アレルギーにはいろいろな症状がありますが、目にもアレルギーの症状が表れます。それをアレルギー性結膜炎と言いますが、アレルギー性結膜炎とはどのような症状で、対策法はあるのかなどをご紹介します。
アレルギー性結膜炎とは
花粉やハウスダストなど、アレルギーの原因となる物質、つまり、アレルゲンが目の表面に付着して炎症を起こすアレルギー反応をアレルギー性結膜炎と言います。
アレルギー性結膜炎の種類
花粉などが原因となる一定の季節に症状が表れるものを「季節性アレルギー性結膜炎」、季節を問わず一年中症状が表れるものを「通年性アレルギー性結膜炎」と呼びます。
アレルギー性結膜炎の症状
アレルギー性結膜炎のおもな症状としては、目やまぶたのかゆみから始まり、掻いてしまうと症状が強くなります。次に、目の痛みやゴロゴロといった異物感、目の充血、目やになどの症状となってきます。アレルギー性結膜炎の目やにはゼリー状です。また、上まぶたの裏側にブツブツとした粒状のものができますが、まばたきをする際に、角膜に触ることでできる症状です。
アレルギー性結膜炎を発症する人はアレルギー体質であることが多いため、目の症状だけにとどまらず鼻炎や気管支喘息なども発症することがあります。
アレルギー性結膜炎の原因とメカニズム
アレルギー性結膜炎の原因は、花粉やハウスダストがアレルギーの原因物質(アレルゲン)となります。人間の体には、体内に侵入した異物を排除しようとする働き(免疫)がありますが、アレルギー体質の人は、この免疫機能が花粉などを異物と判断して、過剰に免疫機能が働いてしまい、これがアレルギー反応となるのです。
異物が侵入しアレルゲンと反応すると、体の免疫細胞である肥満細胞がヒスタミンを放出します。このヒスタミンが知覚神経などを刺激し、アレルギー症状を引き起こします。
アレルギー性結膜炎の種類とアレルゲン
季節性アレルギー性結膜炎
季節によって発症しやすいアレルギーです。
1~5月頃:スギ花粉
3~5月頃:ヒノキ花粉
3~6月頃:シラカバ花粉
5~7月頃:カモガヤ花粉
7~9月頃:イネ花粉
8~10月頃:ブタクサ花粉
通年性アレルギー性結膜炎
季節に関係なく発症します。
ハウスダスト:チリ、ホコリ、ダニの死骸やフン、カビ、細菌など
コンタクトレンズの汚れ
春季カタル
5歳から10歳頃に多くみられるアレルギー性結膜炎です。アトピー体質の人が起こしやすい症状です。
アレルギー性結膜炎
アトピー性皮膚炎の人が発症し、重症になると、かゆみばかりでなく痛みや異物感の症状が出てきます。
巨大乳頭結膜炎
コンタクトレンズを装着している人にみられる慢性の症状で、上まぶたの裏に大きな腫れものができます。かゆみや目やに、異物感、充血などの症状がみられます。
アレルギー性結膜炎の治療法
症状に気付いたら、症状が重くならないうちに抗アレルギー点眼薬を使います。重症化してしまったときは、ステロイド点眼薬などで対応する場合もあります。
また、季節性アレルギー性結膜炎の場合は、症状が出る時期の前に医療機関を受診し、医師の指示に従い、対策を取るようにすることをおすすめします。
アレルギー性結膜炎の予防法
花粉を家の中に持ち込まない
外出時はメガネやマスクなどを装着し、帰宅時には、家の中に入る前に衣類や髪に付いた花粉を払い落しましょう。手洗い、うがいは必ず行います。また、洗濯物を外に干した場合や、布団を干した場合は、花粉を払い落としてから家の中に取り込みます。
こまめな掃除でハウスダストを減らす
ハウスダストは、アレルギー性結膜炎だけでなく、さまざまなアレルギーの原因となるので、こまめな掃除でハウスダストを減らすように心がけましょう。特に、カーペットや畳は、ダニが繁殖しやすくなっています。ゆっくりとていねいに掃除機で吸引します。フローリングの床は、掃除機をかける前に拭き掃除をするようにしましょう。
また、床だけでなく、家具や棚のホコリも拭き掃除することを忘れないでください。
寝具の手入れを忘れずに
布団や枕などの寝具は、フケなどダニのエサが豊富で湿気がこもりやすく、ダニが繁殖しやすい場所です。シーツや枕カバーの洗濯はこまめに行いましょう。
また、布団を天日で干し取り込んだ後は、掃除機で吸引するとダニを減少させることができます。
日常生活の心がけがアレルギーを減少させよう
目のかゆみを放置しているとつい掻いてしまい、症状を悪化させてしまいます。そうならないよう、症状に気付いたら、早めに専門医を受診しましょう。また、アレルギーを引き起こしにくくするために、バランスのとれた食生活を送る、適度な運動をする、タバコや飲酒は控えるなど、日常生活の改善も大切です。