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子供の花粉症の症状と原因、治療方法は?

 日本において花粉症の患者さんは年々増加していると言われており、例えばスギ花粉症患者に関しては3000万人以上、つまり国民の4人に1人がかかっているとされています。これはこどもに関しても例外ではありません。花粉症を発症しているこどもは年々増加する傾向にあり、しかも低年齢化してきています。花粉症は大人にとっても辛いものですから、まだ小さなお子さんが辛い症状で苦しんでいるのは本当にかわいそうですよね。しかし、対処法によってはお子さんの辛い症状をかなり和らげることも可能です。

こどもの花粉症の症状の特徴

 花粉症の典型的な症状は「目のかゆみ」「鼻水」「鼻づまり」「くしゃみ」などですが、こどもの場合は大人の場合と症状の出方に違いが出ることがよくあり、花粉症であることに気がつきにくい場合があります。お子さんに次のようなサインを見つけたら花粉症の可能性があります。

■こどもの花粉症の特徴

1.目の症状がひどく出やすい

 こどもの花粉症は、目の症状として見られることが多いです。目を頻繁にこする、充血している、まぶたが腫れる、目やにが多く出る、というような症状です。無意識に掻きすぎてしまい、悪化するケースも多く見られます。

2.鼻づまりが多い

 こどもは鼻の穴が小さいため、鼻づまりが起こりやすくなります。ただし、くしゃみを伴うことは少なく、鼻づまりだけが見られるケースが多いです。

3.鼻水がドロっとしている

 大人の花粉症では鼻水がサラサラしているものですが、こどもの場合は粘性の高いドロっとした鼻水が多く見られます。そのため、鼻づまりを頻繁に起こすことになります。息が苦しそうにしていたら、すぐに耳鼻咽喉科に連れて行ってみましょう。

4.口をポカンと開けていることが多い

 鼻で呼吸ができないため口をポカンと開けてボーッとしているようなことが多くなります。これも鼻づまりによって起こる症状ですが、上を向いて息をしていること(鼻が詰まっているために少しでも鼻を上に向けようとするため)や口を開けていることが増えてきたら、耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。

5.顔をしかめるような行動が多くなる

 目や鼻のムズムズ感のためにチックのように顔をピクピク動かしたりする行動が多く見られるようになります。目や鼻を頻繁にこすって皮膚が切れてしまうこともあります。顔周りがつらそうに見えるときは、なるべく早く病院に連れて行くようにしましょう。

6.鼻血が出る

 鼻がかゆいためいじりすぎて鼻血を出すことがよくあります。

花粉症の原因となる植物と季節

 日本では花粉症の原因となる植物で一番多いのがスギですが、そのほかにもヒノキ、ブタクサ、カモガヤ、ハンノキ、シラカンバ、ヨモギなど花粉症を引き起こす植物は60種類ほどにものぼるとされています。花粉症の原因となる代表的な植物の花粉が飛ぶ時期はおおよそ次の通りです。医療機関にかかる前に、どの時期にどんな症状があるのかを記録しておくと診断に役立ちます。また、近所やよく行く公園などにある樹木や草花もチェックしておくとよいですね。

<樹木>

ハンノキ・・1月半ば〜4月末
スギ・・2月初旬〜4月末
ヒノキ・・3月半ば〜5月半ば
シラカンバ・・4月半ば〜5月末

<イネ科>

カモガヤ・・4月初旬〜10月末

<雑草>

ブタクサ・ヨモギ・・8月初旬〜10月末

こどもの花粉症は何才くらいから起こる?

 こどもは2歳くらいから花粉症を発症する可能性があります。低年齢のお子さんの場合は自分がどのように辛いのか症状をうまく伝えられませんので、お子さんに何かおかしな行動がないかどうかを親御さんが注意深く見てあげて下さい。特に鼻づまりや顔周りの不快感、目や鼻をこするなどの動作が頻繁に見られるようになったら、すぐに耳鼻咽喉科や小児科を受診するようにしましょう。

こどもの花粉症は何科に行く?

