卵アレルギーは子供の食物アレルギーの中で最も多く、食物アレルギーの約4割を占めるとされています。卵は様々な料理や加工食品に目に見えない形で非常に多く使われているため、特に注意が必要になります。
卵アレルギーの症状
卵アレルギーの症状には次のようなものがあります。
・皮膚のかゆみ
・ノドがイガイガする
・湿疹、蕁麻疹
・口の周囲が赤くなる
・頬が赤くなる
・下痢、嘔吐、腹痛
・咳き込み
・呼吸困難
軽い場合だとすぐに症状が出ずに、半日から数日経ってから少し蕁麻疹が出るくらいですが、ひどいケースでは食べた直後に反応が出て口の周りが赤くなり、蕁麻疹が出てきてそれが徐々に首の方へと広がっていきます。呼吸が苦しくなって危険な状態になることもあります。症状の出方は人それぞれで、全く皮膚症状が現れない場合もありますので注意が必要です。
また湿疹や蕁麻疹ではかゆみが強く出るため、小さなお子さんでは機嫌が悪くなったり、泣き止まない、眠れないというようなことがよく起こりますので、そのようなサインを見逃さないことが大切です。
卵アレルギーを起こしやすい年齢
卵アレルギーは小さな子供に多く、赤ちゃんの時から3歳くらいまでに特に多くみられます。小さな子供に卵アレルギーが起こりやすい理由として、消化器から分泌される消化酵素が未熟で、卵の蛋白質を細かく分解しきれないことが挙げられます。消化後のたんぱく質の分子が大きいため、体がそれを異物とみなして間違って攻撃してしまうのです。
しかし、成長に伴って消化酵素もきちんと分泌されて、しっかりと卵を細かい分子に消化することができるようになります。それに伴い、小学生に上がるくらいには多くの子供で卵アレルギーがなくなっていきます。
卵アレルギーが起こった時の対処法
卵アレルギーが起こっても、少し赤くブツブツが出るくらいでかゆみも酷くなければ、消化に伴って症状もなくなっていきますので、様子を見ても問題ありません。かゆみが強そうな場合は保冷剤をタオルで包んだりなどして冷やしてあげるとかゆみが和らぎます。
ただし、かゆみや蕁麻疹がとてもひどい場合、吐き気がある場合などは抗アレルギー剤を使ってアレルギー反応を抑えるのが良いでしょう。食物アレルギーがある、という人は予め医師から抗アレルギー剤をもらっておくことをおすすめします。
卵アレルギーの注意点
卵アレルギーに関しては次のようなことに注意しましょう。
1.離乳食で卵を開始する際は少量から
卵アレルギーの原因になっているのは主に白身です。そのため、離乳食で卵を開始する場合は黄身を少量ずつから与えてみましょう。様子を見ながら量を増やしていき、特別な反応が見られなければ白身も少量ずつ与えていく、というように進めていきましょう。もしおかしな反応が見られるなら一度医師に診てもらいましょう。
2.母乳を与えている場合には母親も食事内容に注意
お子さんが卵アレルギーで、まだ母乳を与えている場合は、お母さんも食事内容から卵、そして卵を含む食品を控えるようにしなければなりません。
3.市販の食品は成分によく注意
市販の食べ物には卵が含まれるものが多くあります。市販の加工品には原材料が表示されていますので、購入の際には卵が入っていないかよく確認しましょう。
4.市販薬に注意
卵の白身を原料とした「リゾチーム塩酸塩」が市販の風邪薬に入っていることがあります。このような薬を卵アレルギーの人がうっかり飲んでしまうとアレルギー症状を起こして危険を伴うことがあります。
5.インフルエンザワクチンに注意
インフルエンザワクチンも卵を原料として作られています。そのため重い卵アレルギーの人はインフルエンザワクチンの接種を控えた方が良いですが、軽いアレルギー程度であれば通常は問題なく接種できます。
まとめ
卵アレルギーはあると辛いものですが、成長に伴って克服できることも多いので、アレルギーが出ているうちはなるべくひどい症状が出ない、または悪化しないように、医師の指導に従って卵の摂取に気をつけていきましょう。