シックハウス症候群という言葉はよく知られていますが、実際にどのような症状が出るのでしょうか。また、シックハウス症候群にならないためにできること、症状が出たらすべきことについてもまとめました。
シックハウス症候群とは
建物や家具に体に有害な化学物質が使われていると、吐き気や喘息といった症状がみられるようになることがあります。これを、“シックハウス症候群”と呼びます。また、家や学校などの特定の建物内に、ダニやカビなどの吸い込むと体に有害な影響を与える物質が多いときもシックハウス症候群になることもあります。
シックハウス症候群の症状
化学物質やダニなどの成分によって発症するシックハウス症候群。具体的には次の症状が見られます。
めまいや吐き気
特定の空間に居るとめまいや吐き気などの症状を感じることがあります。吐き気が強く、本当に吐いてしまう人もいるでしょう。屋外に出るだけでも症状が収まることもありますが、一定期間の安静が必要になるケースも少なくありません。
疲労感、倦怠感
なんとなくだるい、少し動くだけでも疲れてしまうということもあります。いずれも頭がぼんやりとし、不快な症状が長引きます。ただし、めまいやじんましんといった分かりやすい症状ではないため、シックハウス症候群による症状とは気づきにくいという傾向があります。
じんましんや湿疹などの皮膚症状
皮膚に蕁麻疹や湿疹、肌荒れなどの症状が出ることもあります。関節部分や顔などの特定の部分だけに症状が出ることもありますが、腹部や全身などの広域に症状がみられることもあります。
目のかゆみや充血、涙目
目の奥がかゆくなったり充血することもあります。また、涙目になってしまい、視界が悪くなることもあります。いずれもシックハウス症候群の症状としては頻繁にみられる症状ですので、目に異変を感じたときは建物内に原因物質がないか考えてみてはいかがでしょうか。
のどの痛み、喘息症状
のどがなんとなくイガイガする、のどの奥がかゆい、のどの乾燥が気になる、咳が止まらないなどの症状も、シックハウス症候群でよくみられる症状です。室内を換気し、症状の改善を図りましょう。
鼻水、粘膜の乾燥
鼻水が止まらなくなったり、鼻腔内や口腔内などの粘膜部分に乾燥を感じたりすることも、シックハウス症候群でよくある症状です。風邪のような症状ですが、発熱することはあまりありません。
シックハウス症候群を予防する方法
シックハウス症候群は、風邪に似た症状が多いです。しかし、特定の場所から離れると症状が改善されることが多いため、場所や空間に原因があると気づくことができます。シックハウス症候群は、次の5つの方法で予防することもできます。特定の空間でいつも不快感を覚えるときは、シックハウス症候群の予防方法を実践してみてください。
こまめに換気しよう
化学物質もダニ、カビも、空気中に大量に含まれていると、呼吸によって体内に取り込まれてしまいシックハウス症候群を引き起こします。こまめに換気をし、室内の空気がこもらないように心がけましょう。
換気扇や網戸、エアコン内部を掃除しよう
換気扇や網戸、エアコンなど、空気や風が通る部分にカビやダニ、その他の体に悪影響を与える微小物質が付着していると、空気が通ることで体内に入り込むこともあります。換気扇やエアコンのフィルターをこまめに掃除し、汚れが付着したままで放置することがないようにしてください。
寝具などの布類を適度に乾燥させよう
寝具やカーペット、キッチンマットなどの布類は、湿度が高くなるとカビやダニの温床になってしまいます。こまめに洗って清潔に保ち、天気の良い日は外に干して日光消毒しましょう。
通風が良くない場所では部屋干しを避けよう
雨の日や風が強い日などには部屋干しをすることがあるかもしれません。しかし、風の通りが悪い場所で部屋干しすると、室内や洗濯ものにカビが発生する原因となってしまい、ひいてはシックハウス症候群の原因になってしまうこともあるのです。風通しの悪い部屋では部屋干しをせず、浴室乾燥機や除湿器を効果的に使用するようにしてください。
こまめに掃除をしよう
部屋の中にカビやダニなどのアレルギー症状を引き起こす物質が大量に存在すると、シックハウス症候群の症状は出やすくなってしまいます。こまめに掃除をして、部屋を清潔に保ちましょう。
建物や家具を交換することは難しい!
建物や家具にシックハウス症候群の原因物質が含まれていたとしても、現実的には建物や家具を気軽に交換することは不可能です。深刻な症状が出るときは工務店や家具販売店に相談しなくてはいけませんが、換気や乾燥、掃除で対応できる範囲は自力で対応することができます。清潔な環境で心地よく生活していきましょう。
参考サイト:
厚生労働省「シックハウス症候群とは」