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幼稚園と保育園の違いとは?教育や学費など。

 幼稚園と保育園の違いを把握していますか?幼稚園と保育園とでは実施されているカリキュラムも学費も、そして入園条件も異なるのです。幼稚園と保育園の違いを項目に分けて解説します。

幼稚園と保育園では管轄省が異なる

 幼稚園は教育機関です。小学校に就学する前の児童に対して初等教育を実施する機関ですので、文部科学省の管轄となります。一方、保育園は保育機関です。小学校に就学する前の児童や乳児に対して保育を提供しますので、厚生労働省の管轄となります。

自治体の管轄も異なる

 幼稚園と保育園では統括する省庁が異なりますので、自治体の管轄も異なります。都道府県レベルにおいては公立幼稚園は都道府県の教育委員会が管轄し、市町村においては市町村の教育委員会が管轄しています。一方、公立保育園は、都道府県知事と市長村長が直接管轄しています。

 私立の幼稚園・保育園も、管轄部署が異なります。私立幼稚園は都道府県知事が認可した学校法人が管理しますが、私立保育園は都道府県知事が認可した社会福祉法人が管轄します。

準拠する法律も異なる

 幼稚園は教育機関ですので、学校教育法に基づいて教育が実施されます。そのため、子供たちを担当するスタッフは幼稚園教諭免許が必要になります。一方、保育機関である保育園は、児童福祉法に基づいて保育が実施されます。担当するスタッフは保育士の国家資格が必要となります。

園内でのカリキュラムが違う

 幼稚園も保育園も、担当するスタッフは子供が楽しく過ごせることを願って接します。しかし、教育機関は教育をすることが目的ですし、保育機関は保育をすることが目的となりますので、おのずと時間の使い方が変わってくるのです。

心身の成長を目的とする幼稚園

 幼稚園では、子供たちの心身の成長を目的としたカリキュラムが実施されます。絵本の読み聞かせやお絵かき、工作、合唱、合奏など、子供たちを幅広い分野に触れさせて、芸術への興味や音楽への興味を引き出していきます。

 また、親とは異なる大人と触れ合うことや同年代の子供と触れ合うことからも、子供たちは多くのことを学びます。自分の意志だけを主張するのではなく他人の気持ちを汲むこと、仲良くすること、挨拶やお礼などの声掛けなど、家族だけでは身につかない社会的なマナーも習得していくのです。

 なお、私立幼稚園は、公立幼稚園よりも自由度の高い教育を実施していることが多いです。モンテッソーリ教育のようにさまざまな教具を使って手先や論理性・数の概念などを学ぶ幼稚園や、シュタイナー教育を取り入れている幼稚園など、特定の教育法を実践しているところもあります。また、特定の教育法ではなく「外遊びがメイン」「歌がメイン」という風に、主軸となる要素を決めて、子供たちに重点的に教育する幼稚園も少なくありません。

預かり保育や課外教室を設ける園もある

 幼稚園は、大抵午後2時にはその日のカリキュラムを終了します。保護者によっては「今日は2時にお迎えに行けない」ということもありますので、午後3時~4時くらいまで延長して子供を預かる「預かり保育」を実施している幼稚園もあります。

 また、保育目的ではなく教育目的で「課外教室」を実施している幼稚園もあります。英会話や体操、絵画などの専門の先生を幼稚園に呼び、通常のカリキュラムが終わった後に教育を実施します。子供にとってはいつもの場所といつもの仲間たちと過ごせますので、緊張せずに能力を伸ばせるというメリットがあります。親にとっては、別の場所に連れて行くという手間をかけずに子供にお稽古ごとをさせられるというメリットがあります。

子供を預かることに重きを置く保育園

 保育園でも、特徴ある教育法を実施しているところや主軸を決めて重点的な教育をしていることがあります。幼稚園よりも預かる時間が長いことを生かし、マット運動や文字、計算などを子供に教えることを特徴としている保育園も多いです。

 しかし、公立保育園だけを見るならば、やはり保育機関ですので、子供を預かり子供の成長に合わせた接し方で一日を過ごす「保育」がメインとなります。決まった時間に食事を食べ、お昼寝、おやつ、散歩などの子供にふさわしいスケジュールで一日を過ごします。保育園に通うほとんどの子供は、起きている時間の大半を保育園で過ごすことになりますから、家で親と過ごしているときと変わらない日常生活を提供することが、保育園に課せられた大きな役割となるのです。

保育料の決定方法が異なる

 幼稚園では、園ごとに保育料が決められています。地域にもよりますが、公立幼稚園は月額10,000円程度、私立幼稚園は20,000~50,000円程度のことが多いです。基本的には私立幼稚園も公立幼稚園も保育料は一律ですので、「A幼稚園に行くなら毎月25,000円」と同じ幼稚園に通う人は同じ金額を払います。

 ただし、公立幼稚園では、収入が一定以下の人は保育料が減免されます。収入やその他の条件を満たす場合は、市区町村役場で保育料減免の手続きをしてください。

保育園は収入によって保育料が変わる

 公立も私立も、保育園は収入によって保育料が変わります。とはいえ、保育料の上限額(2014年9月改定 月額104,000円)がありますので、高収入を得ている人でも1ヶ月に保育料が104,000円以上になることはありません。ただし、給食費や課外保育、その他の費用が保育料に加算されることがあります。

 また、市町村によっても保育料の基準は変わります。国全体では月額104,000円が上限額と定められていますが、市町村によっては上限額が40,000円台であったり、上限額が100,000円近いこともあります。同じ収入でも地域によって保育料が大きく異なりますので、保育園に子供を預けようか考えている方は、お住まいの地域や近隣地域の保育料をチェックしてみてください。

参考:総務省「新制度における保育料は、国が定める上限額の範囲内で、それぞれの市町村が決めます」

入園の条件も幼稚園と保育園では異なる

 一般的に3年保育を実施している幼稚園は、4月2日時点で満3歳の子供が入園することができます。4年保育を実施している園では4月2日の時点で満2歳の子供、2年保育を実施している園では4月2日の時点で満4歳の子供が入園できます。

 私立幼稚園では、入園試験が実施されたり、定員を超えると入園できなかったりすることがありますが、公立幼稚園は指定の地域に住んでいる子供なら、年齢以外の条件は問われずに入園できます。

保育園は定員が決まっている

 一方、保育園は、希望すればだれでも入園できるというわけではありません。年齢によって保育士と子供の割合が決まっていますので、希望者が多い場合は希望する保育園に入園できないことがあります。

 また、定員が埋まっていない保育園でも、親が就労していたり、病気やケガで子供の保育ができないと判断される状況以外は入園できません。どのような条件を満たせば入園できるのかについては、入園を希望する保育園が決まっているときは直接保育園に、まだ保育園が決まっていないときは市区町村の役場に相談に行くようにしましょう。

子供にあった園を選ぼう

 幼稚園でも保育園でも、その園の方針が子供に合っているかという点はしっかりとチェックしておきましょう。幼稚園や保育園は子供が初めて触れる家庭以外の場所です。「人と接することが楽しい」「遊ぶって楽しいな」と子供が思える場所を見つけてあげたいものですね。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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