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アレルギーで嘔吐した場合の対処方法

 アレルギー反応にはさまざまな種類がありますが、嘔吐や下痢などの消化器系の反応が見られることもあります。アレルギーのために嘔吐したときの対処方法を探っていきましょう。

1回だけ嘔吐したときは様子を見よう

 1回だけ嘔吐をする場合は、しばらく安静にして様子を見てみましょう。歩くことができるときは、なるべくすぐに医療機関を受診するようにしてください。医療機関に向かう途中に急変が起こったときは、直ちに救急車を呼び、最短時間で適切な処置を受けられるようにしましょう。

アレルギー検査の実施

 1回だけ嘔吐した場合は、病気による嘔吐かアレルギーによる嘔吐か見分けがつかないことが多いです。病院を受診したときにアレルギー検査を受け、食品などの特定の物質にアレルギーがあるのかについて調べるようにしてください。特に幼い子供の場合は栄養が偏ってしまうこともありますので、自己判断で食品除去をしないようにしましょう。

嘔吐を繰り返すときの緊急措置

 嘔吐を繰り返すときは、アレルギー反応が強く出ており、緊急性が高いと言うことができます。次の手順で救急措置を実施します。

1.携帯用アドレナリン注射を打つ

 携帯用のアドレナリン自己注射を持っているときは、すぐに嘔吐を繰り返している人に注射を実施します。アドレナリン注射器の封を開け、注射器の先端部分を太ももに強く押し当て5秒間待ちましょう。その後、注射を打った部分を10秒ほどマッサージします。

2.救急車を呼ぶ

 救急車を呼びます。アドレナリン注射を打つ前に救急車を呼んでも構いません。嘔吐を繰り返すなどの重篤な症状が出ているときは、治療の遅れによって命に影響が出ることもありますので、なるべく早く適切な治療を受けられるようにしましょう。

3.安静にする

 救急車が来るまで、歩いたり立ったりせずに安静に保ちます。ただし、嘔吐を繰り返しているときは、吐瀉物による窒息に注意する必要があります。仰向けに寝ると吐瀉物が喉に詰まってしまいますので、かならず横向きに寝るようにしてください。

 尚、嘔吐だけでなく呼吸困難の症状も出ている場合は、横になるのではなく椅子にもたれるように腰かけてください。意識がもうろうとしている場合は、血圧が低下していると考えられますので、脚の下に台を置いて脚を15センチほど高くしてから横になるようにしましょう。

4.アドレナリン注射と心肺蘇生

 最初にアドレナリン注射を打ってから10分以上救急車が来ないときもあります。そのようなケースにおいて患者の様子が快方に向かっていないと判断されるときは、再度アドレナリン注射を打ちましょう。

 また、救急車を待っている間に、患者の意識が遠のくこともあります。肩をたたいて(乳幼児の場合は足の裏をたたく)呼びかけても反応が見られないときは、AEDや心肺蘇生術を用いてください。

<AEDの使用方法>

 AEDのふたを開けると、AEDの使い方が記されています。ガイドに従って正しく電極パッドを装着し、ショックボタンを押しましょう。心電図解析をするときもボタンを押すときも、周りに人がいないことを確認し、「近づかないでください」と周囲に呼びかけるようにしてください。

<心肺蘇生術>

 患者が正常な呼吸をしていないときは、胸骨圧迫による心肺蘇生を開始します。胸の真ん中を強く1分に100回以上を目安に圧迫します。胸骨圧迫を開始したら、救急車が到着するまでなるべく中断しないようにしてください。

その他の緊急対応が必要な症状

 嘔吐を繰り返すとき以外も、緊急対応が必要な重篤なアレルギー反応があります。次の症状が見られるときは、すぐにアドレナリン注射や救急車を呼ぶなどの緊急対応を実施するようにしてください。

消化器症状

 我慢できないほどの強い腹部の痛みを訴えるときも、緊急対応が必要です。自分の状態を正確に表現できない小さな子供の場合は、お腹を押さえて冷や汗をかいているかどうかで判断することもできます。

呼吸器症状

 声がかすれたり息をするときに「ゼーゼー」という音が聞こえたりするときは、緊急措置が必要だと判断することができます。胸が締め付けられるように感じる場合や声がかすれる場合、喉が詰まって呼吸がしにくいと感じる場合も、救急車を呼んで早めに処置を受ける方が良いでしょう。

その他の症状

 意識がもうろうとしているときは、すぐに救急車を呼んで下さい。また、爪や唇が白っぽくなってきたときや全身の虚脱感を覚えるとき、尿漏れなどが起こるときも緊急対応が必要なタイミングだと判断することができます。

早急な措置で症状悪化を防ごう!

 アレルギーによって嘔吐などの反応が出ているときは、なるべく早くアドレナリン注射などの緊急措置を行うことで、生命の危機状態に陥ることを防ぐことができます。「この程度なら大丈夫だろう」と軽く見るのではなく、迅速かつ適切な措置を行うようにしてください。

参考サイト:
食物アレルギー緊急時対応マニュアル
食物アレルギー5つのタイプ 即時型食物アレルギー 株式会社 明治

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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