そばアレルギーは食物アレルギーの中でも、ごく微量で命に関わるような反応を示すことがある、危険なアレルギーとして知られています。日本人にとってそばは大変身近な食材ですが、麺類の形だけでなく、まんじゅうやぼうろなどのお菓子、そば茶、また加工食品にも含まれていることがあります。重篤なアレルギー反応を起こさないためにも、そばのアレルギーについてよく知っておくことが大事です。
そばアレルギーの特徴
1.アナフィラキシーショックを起こしやすい
そばアレルギーはピーナッツアレルギーとともに重篤なアレルギー反応であるアナフィラキシーショックを起こしやすいことで知られています。
2.年を取っても克服できることは稀
卵、牛乳、小麦アレルギーは乳幼児期に多く、成長に伴って耐性ができ、克服できることが多いのに対し、そばアレルギーは耐性ができにくく、一生アレルギーを持ち続けることが多いとされています。
3.食べる時以外にも注意
そばアレルギーは、そばやそばを原材料に含む食品を食べないように注意するだけでは不十分です。例えば、そばと一緒に茹でたうどんを食べてもアレルギー反応を起こすことがありますし、そばがら枕も喘息症状を引き起こすことがあります。
そばアレルギーの症状
そばアレルギーでは次のような症状がみられます。
- 皮膚
皮膚の赤み、かゆみ、腫れ、湿疹、蕁麻疹 - 口、のど
唇、舌、口、のどの違和感やかゆみ・腫れ、口内炎、声の枯れ - 消化器
下痢や嘔吐、腹痛、血便 - 眼
眼の充血、かゆみ、涙、まぶたの腫れ - 呼吸器
鼻水、くしゃみ、鼻づまり、咳、喘鳴(ゼーゼーいうこと)、呼吸困難 - 全身(アナフィラキシー)
上の症状が同時多発的に起こり、ときにショック状態(血圧の急激な低下、頻脈、意識障害、失禁)
そばはいつから食べさせてOK?
そばはアレルギーを引き起こしやすく、アナフィラキシーショックを起こすことが他のアレルギーに比べても多いため、他の食材に比べて遅めに開始した方が良いとされています。消化機能が未熟なうちはアレルギーを起こしやすいためです。そばを食べないと栄養素が不足する、というようなこともないので、ゆっくり開始したからといって特に問題はありません。一般的には2歳以上から与えるのが安心だとされています。
初めてそばを食べさせる時の注意点
初めてそばを食べさせる場合は慎重に、次のようなことに注意しましょう。
1.ほんの少量から始める
いきなり初回からたくさん食べさせるのではなく、まずは反応を見るために麺を小さく切ってほんの少量から試してみましょう。
2.食べさせた後数時間様子を見る
そばアレルギーは早いと数分、遅いと数時間後に症状が現れてきます。そのため、食べた後は数時間かけて異常な反応がないかをよく見る必要があります。
3.平日の早い時間に与える
もしアレルギーが起こった場合に医療機関で診てもらう必要が出てくる可能性も考えて、初めて食べさせるときはなるべく医療機関の開いている午前中かお昼くらいには食べさせたほうが良いでしょう。
そばアレルギーが出てしまった場合の対処法
いざ、そばを食べてアレルギーが出てしまった場合、次のように対処しましょう。
1.口の中のそばを吐き出して口をゆすぐ
口の中にそばが残っていればすぐに出し、口を水でゆすいで隅々まで洗い流しましょう。
2.抗アレルギー剤、携帯用エピペンを使用する
手持ちの抗アレルギー剤の飲み薬がある場合、それを飲むと症状が和らぎます。また、アナフィラキシーショックを起こす可能性があって医師から携帯用エピペンと呼ばれる自己注射薬を処方されて持っている人は、アナフィラキシーショック症状が出たらすぐに使用しましょう。またエピペンの使用後は必ず医療機関を受診しましょう。
3.速やかに医療機関を受診、または救急車を呼ぶ
症状が治まっていく様子であれば良いのですが、悪化しているような場合は速やかに医療機関を受診、または危険な状態であれば救急車を呼びましょう。
まとめ
そばは日本に特有の食材だと思われがちですが、海外でもそばを原料とした食べ物はたくさん存在します。それゆえ、そばアレルギーの人は日本国外でも、食べ物には十分注意を払う必要があります。そのため、そばアレルギーの人は、念のため、どこへ行くときでもアナフィラキシー反応を抑える携帯用エピペンを携帯しておくことをお勧めします。