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ニンニクでアレルギー!? その症状と原因

 ニンニクといえば、免疫力を高める、殺菌作用があるなど、体に良いイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。ですが、牛乳や卵ほど頻繁に見られるわけではありませんが、ニンニクでアレルギー症状を発症してしまう人もいます。

 パスタやステーキなどの主に西洋の料理には欠かせないニンニク。ニンニクアレルギーとはどのような症状なのか、また、原因は何なのか、ニンニクアレルギーと判断されたときの対策などをまとめてみました。

注意したい!ニンニクアレルギー

 ニンニクに含まれる成分「アリニン」は、酵素と反応すると「アリシン」という成分に変化します。このアリシンは、コレステロールを抑制する作用や抗がん作用、肝臓の細胞活性化、免疫力を高める作用、抗菌・殺菌作用などの優れた効果をたくさん持つ成分ですが、効果が強い分、刺激も強く、体質や体調によっては好ましくない影響を与えてしまうこともあります。

 例えば、ニンニクを摂取すると胃に痛みを感じたり、下痢や腹痛が起こったりすることもあります。少量では特に不快な症状を感じなくても、普段摂取する以上のニンニクを摂取すると、お腹が痛くなったり、頻繁にトイレに通うようになったりすることがあるかもしれません。また、体調が良くないときにニンニクを食べると、急に体がだるくなったり、お腹を刺すような痛みを覚えたりすることもあるでしょう。

ニンニクアレルギーの症状

 ニンニクアレルギーはどのような症状となって表れることがあるのでしょうか。代表的な症状として次のものを挙げることができます。

  • 皮膚や粘膜の腫れ、かゆみ、じんましん
  • 咳、くしゃみ、鼻水、喘息
  • 腹痛、下痢、吐き気、嘔吐
  • 頭痛
  • 貧血、めまい

ニンニクアレルギーの原因は?

 では、なぜニンニクを摂取すると、かゆみや吐き気、腹痛、頭痛などのアレルギー反応が生じることがあるのでしょうか。

ニンニクから生成される成分「アリシン」

 ニンニクを代表する成分とも言えるアリニンから生成されるアリシンは、強い抗菌・殺菌作用を持ちます。特に、生のままのニンニクを食べると、体質やそのときの体調によっては、胃腸への刺激が強すぎて胃痛や腹痛、下痢などを引き起こすことがあります。また、痛みなどの反応が強すぎて、頭も痛いように感じることもあるでしょう。

 また、アリシンには血液をサラサラにする作用があります。そのため、動脈硬化の予防や血行促進の目的でニンニクを食べる人もいます。もちろん、動脈硬化予防や血行促進などの効果も期待できますが、血流を良くし過ぎることで血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの作用を減少させ、貧血を起こしてしまうという可能性もあります。ニンニクをたくさん食べた後に、「めまいがする」「なんとなく気分が優れない」と感じたら、ニンニクの持つ血液サラサラ効果が好ましくない方向に働いたと考えることができるでしょう。

 さらに、アリシンは硫黄と結びつき「ジアリルジスルフィド」という硫黄化合物を発生します。このジアリルジスルフィドは、アレルギーを引き起こす物質であるアレルゲンになることもあり、皮膚のかゆみや湿疹などを発症するアレルギー性皮膚炎を引き起こします。

ニンニクに含まれるたんぱく質

 また、アリシン以外にも、ニンニクに含まれるたんぱく質がアレルギーの原因になることも考えられます。ニンニクが人間の体内に取り込まれると、ニンニクのたんぱく質を排除しようと免疫細胞が活発に活動し、そのためかゆみや発疹などのアレルギー反応を発症してしまうのです。

 この反応がアレルギー性の気管支炎として発現すると、咳やくしゃみ、喘息などの症状が見られるようになります。症状が重篤化すると、呼吸困難や意識障害などのアナフィラキシーショックとして表れることもありますので注意が必要です。

ニンニクアレルギーの対処法

 ニンニクアレルギーが出やすい人、もしくは体調が弱っていて身体が過敏に反応する可能性がある人は、どのようにニンニクアレルギーに対処することができるでしょうか。

胃腸の弱い人はニンニクを控えめに!

