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子供に矯正させるべき?大人になってから治すとお金が倍に!

 近年、日本でも歯並びを気にする人が増えてきました。矯正治療も扱う歯科医院や矯正専門のクリニックも増えてきています。歯並びをきれいにすると見た目が美しくなるだけでなく、磨き残しが減って虫歯になりにくくなったり、身体の歪みが改善されたりとさまざまなメリットがあることも、歯を矯正する人が増えた一因と言えるでしょう。

 ところで、矯正するのは子供のうちがベストとされています。大人になってから治す場合と比べると、費用が半分程度で済むことが多いからです。子供のときに矯正をするとなぜ費用が安くなるのか、また、子供のうちに矯正をするメリットとデメリットについて解説します。

矯正歯科治療は全額実費が基本

 現在、日本では歯の矯正治療に対しては保険が適用されません。噛み合わせに外科的治療が必要だと判断されるほど異常がある場合や永久歯が正しく出ていない場合などの特定の場合は、保険適用となることがあります。しかしながら、矯正によって審美的な効果を求める場合は、全額実費で治療を進めていくのが一般的です。

 また、日本広しと言えど、子供の矯正歯科治療に対して補助金を給付している自治体はありません。つまり、日本のどこに住んでいる人でも、病気以外の理由で歯並びを矯正しようとなると、全額実費を払わなくてはいけないのです。矯正歯科治療は自由診療ですから、クリニックによって価格が自由に決められています。数十万円の歯科医院もありますが、100万円、200万円もかかるケースも少なくありません。

参考:日本矯正歯科学会「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは」

子供の矯正は大人の矯正よりも短期で終わる

 矯正歯科治療は、歯の状態を調べ、理想的な歯並びへと歯を動かしていく治療です。歯は簡単に動くものでもありませんから、場合によっては2~3年かかることもあります。歯科矯正中は月に1、2度の頻度で歯の動き具合をクリニックでチェックしてもらいます。その際にクリーニングなどもしますので、矯正治療の料金とは別に診療代やクリーニング代を請求されることもあります。

 矯正治療を始めるときは、大抵、どこの矯正歯科医院に通っても同じです。歯のレントゲンを撮影し、虫歯などがある場合は治療を済ませ、矯正器具を装着して歯を動かしていきます。しかし、歯が動く時間によって治療期間が長引き、診察代やクリーニング代が増えていきますので、治療期間が長引けば長引くほど矯正歯科治療の費用も高くなります。大人は子供よりも歯が動きにくいため、矯正治療も長くかかりがちです。反対に、大人が2~3年かかるところを、子供は半年~1年半程度で終わりますので、治療費も半額程度になることが多いのです。

診療代無料のクリニックでは子供用料金があることも

 最初に一括で矯正治療代を払ってしまい、治療中のメンテナンスは1円もかからないという料金プランを提供しているクリニックも多いです。気兼ねなく何度も途中経過をチェックしてもらえますし、少し傷みがあるときや磨き残しなどが気になるときも、費用を気にせずに診療してもらえます。

 メンテナンス代も含む矯正プランでは、治療が長引いても、反対に治療期間が特別に短くなっても、料金は同じです。歯が動きにくい人にはお得感がありますが、歯の移動が早い患者には割高感を覚えるかもしれません。特に子供は大人よりも歯が早く動きますから、治療期間が短くなるということが前もって分かっています。それにもかかわらず大人と同じ料金を請求されることに、納得が行かないと感じる方も多いでしょう。

 不公平感をなくすためにも、メンテナンス代を含む矯正プランは、大人料金と子供料金が別設定になっていることが多いです。年齢で料金プランを分けていることもありますし、乳歯が残っているかどうかで料金プランを分けていることもあります。いずれの料金プランを選ぶときも、歯科矯正を受ける人が納得できるプランを選ぶようにしてください。

子供のうちに矯正歯科治療を行うメリット

 子供のうちに矯正歯科治療を済ませると、治療期間が短くなり、しかも、治療費も約半額になります。しかし、子供のうちに矯正歯科治療を行うメリットは期間と費用の2つだけではありません。次の点も子供時代に矯正治療を行うべきメリットと言えるでしょう。

メリット1:痛みが少ない

 傷みの多さは単純には比較できるものではありませんが、歯が動きにくいということは、動く際に痛みを伴うことを意味しています。反対に歯が動きやすいということは、歯が動きにくい人よりは傷みを感じずに矯正歯科治療を続けられるということともいえます。痛みに弱い人は、歯が動きやすい子供時代に矯正治療を済ませておく方が良いでしょう。

メリット2:顔や体の歪みを直せる

 歯並びがよくないと、食事をするときも特定の歯だけを使って噛むようになります。歯並びが良くない期間が長引いてしまうと、顔や体が歪んでしまう原因にもなってしまうでしょう。しかし、子供のうちなら、偏った噛み癖もつきにくいですし、顔や体に歪みが生じる前に噛み癖を直せるかもしれません。

メリット3:コンプレックスを感じにくい

 歯並びの悪さをコンプレックスに感じている大人は少なくありません。大きな口を人前で開けられないために、性格が内向的になってしまう人もいます。また、普段は歯並びを気にしていなくても、就職するときなどの面接時に「歯並びが悪いから印象も悪くなってしまわないだろうか」と悩む人もいます。子供のうちに歯並びを直しておけば、歯並びの悪さをコンプレックスに感じずに済むでしょう。

メリット4:時間的にも余裕がある

 最近の子供は忙しいです。学校が終わったらすぐに塾やお稽古事、夜寝るまでゆっくりと過ごせない子供もいるでしょう。しかし、社会人になったり子供の親になったりすると、さらに忙しくなってしまいます。自分のことだけに時間を使えた子供とは異なり、会社や家族への責任を持つようになりますので、定期的に治療を受けることが難しくなることもあるのです。矯正歯科治療は時間のかかるものですから、なるべく子供のうちに済ませておきたいものです。

子供のうちに矯正治療をするデメリット

 費用面や時間面を考えると、子供のうちに矯正治療をしておくのがベストの選択のようです。しかしながら、子供のうちに矯正治療をするデメリットもあります。矯正治療の契約をしてから後悔しないためにも、かならずデメリットを把握しておきましょう。

デメリット1:再矯正をする可能性がある

 子供の歯は動きやすいため、まだ完全に歯並びが完成していない状態で矯正治療をすると、矯正完了後に歯が動くこともあります。例えば15、16歳くらいになって親不知が生えてくると、矯正治療によって美しく揃った歯並びがずれてしまうこともあるのです。歯並びがずれてしまうと、再矯正ということにもなります。何十万円ものお金を2回も支払うのは避けたいものです。

デメリット2:虫歯になりやすい

 矯正治療中は器具周辺に磨き残しが多くなるため、虫歯になりやすいものです。大人なら自分でメンテナンスできますが、子供によっては適当に歯磨きをして深刻な虫歯になってしまうこともあります。

時期を選べば子供のうちの歯列矯正がおすすめ

 乳歯が半分以上あるような早目の矯正治療は、再矯正になる可能性が高くなります。しかし、歯科医師と話し合って時期を選ぶのであれば、子供のうちに矯正治療を済ませておく方が良いでしょう。虫歯にならないように親の皆さんも十分に気を配ってあげましょう。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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