アトピー体質の人は、アトピー体質でない人と比べるとアレルギーを引き起こしやすいことが分かっています。なぜアトピー体質の人はアレルギーを引き起こしやすいのか、また、アレルギーを引き起こさないためにどのような対策を実施することができるのかについて解説します。
アトピーとアレルギーの関係
食品や特定の素材、環境などによってかゆみやかぶれなどの不快症状が生じるアレルギー体質の人は、アレルギー症状を防ぐために生活からアレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)を除去する必要があります。また、アトピー体質の人も、卵などのアレルギーを引き起こすことが多い物質を生活から取り除くことで、かゆみや不快感などの症状を抑えることができます。
このことからも、アレルギーとアトピーは無縁ではないということが推測できますが、医学的にはどのような理由があって、アレルギーとアトピーは繋がりがあると言えるのでしょうか。
アトピーは皮膚のバリア機能が低下している状態
アトピー症状が出ている皮膚を拡大してみると、角質部分がささくれだち、外部からの刺激を受けやすい状態になっていることが分かります。ささくれている部分にダニの死がいやハウスダスト、卵などのアレルギーを引き起こしやすい食品、特定の化学物質などが触れて刺激を与えると、強いかゆみや深刻な肌荒れが生じてしまうことがあるのです。
つまり、アトピーとは皮膚が「刺激を受けやすい状態」になっていることとも言い換えることができます。そのような刺激を受けやすくなっている皮膚に、アレルギーを引き起こす可能性がある高刺激性物質が接触すれば、容易にかゆみや肌荒れなどの症状が出てしまいますよね。
「触れること」も肌を刺激する行為
肌のバリア機能が低下して過敏になっているときは、ただ単に「触れること」だけでも、皮膚の症状が悪化してしまいます。手指で触れたり衣服が触れたりすることも、アトピーの皮膚にとっては大きな刺激になるのです。
また、乾燥した空気が触れることも、アトピーで刺激を受けやすい状態になっているときはかゆみを引き起こす大きな要因となります。秋から冬にかけての乾燥している時期は、屋外に出る前に保湿クリームを塗ることで空気による刺激を予防しましょう。
アトピー体質の人が症状を悪化させないための対策とは?
かゆみや極度の肌荒れなどの症状が起こらないためにも、アトピー体質の人は何をすることができるでしょうか。
ハウスダストに注意
アトピーの原因を1つに特定することはできませんが、アレルギーによって皮膚症状が出やすい人には、ダニやハウスダストなどの環境的な素因がアレルゲンになっているケースが頻繁に見られます。普段過ごす場所やベッド回りからダニやハウスダストを適切に除去してみるのはいかがでしょうか。
ダニ予防効果のあるベッドリネンを使う
ダニを予防する効果があるベッドカバーやシーツ、枕カバーなどを利用してみるのもオススメの対策法です。ベッド回りを毎日洗濯できればさらに清潔に保つことができますが、現実問題としてはシーツやベッドカバーを毎日取り換えるのは難しいですよね。ダニ予防効果のあるリネンを用いて、手軽にアレルゲンを予防して下さい。
掃除をこまめにする
室内の掃除をこまめに実施することでも、ハウスダストやダニの死がいを取り除くことができます。こまめに換気することや空気がよどみがちな場所には空気清浄機を置くこともオススメです。
卵の摂取を控える
アトピー体質の人は、卵、特に卵白を摂取することで症状が悪化することがあります。普段から多めに摂取している人は、卵を少し控えてみるのはいかがでしょうか。また、卵以外にも、牛乳や乳製品、大豆、米、小麦などを食べるとかゆみが強くなる人もいます。ご自身の症状をよく観察して、かゆみが強くなると思われる食べ物を避けるようにしてみてください。
乾燥を防ぐ
アトピー体質の人は皮膚が乾燥しやすいです。積極的に保湿をしても、アトピー体質以外の人と比べるとあまり保湿効果を得られないことも多いです。ですが、だからといって保湿ケアをしないで放置しておくと、さらに皮膚のバリア機能が低下し、かゆみや強い肌荒れなどの特有の症状が出てしまうことになります。こまめに保湿ケアをすることを心がけるようにしてください。
基本は年中保湿!紫外線ケアも大切
乾燥の強い冬場だけ保湿ケアをしても、効果はあまり得られません。基本的には年中保湿ケアをし、皮膚をささくれだった状態で放置しないようにしてください。また、紫外線も皮膚に強い刺激を与えますので、保湿ケアだけでなく紫外線ケアも年中実施することをオススメします。
アトピーの人もアレルギー対策を実施しよう
アトピーの人は、アレルギー源となりやすいものに反応しやすい体質だということができます。普段の生活から、アレルギー対策を実施して行くようにしてくださいね。