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子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン

子供が異性に興味を持ち始めた年齢に親がするべき大事なこと、やってはいけないこと。

 個人によって差はあるものの、小学生~中学生になると、異性に対して興味を持ち始めるようになります。「○○君が好き」と言いだしたり、異性の体を見たり触ろうとしたりすることもあるでしょう。子供に異性に対する興味が芽生え始めたら、親はどう対応することができるでしょうか。対応方法を誤ると、子供の心に深い傷を残してしまうことにもなります。子供の心を傷つけにくい対応方法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

異性に興味を持つのは自然なこと

 異性に興味を持つことは、決して間違ったことではありません。自分とは異なる性に興味を持つことがなければ、他者に対する理解を深めることもできませんし、相手に対して思いやりを持つことも難しくなります。お子さんが異性に対して興味を持ち始めたら、親御さんは発育段階が進んでいることに対して喜ばしく思うべきなのです。

質問に対してはまじめに答えよう

 お子さんが「女の子の体はどうして男の子と違うの?」「赤ちゃんはなぜお母さんのお腹から生まれるの?」といった性に関する質問をしたときは、お子さんの理解と年齢に合わせてまじめに答えるようにしましょう。

 例えば幼稚園児が「どうして子供が生まれるの?」と質問したときは、「こうのとりさんが運んでくるのよ」といったファンタジーでごまかすのは良いことではありません。「子供が欲しいと思っているお父さんとお母さんのところに、赤ちゃんがやってくるよ」と、真実を含んだ表現で答えるようにしてください。

叱ることは絶対にNG!

 子供が性に関して質問をしたときは、絶対に叱ってはいけません。ちゃんと理解して質問しているときはもちろん、学校やテレビ、インターネットなどで見聞きしたことを適当に質問しているときでも、ちゃんと真っ向から答えるようにしましょう。「質問した」ということに対して叱ると、今後、性に対して悩んだとしても、親には心を開かなくなってしまう可能性があります。

子供にもプライバシーがあるということを理解しよう

 赤ちゃんのときは、子供にプライバシーはありません。秘密もありませんし、親には知られたくないものもないでしょう。しかし、自我が発達するに連れ、自己と他者の区別が明確になり、例え親であっても「自分ではない人」と考え、誰にも知られたくないことや言いたくないことが1つ、2つできてくるようになります。

 2、3歳になり、一人遊びができるようになったら、親はそろそろ「子供にもプライバシーがある」ということを理解しなくてはなりません。親がいないときに描いた絵や文章を見て、例えそれが親にとって好ましい内容でなかったとしても、「これはどういうこと?」と叱らないでください。子供が見せようとしないものは見ないでおき、子供が親に見せたいと持ってくる物に対しては「上手だね」「これはどんなお話しなの?」と声をかけてください。

成長するにつれ心の中の自己の領域が増える

 小学校、中学校と進むにつれ、子供の心の中を占めるプライベートな部分(自己の領域)が増えます。親に言いたくないことや絶対に隠しておきたいことも、どんどん増えていくでしょう。子供が心の中にプライベートな領域を増やすことは、非常に自然な発育の過程ですから、「全部、思っていることを言って」「どうして内緒にするの?」と子供の心の踏み込んではいけない領域までにずかずかと踏み込んでいくことがないようにしてください。

子供の「見ないで」は守ってあげよう

 子供が「見ないで」というものは、見ないようにしてください。親が子供との約束を守って「見ない」という選択をすることで、親に対する信頼感と安心感が増し、家庭内で本来の自分の姿を出しやすくなるのです。また、「見ないで」と言ったものだけでなく、子供の自室にある手帳や日記、スマートフォンなども勝手に見ないでください。性に興味を持つ年頃の子供の部屋に性的な雑誌やDVDが置いてあったとしても、親は見ないふりをする方が良いでしょう。

性教育の第一歩は相手を尊重することを教えること

 異性に興味を持つということは、自分ではない他人に興味を持つということに他なりません。他人に興味を持つことは、人間社会を生きていく上で必要不可欠なことですから、とがめだてするのではなく、親も誠実に対応する必要があるのです。

 しかし、興味を持つことと他人に対して何らかの働きかけをすることは別物です。子供が異性に興味を持ち始めたときは、かならず「相手を尊重すること」を教えてください。

「相手が嫌がることはしてはいけない」とは教えない

 相手を尊重するということは、単に「相手の嫌がることをしない」ということではありません。相手が「やめて」といったらやめるという風に子供が理解してしまうと、「触って欲しそうにしていた」「身体を見せるような格好をしていた」と相手のせいにして、ちかんや盗写などの犯罪行為を正当化することになってしまいます。また、学校や塾などで接触する異性に対しても、「相手が嫌だとは言わなかった」などの理由で、迷惑行為をする可能性もあります。

 「相手が嫌だと言わないときは、怖くて言えない可能性もある」ということをきちんと教えましょう。子供が「嫌がらないことはしても良いんだ」といった間違った認識を持たないようにしてくださいね。

相手が喜ぶことをするように教えよう

 性教育をする上でもっとも大切なことは、「相手が喜ぶことをする」ということです。相手が喜んで自分を受け入れてくれるときでなければ、自分の意志を押し通すことはだめだということをしっかりと教えてください。

相手の気持ちを待つということも大切

 自分の気持ちを相手に素直に告白することは間違ってはいません。また、相手を振り向かせるために、さまざまな形でアピールをすることも間違ったことではありません。

 しかし、相手が迷惑になるほど付きまとったり、相手に好きな人がいることを分かっていながらしつこく自分の気持ちを伝え続けたりするのは、相手を苦しめる行為となります。子供に好きな人ができたときは、ちゃんと「相手に受け入れてもらうのを待つ」ということも教えるようにしてください。

子供が異性に興味を持たないことも尊重しよう

 異性に興味を持つ子供もいれば、まったく異性に興味を持たない子供もいます。また、異性ではなく同性に興味を持つ子供や実際にあったことがないアイドルスターに興味を持つ子供、誰にも興味を持たない子供もいます。しかし、どの子供も毎日発達階段を上り、自分にしか歩めない方法で成長しているのは同じです。「好きな人はいないの?」と無理に尋ねるのではなく、子供が心を開きやすい雰囲気を作るようにしましょう。

好きになることは素晴らしいこと

 他人を好きになると、今まで見えていた世界は大きく変化します。鮮やかな色を放つようになり、大きな喜びをもって毎日を過ごせるようになります。子供が「他人を好きになる」という喜びに気付いたことに、親も一緒に喜んであげてください。また、自分を好きになることも、とても大切なことです。子供が自分自身を好きになれるよう、過干渉にならないように注意しながら、愛情をたっぷりと注いでいきましょう。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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