何気なく出ている「咳」が、実はアレルギー反応だったりすることがあります。アレルギーと咳との関係について探っていきましょう。
咳は身体の防御反応の1つ
咳は、外部のウイルスやホコリ、動物の毛、煙などから喉や気管、気管支を守るための生体防御反応の1つです。咳をすることで、喉の奥までウイルスやホコリ等が入り込むことを防ぐのです。
また、アレルギーとなる物質や食べ物が体内に入り込もうとするときも、生体防御反応の1つとして咳が見られます。今までに食べたことがないものを食べたときに咳が何度か出るなら、その食べ物は身体に合わないのかもしれません。
咳には体内の不要物を排出する役割もある
咳によって外に出そうとされるのは、外部から入り込んでくるウイルスやホコリ、アレルギーの原因となる物質だけではありません。気道に痰が詰まった場合などには、不要な痰を排出させるために咳が何度も出て、気道を正常な状態に保とうとします。
咳以外の生体防御反応
外部の刺激物から身体を守ろうとする反応は、咳だけではありません。次の反応も、生体防御反応として起こることがあります。
くしゃみ
鼻腔の奥や気道に入った異物を外に出すために、くしゃみが出ることもあります。咳は喉に入った異物を効果的に追い出しますが、くしゃみは鼻に入った異物に効果を発揮します。また、くしゃみは痙攣を伴いますので、かなり奥に入った異物も飛び出やすくなります。
鼻水
鼻水によって、鼻腔の奥や気道に入った異物を洗い流すことができます。
涙
目に異物が入ると、涙が流れて外に洗い流されます。
特定の状況で咳が出るときは?
特定の部屋に入ると咳が出たり、外出時だけ咳が止まらなくなったり等、特定の状況で咳が出るときはアレルギー反応として咳が出ているとも考えられます。例えば、ペットを飼っている人の家に遊びに行くと咳が出たり、押し入れやあまり清掃が丁寧に出来ていない部屋に入ると咳が連続して出たり、天気の良い春に外出すると咳が止まらなくなったりすることもあります。
このように特定の状況でいつも咳が出ることに気付けば、同じ状況になることを回避することで咳を抑えることができます。風邪をひいているわけでもないのに咳が何度も出るときは、環境の中にアレルギーを引き起こすものがないのか考えてみましょう。
アレルギー検査を受けよう!
あまりにも頻繁に咳が出ると、胸が痛くなりますし、勉強や仕事に集中することが難しくなります。アレルギー反応を抑える医薬品や咳止め薬を処方してもらうためにも、一度、病院でアレルギー検査を受けることをオススメします。耳鼻咽喉科を受診しても良いですが、アレルギーが強く疑われる場合はアレルギー科を受診するのも良いでしょう。
アレルギー検査の種類
一般的に、アレルギー検査には次の種類があります。病院によって実施している検査方法が異なりますので、事前に自分が希望している検査を受けられるのか電話等で確認しておく方が良いでしょう。
血液検査
血液を採取し、血液中に含まれる好酸球の数や特異的IgE抗体の数などから、アトピーがあるのかどうかを確認します。
皮膚検査
アレルギーの原因と思われる物質を皮膚に直接接触させて、何かの反応が得られるかを確認します。アレルギーの原因と思われる物質をそのまま皮膚に貼りつける「パッチテスト」だけでなく、皮膚を少し引っ掻いてアレルギー反応が出やすい状態にしてから原因と思われる物質を接触させる「スクラッチテスト」や皮膚内に直接アレルギーの原因と予想される物質を注入する「皮内テスト」などがあります。
いずれも少量の原因物質であっても重篤な反応が出る可能性がありますので、医師の監督の下で実施します。
除去検査・投与検査
アレルギーの原因と思われる物質を生活の中から一定期間除去して、症状が緩和されるかを調べる方法(除去検査)や、敢えて投与することで症状が悪化するか調べる方法(投与検査)もあります。
呼吸機能検査
喘息が疑われる場合は、肺活量や気管支の広がりを確認する「呼吸機能検査」も実施されます。胸部のレントゲン検査も同時に行い、心臓や肺に特定の疾病がないことを確認することもあります。
気道過敏性検査
一過性の咳ではなく喘息が疑われる場合は、気道がアレルギー物質に対して過敏になっているかを調べる検査を実施することもあります。アレルギーの原因物質と推測される物質を患者に吸入させ、気道にどのような変化が見られるかを観察します。患者によっては重篤なアレルギー症状が出てしまうこともありますので、医師の監督の下、慎重に実施される必要があります。
咳でアレルギーに気づけば早めの対処も可能!
咳によってアレルギーがあることに気付くことも可能です。症状が長期化・重篤化しないためにも、普段から自分自身の体調や変化に敏感でいるようにしましょう。
参考サイト)