アトピーに良いと言われる泉質
アトピーの民間療法の一つとして温泉治療があげられることがあります。肌質と泉質がピッタリ合えば、温泉治療は効果があるようですが、合わない場合はかえって症状が悪化してしまいます。泉質が合う合わないは、個人によって違うので、慎重に選ぶ必要があります。温泉治療をするかどうかは、自己判断で始めないで、主治医に相談してからの方が安心です。
バリア機能が極端に弱っている時は、ぬれて肌がふやけるだけでダメージをより受けやすくなるので、やめたほうがよさそうです。また、温泉は泉質によって大きく11種類くらいに分けられ、そのうち皮膚炎の人によいと言われる泉質は、以下の種類の温泉ですが、皮膚炎にもいろいろあるので、アトピー性皮膚炎によいとはかぎりません。
単純温泉
効能成分が薄い温泉。源泉温度が25度以上という温泉の基準値にはあてはまるが、溶解成分は基準値に達していない。単純に源泉温度の基準のみ満たしている温泉です。
炭酸水素泉
不要な角質や毛穴の汚れを取ります。入浴後は乾燥しやすいです。
塩化物泉
塩分が多いです。湯冷めしにくく塩の殺菌作用で傷に効きます。
硫黄塩泉
殺菌効果が高いです。皮膚への浸透効果が高い分、肌への刺激も強いです。
含鉄泉
鉄分を含んでいます。源泉は無色透明だが、浴槽は鉄分が酸化して茶褐色の濁り湯が多い。体がよく温まります。
二酸化炭素泉
炭酸ガスを含む温泉です。源泉温度が高いと成分が気化するため、一般的に源泉温度が低めです。
酸性泉
PHが酸性に傾いている温泉です。殺菌力が高いですが、肌への刺激も強いです。玉川温泉でPH1.2 草津温泉でPH1.5~2 レモンがPH2です。入浴は慎重に検討し、入浴後は温泉成分を洗い流した方がよさそうです。温泉成分が肌に付着したままにしておくと肌荒れする場合があります。
放射能泉(ラドン泉・ラジウム泉)
免疫力を高め、入浴だけでなく蒸気の吸入でも効果があると言われる。
温泉のメリット
温泉のメリットとしては、
- リラックス効果が得られ、自然治癒力が高まります。
- 代謝機能が改善して肌の自然治癒力が高まります。
- 酸性泉の場合、黄色ブドウ球菌の増殖を抑える殺菌効果が得られます。
温泉治療の注意点
温泉治療をするときの注意点としては、温度が高い、塩分濃度が高い、酸性度が高いなど肌を乾燥させやすかったり、肌への刺激が強い温泉を避けること。肌の状態が安定している時に実際に入ってみて自分に合った泉質の温泉をさがすことです。入ってみてピリピリしみる場合は刺激が強すぎるかもしれません。単純温泉から始めるのが一番無難なようです。治療効果を得るには、1日1回入浴してみて、自分の肌に合うようなら入浴回数を一日2~3回に増やし2~3週間続けることが必要なようです。