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喘息の原因とは?アレルギーやアトピーとの関係は?

 喘息の原因とはそもそも何なのでしょうか。喘息の診断を受けるときにアレルギーやアトピーの検査を受けることもありますが、喘息とアレルギーにはどのような関係があるのでしょうか。

喘息の原因は子供と成人で異なる!

 喘息の原因は患者さんによっても異なりますが、年齢によっても特定の傾向が見られています。乳幼児期や学童期に発症することが多い「小児喘息」と20歳を超えてから罹患する「成人喘息」の主な原因は次の通りです。

アレルギー起因型が多い「小児喘息」

 小児喘息の患者のうち70~90%は、ダニを原因物質とするアレルギー型(アトピー型とも言う)です。アトピー性皮膚炎の患者に多く見られるように、血清中の特異的IgE抗体の数値が高くなっていることが多いです。

 そのため、ダニやハウスダストなどに対してアレルギー反応を示す人やアトピーの人は、小児喘息に罹患しやすいと言うことができます。もちろん、すべての小児喘息患者がアレルギー起因型ではありませんが、普段の生活環境からダニ等を除去することで、症状が緩和されることや発作が出にくくなることがあります。

原因特定が難しい「成人喘息」

 一方、成人喘息では、アレルギー起因型やアトピー型の喘息は多くはありません。原因物質を特定することが難しく、生活環境からダニを徹底的に取り除いても症状緩和に結びつかないこともあります。

 治療は主に薬物によって実施しますが、発作が出たときのための発作治療薬(レリーバー)と継続的に服用することで発作を出にくくする長期管理薬(コントローラー)を併用します。尚、成人喘息の場合、3年以上の長期間にわたって治療薬を服用しなくても発作や喘息症状が出ないこともあります。とはいえ、完治したかどうかは検査を受けないと分かりませんので、年に1~2度は医療機関を受診し、気道の状態をチェックしてもらうようにしましょう。

喘息の原因となるアレルギー物質には何がある?

 子供の喘息のほとんどが、そして大人の喘息も特定の割合の人が、アレルギーが原因となって喘息症状を発症しています。では、原因となるアレルギー物質としてはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

ダニ

 小児喘息の70~90%の原因とされているダニ。家の中に大量に生息しているだけでなく、死がいもアレルギーの原因になりますので丁寧に除去する必要があります。特に布団や枕などの寝具にはダニが生息しやすく、こまめに洗濯することや日光にしっかりと当てること、防ダニ加工がしてあるリネン類やカバーを使用することが大切です。

 また、カーテンやカーペットなどの内装部分にもダニは生息しやすくなります。カーテンをブラインドに変更したり、カーペットの使用を止めたり等、ダニが入り込みにくい環境を作ることも忘れてはなりません。それに加え、湿度がこもるとダニは生息しやすくなります。こまめに部屋を換気し、カーテンや布団、カーペットなどのダニが生息しやすい場所に加湿器を置かないようにしてください。

ハウスダスト

 ハウスダストも喘息の原因になります。ほこりが立たないように、ぬいぐるみやブランケットなどもこまめに洗濯し、あまりにも多くの数を保有しないようにする方が良いでしょう。もちろん、こまめに掃除機をかけることや定期的に壁や天井のホコリも吸い取ることが大切です。

カビ

 カビを吸い込むことで、喘息になってしまうこともあります。お風呂場や洗面所などの水回りは特にカビが発生しやすいので、丁寧に掃除をし、1日に1回は窓を開けて乾燥させることができるでしょう。窓がない場合は、換気扇や浴室乾燥機などを利用し、換気を十分に行うようにしてください。

動物の毛

 犬や猫などの動物の毛を吸い込むことで、喘息症状が悪化することもあります。できれば家でペットを飼わないこと、どうしても飼うときは洋服や髪、肌についた動物の毛をこまめにブラシなどで落とすことを心がけて下さい。

花粉

 スギやヒノキ、ブタクサ、カモガヤなどの植物の花粉から喘息症状を引き起こすこともあります。特に春~夏にかけては花粉が多数飛来していますので、外に出かけるときにはマスクを着用し、家に入るときには全身にブラッシングをするなどの対策が必要になります。

 また、花粉由来の喘息の場合は、洗濯物や布団を外に干すと花粉が付着し、症状を悪化させることもあります。浴室乾燥機や衣類乾燥機能付き置き型乾燥器などを利用して、洗濯物や布団はなるべく室内で干すようにしてください。

 チャタテムシなどの虫の糞や死がいを吸い込むことで、喘息が発症することもあります。こまめに掃除をすることで、ある程度、呼吸器に入り込むことを防げます。

喘息治療には環境コントロールが大切!

 喘息発作を発症しないようにするためにも、喘息症状を緩和させるためにも、ダニやハウスダストなどの喘息の原因物質を丁寧に除去することが大切です。こまめな掃除・洗濯を習慣にし、喘息症状を引き起こさないようにしていきましょう。

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著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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