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アレルギー性咳嗽とは?咳が止まらない症状のとき

 咳が止まらないとき、アレルギー性咳嗽(がいそう:咳のこと、咳き込むことを指すこともある)が疑われることもあります。アレルギー性咳嗽とは何なのか、また、症状の特徴や治療法についても解説いたします。

アレルギー性咳嗽とは?

 アレルギーによって引き起こされる咳症状を、アレルギー性咳嗽と呼びます。アレルギー性咳嗽には、原因や症状によってアトピー性咳嗽と咳喘息、咽頭アレルギーなどの種類があります。いずれのアレルギー性咳嗽も、発症してから長い間(8週間以上症状が続くこともある)咳症状が見られることがあり、辛い症状が長く続くことが特徴と言えます。

 また、近年、黄砂によってアレルギー性咳嗽が出る人もいます。これは黄砂に含まれる二酸化ケイ素や黄砂に付着しているカビなどが原因となって、咳症状を引き起こしているのです。黄砂などの特定の原因がアレルギー性咳嗽を引き起こしている場合は、他のアレルギー性咳嗽とは異なり、咳症状が長期化しないことが特徴です。

咳喘息

 アレルギー性咳嗽の中でも、もっともよく見られるのが「咳喘息」です。咳をするときに「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」といった喘鳴が聞こえることはなく、ただ、咳だけが慢性的に続きます。特に、就寝時や夜中、早朝に深刻な症状が見られることが多いです。

咳喘息から喘息に移行することがある

 咳だけが続くのが咳喘息の特徴ですが、長い間咳喘息に罹患していると、「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」といった喘鳴が聞こえるようになり、喘息と診断されるようになることがあります。大人の咳喘息の約3割は喘息に移行すると言われています。

咳喘息の治療法

 咳喘息は、吸入ステロイド薬で治療をするのが一般的です。なるべく早期から吸入ステロイド薬を服用することで、喘息に移行することも予防することができます。咳症状がひどく、呼吸をするのが苦しくなるときは、吸入ステロイド薬だけでなく気管支を広げる効果がある気管支拡張薬も同時に吸入します。また、急に咳喘息の症状が出てきたときや吸入ステロイド薬で症状が改善されないときは、ステロイドの内服薬を用いることもあります。

アトピー性咳嗽

 アレルギー性咳嗽の中では、「アトピー性咳嗽」は咳喘息に次いで多く見られます。単に乾いた咳が出るだけでなく、喉が気管に痒みを覚え、イガイガした感じが残ることが特徴です。アトピー疾患に罹患したことがある人やアトピー疾患を持つ家族がいる人は、アトピー性咳嗽にかかりやすい傾向にあります。尚、咳嗽が出るのは、咳喘息と同じく、就寝時や深夜・早朝などが多いです。

運動やタバコの煙などが誘発因子になることがある

 普段は咳症状が収まっていても、運動やタバコの煙、香水などの刺激によって咳が止まらなくなることがあります。また、暖かい部屋に入ったときや寒い屋外に出たときなどの気温差を感じたときに、突然咳が出始めることもあります。

喘息に移行することはほとんどない

 アトピー性咳嗽は、症状が長引いても喘息に移行することはほとんどありません。ただし、再発しやすいという特徴がありますので、一度症状が快癒しても数年後にはまたアトピー性咳嗽になってしまうことがあります。

アトピー性咳嗽の治療法

 アトピー性咳嗽も咳喘息と同じく、吸入ステロイド薬で治療します。ただし、気管支が狭まって咳が出やすくなっているわけではありませんので、気管支拡張薬を投与しても症状を和らげる効果はありません。吸入ステロイド薬を吸入しても咳症状が治まらないときは、内服ステロイド薬を服用します。

咽頭アレルギー

 アレルギー素因はあるけれども、咽頭以外の部位にはアレルギー症状が見られない場合は、「咽頭アレルギー」と診断されます。咽頭部の不快感と長期間にわたる咳症状の2つが、咽頭アレルギーの特徴です。

咽頭アレルギーの治療法

 咽頭アレルギーは急性症状が出ることもありますが、アナフィラキシーショックなどの命に関わる症状が見られるときは、ステロイド薬の全身投与や血管収縮薬の投与などを迅速に行い、気道の確保を行います。

 慢性的に咽頭アレルギーが見られるときは、アレルギー性鼻炎と同じく抗ヒスタミン薬を内服することで症状の改善を図ることが多いです。抗ヒスタミン薬であまり効果が見られないときは、漢方などを用いて症状を緩和させる対症療法を実施します。

咳症状が続くときは早めに病院に行こう

 アレルギー性咳嗽は、ほとんどの場合において咳以外の症状が見られませんので、ついそのまま放置してしまうことがあります。ですが、放置すると喘息に移行したり、咳のしすぎで胸に痛みが出てしまったりすることもあります。早めに薬物治療を開始することで長期化や喘息への移行を防ぐことができますので、「咳が続くな」と思ったら熱などの他の症状がなくても病院を受診するようにしてください。

参考サイト:
アレルギー性咳嗽(がいそう)
咳嗽に関するガイドライン第2版

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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