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喘息の薬ってどんなものがある?飲み続けないといけないの?

 喘息の薬には、発作が起こったときに症状を鎮静化させる薬と発作が起こらないように管理する薬の2つの種類があります。それぞれどのような薬剤があるのか、また、服用のタイミングと長期的に服用する必要性について見ていきましょう。

発作が起こったときに服用する喘息の薬

 医療機関で喘息であることが診断されると、発作が起きたときのための医薬品(β2刺激薬)が処方されます。ただし、発作の状態によって若干使用法が変わります。

呼吸困難等の重篤な発作の場合

 呼吸することが難しいほど重篤な発作が起こったときは、ただちに救急車を呼びます。β2刺激薬を持っている場合は、病院に到着するまでの間、状況に応じて20~30分に3回を限度に服用(内服あるいは吸入)することができます。

咳が長く続く等の重篤とは判断できない発作の場合

 呼吸困難ほどの重篤な症状ではない発作の場合は、まずは1回分のβ2刺激薬を服用します。内服した場合は30分後、吸入した場合は15分後にβ2刺激薬によって効果が得られたかを判断します。症状が消失しているなら効果が得られたものとして、医師に指示されたタイミングでβ2刺激薬の服用を数日間継続します。β2刺激薬服用期間中に再度発作が起こったときは、速やかにかかりつけの医師の診察を受けます。

 発作時にβ2刺激薬を服用したにも関わらず、症状が消失しない場合には、1~2時間後に再度β2刺激薬を服用します。2回目にβ2刺激薬を服用しても症状が消失しない場合は、かかりつけの医師の診察を受けます。

 また、発作時にβ2刺激薬を服用したにもかかわらず、症状にまったく変化が見られないときや症状が悪化しているときは、20分~1時間間隔でβ2刺激薬を服用しつつ、速やかにかかりつけの医師の診察を受けます。呼吸困難の症状が見られるときは、救急車を呼ぶなど、なるべく早く治療を受けられるようにしてください。

発作が起こらないように服用する喘息の薬

 緊急時にはβ2刺激薬を使用しますが、発作が起こっていないときは発作を防ぐための喘息薬(長期管理薬、コントローラーとも呼ぶ)を服用します。長期管理薬としては、吸入ステロイド薬やロイコトリエン受容体拮抗薬、クロモグリク酸ナトリウムがメインとして使われ、発作の頻度や重症度によってはテオフィリン徐放製剤や長時間作用性β2刺激薬等も補助的に使用されることがあります。

吸入ステロイド薬

 吸入ステロイド薬は、吸入することによって、直接気道の炎症を鎮静化させる薬剤です。喘息症状を緩和するだけでなく、喉のひっかかるような感覚や喘鳴などの症状の改善も期待できます。ただし、途中で服用を止めてしまうと炎症が再発することが多いことや、発作の頻度と重症度が高い患者には用量を増やさなくてはいけないなどのデメリットもあります。

ロイコトリエン受容体拮抗薬

 吸入ステロイド薬と同様、喘息症状をコントロールする主な薬剤として使用される薬剤です。重症度が高い患者に、吸入ステロイド薬を増量して処方するのではなく、吸入ステロイド薬の量を低~中用量に抑え、ロイコトリエン受容体拮抗薬を併用して処方することもあります。

 吸入ステロイド薬が気道の炎症に対して速やかに作用するのと比べると、ロイコトリエン受容体拮抗薬は効果が出るまでに1~2週間かかることも少なくないという特徴があります。しかしながら、運動誘発性喘息を効果的に抑えるという特徴もありますので、運動をすることで喘息が誘発されやすい人や運動をする機会が多い人には適しているとも言えます。それに加え、長期的に服用を継続しても効果が減弱しにくいという特徴もあります。

クロモグリク酸ナトリウム

 クロモグリク酸ナトリウムは、アレルギー性の炎症反応や神経原性の炎症反応を効果的に抑制するという特徴があります。発症早期の服用が特に効果的ですので、発症して重症化する前に治療を開始したときに処方されることが多いです。

テオフィリン徐放製剤

 テオフィリン徐放製剤には気管支拡張効果があるので、気管支喘息を持続的に要請する効果を期待できます。ただし、テオフィリン徐放製剤は、代謝において個人差や年齢差が大きいため、血中テオフィリン濃度が一定以上に上昇しないように観察し続ける必要があります。特に乳幼児においては血中テオフィリン濃度が上昇することで痙攣等の重篤な副作用を引き起こすこともあり、テオフィリン徐放製剤以外の薬剤を使用することが一般的です。

長時間作用性β2刺激薬

 一般的なβ2刺激薬はあくまでも緊急時に使用する医薬品ですが、長時間作用性β2刺激薬は吸入ステロイド薬と併用して一定期間使用を継続することが可能です。ただし、原則として、症状がある程度落ち着いたら服用を中止します。

コントロール用の薬は忘れずに飲み続けよう!

 症状コントロール用に処方された薬剤は、継続服用することで効果を発揮します。用量・用法を守り、定められた期間はしっかりと忘れずに飲み続けるようにしましょう。

参考サイト)
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン ハンドブック2013 ダイジェスト版


著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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