善されず、長い期間アレルギー症状に苦しむケースが多く見られます。乳幼児に見られることが多い小麦や牛乳アレルギーは、年齢が上がって消化機能も成熟すると治ることも多いです。ですが、ごまやそば、ナッツ類は、消化機能の成長とは無関係にアレルギー反応を示しがちですので、一度発症すると、いつまでもアレルギーを持ってしまいやすい食品となっています。

アトピー性皮膚炎とごまアレルギー

アトピー性皮膚炎も、一度発症すると、いつまでも症状が出てしまい、なかなか完治しない疾病として知られています。アトピー性皮膚炎を発症している乳幼児は、ごまアレルギーをはじめとする食品アレルギーに罹りやすいと言われていますので、皮膚に湿疹が出来やすい子どもは、ごまに対しても慎重になる方が良いでしょう。

年齢が上がるにしたがって、アトピー性皮膚炎が快方に向かう人も少なからずいます。そのような人がごまアレルギーを持っている場合には、ごまアレルギーの症状も徐々に軽減されると言われています。子どもの調子や皮膚の状態を見ながら、適切な食事を与えていくようにしたいものですね。

まとめ

ごまアレルギーが疑われる人は、ごまだれやごまドレッシングなどのような、擂りごま・練りごまの含まれている食品の摂取には注意が必要です。粒状のごまより、アレルギー原因物質である特定のタンパク質が消化しやすい状態になりますので、アレルギーを発症する可能性が高くなるからです。また、アレルギー症状が重篤に出る場合は、呼吸困難や急激な血圧の低下などのアナフィラキシーショック状態になることもあります。

一般的に、アトピー性皮膚炎を発症している人は、ごまアレルギーに罹る可能性もあるため、ごまの摂取には慎重になる必要があります。症状も比較的強く出ることが多いですので、かゆみや吐き気などの気になる症状が出ているときは、医療機関を受診して医師に相談することをおすすめします。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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