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喘息とは?苦しい咳などの症状と対処方法。

 喘息は子供によく見られる病気の1つですが、大人の喘息も大勢います。子供のときには喘息が見られなかったのに大人になってから初めて喘息になる人(成人発症喘息)は、成人喘息の7~8割を占めています。喘息とは何なのか、どのような症状が見られるのか、そして症状がひどいときはどのように対処することができるのかについて見て行きましょう。

喘息とは

 喘息の始まりとしてもっとも多いのが「風邪が治ったのに咳だけ治らない」という状態です。熱や鼻水などの症状が治ったのに、咳だけが長く続きます。病院では、次の項目に当てはまると喘息の可能性を疑い、呼吸機能や気道炎症などの検査を実施してから喘息であると診断します。

  • 2週間以上咳が続いている。
  • 呼吸をするときにゼイゼイいう音が聞こえる。
  • 呼吸が苦しくて、睡眠が中断される。
  • 風邪の他の症状が治ったのに、咳だけが治らない。

喘息が疑われるときに実施される検査

 喘息の可能性が疑われるときには、次の検査を実施して、総合的な観点から喘息であることを診断します。

アレルギー検査、問診

 小児喘息は、何らかのアレルギー疾患を有する場合やアレルギー疾患を持つ家族がいる場合に多く見られます。血液検査や問診により、本人と家族のアレルギー疾患の有無を確認します。

呼吸機能の検査

 β2刺激薬に対する反応やスパイログラム、フローボリューム曲線を観察し、呼吸機能に問題がないか確認します。

気道の過敏性の検査

 アセチルコリンやメサコリン、ヒスタミン閾値を観察します。また、運動や冷気、煙などの刺激により気道に変化が表れるかも調べます。

気道炎症の有無を調べる検査

 鼻水や胆汁に含まれる好酸球の数、呼気中の一酸化窒素濃度を検査します。

喘息で見られる症状

 喘息では、次のような症状が見られます。

  • 喘鳴(ゼイゼイ言う音)
  • 呼吸数の増加
  • 呼吸が苦しいために急ぎ足が困難になる。
  • 息を吸うときに小鼻が開く。

 症状が重症化すると、次のような症状が見られることがあります。

  • チアノーゼ
  • 意識障害(興奮状態や錯乱状態、意識低下)
  • 嘔吐
  • 食事が困難になる。
  • 連続した睡眠をとることが難しくなる。
  • 呼吸が苦しいために歩行が困難になる。
  • 呼吸をするときに前かがみになる。
  • 爪の色が白・青・紫になる。
  • 大小便を失禁する。

喘息の症状がひどいときの対処法

 喘息の症状がひどいときは、次のような対策や処置を受けることができます。

家庭でできる喘息発作の対処法

 喘息が見られたら、次のことを実施してみてください。ただし、先程列挙した重篤な症状が見られるときは、すぐに医療機関で適切な治療を受けるようにしてください。

  • 安静にする。
  • 安静にしても症状が良くならない場合は、病院で処方されたβ2刺激薬を吸入もしくは内服する。
  • β2刺激薬によって症状が良くなった場合は、そのまま安静にする。ただし、β2刺激薬を服用しても症状が改善に向かわない場合は、病院で治療を受ける。

医療機関で実施する喘息発作の対処法

 発作が起きた場合、もしくは喘息症状が長引いている場合は、医療機関で喘息治療を受けます。

  • β2刺激薬を反復服用する。
  • SpO2濃度を測定し、95%未満のときは酸素吸入を実施する。
  • 全身性のステロイド薬を投与する。
  • 入院治療が必要だと判断される場合には、イソプロテレノールの吸入やアミノフィリン点滴を実施する。

 また、上記の治療によって喘息発作が改善されない場合には、人工呼吸の実施を検討します。特に意識混濁が見られるときは、なるべく早めに充分な酸素を吸入させるために人工呼吸処置に移行します。ただし、小児には人工呼吸の有用性はまだ確立されていないので、実施する際には慎重な判断が必要になります。

喘息発作が起こらないために注意すべきこと

 室内環境を整備することで、喘息発作を減らすこともできます。日本人のアレルゲンとしてもっとも多いチリダニを除去する方法を紹介します。

  • 布団にこまめに掃除機をかけたり、日光に当てたり、防ダニカバーを使用する。
  • じゅうたんやカーペットはなるべく使用しない。使用するときはこまめに掃除機をかける。
  • 布製のソファーもなるべく使用しない。
  • ぬいぐるみはこまめに洗濯する。なるべく少量のみを保有する。
  • カーテンもこまめに洗濯する。洗濯が難しいときは、ブラインドなどのダニやほこりを吸着しにくいものに変更する。
  • 毛の多いペットとはなるべく一緒に暮さない。
  • 禁煙する。また、受動喫煙も避ける。

環境を整えて喘息発作を予防しよう

 ダニがたまりにくい環境に整えることで、喘息発作を減らすことができます。また、発作が起こったらすぐに対応できるよう、病院で適切な医薬品をもらっておくことも大切です。喘息は長期化することも多いですので、こまめな掃除を長期的に続けて行きましょう。

参考サイト)

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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