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山芋アレルギーかも?ヤマイモで湿疹が出たら注意するべきこと。


 ヤマイモを食べると湿疹が出る人がいます。もしかしたらそのような症状は、山芋アレルギーによる症状かもしれません。山芋アレルギーの特徴や症状、山芋アレルギーを有する人が注意するべきこと、アレルギー症状の予防方法等について見ていきましょう。

山芋アレルギーとは

 山芋アレルギーとは、ヤマイモによって引き起こされるアレルギー症状のことを指しています。ただし、山芋アレルギーには2つの種類があり、ヤマイモを手に触れることや口の周りに触れることでアレルギー症状が出る場合と、ヤマイモを食べることでアレルギー症状が出る場合があります。

接触性の山芋アレルギー

 ヤマイモをすりおろすと、手がかゆくなる人や湿疹状のブツブツが出る人も少なくないのではないでしょうか。そのような人は「接触性の山芋アレルギー」だと考えられます。ヤマイモだけでなく自然薯や長芋、むかご、イチョウイモ、ヤマトイモなどの大きく「山芋」に分類されるものすべてに対しても、触れることでかゆみや赤みなどのアレルギー症状が出ることがあります。

接触性山芋アレルギーの主な症状

 触った部分の皮膚がかゆくなることや湿疹が出ることが多いです。また、口に入れるときに口の周りがかゆくなることもあります。これはヤマイモに含まれる「シュウ酸カルシウム」が原因となってかゆみを引き起こしているのです。シュウ酸カルシウムは針状のとがった形をしていますので、シュウ酸カルシウムが多く含まれるヤマイモを手で触れると、皮膚が傷つき、かゆみなどの症状が出てしまうのです。

予防方法と治療方法

 直接ヤマイモに手を触れると、シュウ酸カルシウムに触ってしまうことになりますので、手を触れないで調理をするかシュウ酸カルシウムを不活性化することで予防していきます。

ヤマイモを触らずに調理する

 密着性の高いゴム手袋でヤマイモを掴み、包丁で切ったりおろしがねですり下ろしたりできるでしょう。ですが、ヤマイモは粘り気が多く滑りやすくなっていますので、ゴム手袋で掴む方が怪我をする恐れが高くなることもあります。手指を切らないように注意して下さいね。

ヤマイモを酢入りの水につける

 ヤマイモの皮をむいた部分を、酢を少量入れた水に付けてから調理を始めるという方法があります。シュウ酸カルシウムは酸に弱い性質がありますので、酢(酸)を入れた水に付けておくことで表面のシュウ酸カルシウムを不活性化することができます。もちろん、大量の酢を使うとヤマイモの風味を打ち消してしまいますので、水1リットルに対して酢大さじ5~10ほどで充分です。

かゆくなってしまったら

 かゆみが出てしまったときは、酢で手のかゆい部分を洗って、手指についたシュウ酸カルシウムを落としていきましょう。シュウ酸カルシウムは熱にも弱いという性質がありますので、酢でかゆい部分を洗ったら、お湯ですっきりと酢や残ったシュウ酸カルシウムを落として下さい。

 かゆさに負けてかいたり引っ掻いたりしてしまうと、かゆみはますます強くなります。かゆみを長引かせたり掻き傷を作ったりしないように、絶対に掻かないようにしてくださいね。

 また、口の周りがかゆいときも同様です。酢を直接口の周りにつけると染みることがありますので、酢を水で薄めてティッシュなどに含ませ、口の周りなどのかゆみがある部分をポンポンとたたくようにしてください。その後、お湯などでしっかりと酢や残ったシュウ酸カルシウムを落として下さい。

食品アレルギーとしての山芋アレルギー

 アレルギー物質を含む食品を使用した加工食品は、食品表示法に沿ってその旨を表示することが厚生労働省によって定められています。小麦や鶏卵、乳、乳製品などはアレルギーを持つ人が多いので、加工食品の食品表示欄に含まれている成分を記入することが義務付けられています。また、ピーナッツやそばはアレルギー症状が重篤になることが多いので、小麦や鶏卵等と同様、食品表示欄に成分表記することが義務付けられています。

 ヤマイモも食品アレルギーを引き起こす可能性がある食品の1つです。ただし、小麦と鶏卵、乳・乳製品、ピーナッツ、そばと比べるとアレルギー症状を引き起こす例が少ないため、表示は義務化されてはおらず、表示を推奨するのみにとどまっています。

 ヤマイモ以外にも、食品アレルギーを引き起こす可能性がある食品は多数あります。リンゴやバナナ、キウイフルーツ、モモなどのフルーツ類や、サバやサケ、イカ、あわび、いくら、カニ、エビなどの魚介類、鶏肉や牛肉、豚肉などの肉類も、食品アレルギーを引き起こす可能性があります。

参考:厚生労働省「食物アレルギーとは」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1951/25/1/25_1_27/_pdf

山芋食品アレルギーの症状

 ヤマイモに対して食品アレルギーを持つ人がヤマイモを食べると、皮膚のかゆみや赤み、ほてり、局部的もしくは全身のジンマシンなどの皮膚症状が見られることが多いです。また、人によっては喘息や腹痛、動悸、下痢、嘔吐、吐き気などの症状が見られることもあります。

 血圧や心拍数が急激に下降(もしくは上昇)したり、呼吸不全になったり等、生命の危機に関わる重篤な症状が出ることもあります。アレルギーによると思われる症状が複数出ている場合や症状が深刻な場合は、すぐに病院の診察を受けるようにしてください。

山芋アレルギーの予防方法

 かゆみも発疹も、いずれにしてもアレルギー症状は不快なものです。ヤマイモによるアレルギー症状を予防する方法について見てまいりましょう。

触らない

 接触性の山芋アレルギーがある人は、極力山芋を触らないことでアレルギー反応を出にくくできます。どうしても調理しなくてはいけないときは、すり下ろす部分だけの皮をむいて、皮をむいた部分を直接手で触れないようにしたり、酢を少量落とした水にヤマイモを浸けて、大量のシュウ酸カルシウムが一度に手に触れないように工夫したりしてください。

食べない

 また、食べるとヤマイモの食品アレルギーが生じる人は、ヤマイモが入っている料理をなるべく避けることでアレルギー発症を抑えます。ヤマイモはそのまま食べることよりも、加工食品の材料として使われることが多いです。しっかりと成分表示をチェックして、ヤマイモが含まれていないか確認して下さい。

ヤマイモが含まれている恐れのある加工食品

  • 和菓子:特にもち米で作られていないまんじゅう(紅白まんじゅうなどの記念式で配ることも多いまんじゅうや温泉まんじゅう等)には、ヤマイモが含まれていることが多いです。
  • 練り物:はんぺんやかまぼこ、つみれなどの魚肉から作られる加工品に使われていることが多いです。
  • 洋菓子:クッキーやカステラ、アイスクリームなどにも入っていることがあります。
  • 粉モノ:関西で粉モノと呼ばれることがあるお好み焼きやたこ焼きなどは、ヤマイモで独特の風味や粘り気を出しているものも少なくありません。

気になるときはすぐに病院へ!

 症状が長引く場合や2つ以上の症状が同時に見られるとき(発疹と喘息等)、明らかに異常な反応だと思われる場合は、すぐに病院に行って適切な治療を受けるようにしてください。食品アレルギーの原因がヤマイモかどうか分からないときは、アレルギーテストを実施して、どの食品に対して症状が強く表れるのか知っておくこともできるでしょう。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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