 お腹がごろごろしやすい人や食べ物によって下痢などの反応がでる人等の普段から胃腸の弱い人は、ニンニクの摂取を意識的に控えるようにする方がいいでしょう。腹痛や吐き気などのはっきりとしたアレルギー症状が出ないとしても、胃腸への刺激によって消化器系の調子を崩すことになるかもしれません。

食べ方にも工夫が必要

 加熱調理された料理にニンニクが使われている場合に一度もアレルギー症状を出したことがない人でも、生のニンニクを食べると腹痛や嘔吐、下痢などのアレルギー性と思われる症状が出てしまうことがあります。不安な場合はなるべく加熱されたニンニクを取るように、生ニンニクは避けるようにすることが勧められます。

 また、加熱調理してある場合でも注意が必要です。すりおろしたニンニクやみじん切りしたニンニクなら特にアレルギーと思われる反応が出なくても、分厚くスライスしたニンニクや切っていないニンニクを食べると、かゆみやくしゃみといった反応が出ることがあります。普段ニンニクを積極的に食べていない人は、なるべく大きな塊のニンニクは避けるようにする方が良いかもしれません。

ニンニクの風味を活かす

 ニンニクが料理に使用されると香りによって食欲が刺激されますし、独特の辛味は料理を一段複雑なものへと昇華させます。ですが、ニンニクに対してアレルギー反応が出る恐れのある人や胃腸の弱い人、幼い子どもや高齢者などの刺激に弱い人は、調理油にニンニクの香りをつけることで、直接ニンニクを食べずにニンニクの風味や辛味を味わうことができます。
 
 ニンニク風味の油を作ることは簡単です。油をなべやフライパンに適量注ぎ、スライスしたニンニクを細かい泡が出てくるまで煮込みます。後は、香りが立ったらニンニクを取り除いて完成です。ニンニクに香りをつける方法として、生ニンニクを一定期間加熱していない油に入れるという方法もあります。ですが、この方法で香りをつけると、生のニンニクが使用されますので、ニンニクに対してアレルギーを感じやすい人には刺激が強すぎる可能性があります。

アレルギー症状かなと思ったら検査を!

 腹痛や下痢などの症状が表れたとき、少し安静にしていることで症状が緩和されることもあります。もちろん、そのときはそれ以上のニンニク摂取は止めておきましょう。ニンニクの摂取を止めることである程度症状が改善されたのなら、腹痛や下痢を引き起こした原因はニンニクにあると考えられます。体調が回復したら、内科やアレルギー科などの医療機関でアレルギー検査を受け、アレルギーの有無を確認しておきましょう。

 腹痛や下痢などの消化器官における症状ではなく、気管支炎などの呼吸器官における症状が出た人は注意が必要です。症状が悪化しアナフィラキシーショックが出ると、生死にかかわることもありますので、必ず医療機関を受診してアレルギーの有無を確認しましょう。アレルギー検査は内科やアレルギー科だけでなく、病院によっては皮膚科や呼吸器科、耳鼻科でも検査できます。毎日の食事などの日常生活にも関わることですから、医師に相談することをおすすめします。

お菓子や加工品にも注意!

 ニンニクアレルギーとわかったら、もちろんニンニクを摂ることは控えます。自分で調理をするときは避けられますが、お菓子や加工品の中にもニンニクが使われていることが少なくないので注意してください。ポテトチップなどのスナック菓子の香り付けに使用されている場合もあります。容器に表示されている成分表を確認するようにしましょう。

 ニンニクを食べ過ぎた場合、抗菌・殺菌作用の強い刺激により、腹痛や下痢、吐き気、あるいは頭痛などの症状が表れることがあります。そのような症状が表れるようでしたら、ニンニクの摂取を控えるようにしましょう。

 ニンニクの含有するたんぱく質や、ニンニクから生成される成分のアリシンがアレルゲンとなる場合は、腹痛や下痢などの症状ばかりでなく、アレルギー性気管支炎やアレルギー性皮膚炎を発症し、アナフィラキシー症状なども引き起こしてしまう可能性があります。きちんと医療機関でアレルギー検査を受け、医師に相談することをおすすめします。

まとめ

 アレルギーと言う言葉は頻繁に使われる言葉ですので、ともすると甘く見てしまうことがあります。ですが、呼吸器官に異常が出ると呼吸困難などの生命に関わる重篤な症状へと発展してしまうこともありますので、注意の上にさらに注意を重ねることが求められます。何らかの異常が見られた人はすぐに医療機関を受診し、食生活からなるべくニンニクを排除していくような工夫をしていきましょう。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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