 花粉症を疑ったら小児科か耳鼻科、または眼科の受診をおすすめします。どの科を受診するかは、どんな症状が強く出ているかによって選ぶのがよいでしょう。小さなお子さんの場合はこどもの扱いに慣れている小児科や普段からよく行くかかりつけの医師のところに行く方が良いでしょう。

こどもの花粉症は早めに治療

 花粉症の治療法は主に次のような方法があります。

■薬物療法

1.花粉症の発症を抑える

 抗アレルギー剤を飲むことでアレルギー症状を引き起こす炎症物質をブロックして症状が起こらないようにします。飲み始めてから効果が現れるまでに2週間ほどかかるため、花粉症シーズンが始まる2週間前くらいから飲むことで症状をかなり楽にすることができます。

2.花粉症の症状を和らげる

 抗ヒスタミン剤やステロイド剤の飲み薬や点眼薬、点鼻薬などを症状に応じて使うことにより、アレルギーの強い症状を和らげます。

■免疫療法

 減感作療法とも呼ばれるもので、アレルギーを起こす物質を薄めて週に1〜2回体に作用させることで、免疫機能を高めてアレルギー反応を起こさないようにする体質改善法です。効果が出るまでに2〜3年かかることが多いですので、花粉症と思われる症状が見つかったら早めに病院に行って適切な治療を開始することが勧められます。注射による方法(6歳以上が一般的)やスギ花粉症の場合は舌下免疫療法(12歳以上より適用)と呼ばれる、舌下にスギ花粉を含むエキスを垂らす方法があります。

■ボトックスによる治療

 しわの治療などに使用されているボトックスで、花粉症の症状を抑えることができます。ただし、ボトックスによる治療は症状を抑えるだけのものですので、花粉症自体を治癒することはできません。美容整形外科や美容皮膚科などで処置を受けることができます。

 治療は、鼻に直接ボトックス液を入れるだけですので、注射や傾向による服薬が苦手な人にも適しています。治療自体は数分で終わりますので、手早く不快感を解消したい人にも適した治療法と言えるでしょう。効果が出るまでに数日かかる人もいますが、鼻づまりや鼻水、目のかゆみなどの不快な症状をすぐに解消できるケースも珍しくありません。

 ボトックスによる症状改善効果は1~3週間ほどしか続きませんので、アレルゲンとなる花粉が飛来しているシーズン中に数回の治療が必要となります。尚、治療は保険対象外となり、受診できる年齢もクリニックによって異なりますので、慎重に選んでから実施することが勧められます。

花粉症をひどくしないための対策

 花粉症を薬で和らげることは可能ですが、まずはなるべく花粉に触れない、避けることが大切です。以下のことに気をつけると良いでしょう。

  • 花粉が飛ぶ時期はなるべく外出しない
  • 晴れた風の強い日は特に窓を開けるのを極力控える
  • 外出する場合には帽子、メガネ、マスクなどで鼻、目からの花粉の侵入を防ぐ
  • 外から帰ってきたら家の中に入る前に花粉を払い、手洗い、うがいをする
  • 空気清浄機をつける
  • 洗濯物や布団を外に干すのを控える

 また、お子さんがすでに花粉症の場合には、花粉の飛散状況を早めに把握して、症状が始まる前に医療機関を受診し、早めに薬を飲み始めるなどの対策をとりましょう。

まとめ

 花粉症は一度発症すると自然に治るということはほとんどありません。命に直接関わる病気ではありませんが、生活の質を非常に下げてしまうことも多く、お子さんの場合、学校での成績などに影響が出ることもよくあります。そのため、症状を抑える薬をうまく使って不快な症状をなるべく出さないようにすることが大切です。

 また、症状が出ないように抗アレルギー剤を服用したり注射を打ったりすることも有効です。顔をこする癖がついてしまうと、特にアレルギー症状が出ていないときにもこすったり掻いたりするようになってしまいますので、習慣化する前に対策を取りましょう。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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