アトピーの子供の肌は真っ赤になってしまってかゆがるし、見ているお母さんのほうも切ない気持ちになりますよね。アトピーは皮膚科で処方されるお薬を使って症状を緩和させるのはもちろんですが、食事でも症状を抑えることができます。
アトピーに負けない!できれば避けたい食べ物
食べ過ぎるとアトピーが悪化するといわれている食べ物はいくつかあります。代表例としては、
- アレルギーを起しやすい食べ物(牛乳、卵、小麦、ピーナッツ、蕎麦など)
- インスタント食品
- 植物油
- 肉、卵、牛乳
の4つが挙げられます。ただし、どの食品もアレルギーでもなければ、完全に除去する必要はありません。例えば、肉、卵、牛乳はアトピーになりやすいので、魚料理と肉料理があるなら、魚料理を選ぶけれども、魚料理がなければ肉料理でも構わない、といった程度に考えれば大丈夫です。
アトピーに効果的な食べ物は?
アトピーに効く食べ物はあるかと言われると、効果があるといえる食べ物はとくにありません。栄養バランスの良い食事を心がけることが唯一、アトピーに効果のある食べ物ということができます。その際、気をつけたいのは上記でお話したアトピーになりやすい食べ物をできる限り使わないで食事を用意すること。アトピーになりやすい食べ物の代替案となる食べ物を使って、できるかぎり栄養のバランスを整えることです。
アトピーの救世主は「和食」
栄養のバランスの良い食事と言ったらなんと言っても「和食」が一番です。植物油の使用量も少なく、魚料理が多いため、アトピーの救世主と言っても過言ではないでしょう。
和食のメニューは、焼き魚、煮魚、野菜の煮物等が中心で植物油を使った料理が少ないのです。揚げ物にてんぷらがあるじゃないかと思った人もいるかもしれませんが、てんぷらは日常の食卓に上る料理ではなく「ハレの日」の食事、すなわち祝い膳の一品。毎日のように食べる料理ではありませんでした。
和食は「今日のお昼は焼き魚だけだった」というように、単品の料理だけを食べることはほとんどありません。ほとんどの場合は「ご飯・汁・焼き魚・野菜の煮物・漬物」といったようにご飯と数種類のおかずが並びます。この「ご飯(主食)」と「焼き魚(主菜)」「野菜の煮物(副菜)」の取り合わせが非常に重要です。古くから和食の基本として「一汁一菜」とか「一汁二菜」と言われるのはこれが由縁です。
もう少し、現代的な言い方をすれば「定食」のスタイルと言い換えてもよいでしょう。
町中の定食屋さんで定食を注文すると、必ず「主食・主菜・副菜・汁・香の物」が提供されますよね?このスタイルが「栄養のバランスがよい食事」、すなわちアトピーに効果的な食事なのです。
さらに、和食には洋食では使うことの少ないわかめ、ひじき、切り干し大根などといった食べ物が使われています。これらの食べ物にはビタミン・ミネラルが豊富に含まれているため、身体の中での代謝活動が活発になり、食物繊維が含まれているので腹持ちが良く一石二鳥なのです。
ただし、和食には唯一ではあるものの、非常に大きな欠点があります。それは「食塩含量が多い」ということです。和食の味付けはみそとしょう油が決め手です。どちらも食塩含量の高い調味料なので、食塩の摂りすぎが問題になるのです。また、特に東北地方で問題視されることが多いのですが、冬季の食料確保のため、夏から秋に収穫した野菜類を漬物(塩漬け)にしておかずにしたりします。このように、日本人の食卓には「食塩」が欠かせないものとなっており、世界的に見ても1人あたりの食塩の消費が多いのです。このような現状にもかかわらず、日本人は「食塩感受性」といいますが、遺伝的に食塩の食べ過ぎによって高血圧を引き起こしやすい人も多くいます。
味の好みは幼い頃からの慣れによるところも大きいといわれています。ぜひ、薄味の「和食」で大人になっても健康でいられる味覚を育みながら、上手にアトピーに対処していただきたいところです。