こんにちは。物心つく前からアトピーをわずらい、以後、40数年アトピーと戦っている出雲ゆき子です。かゆみや肌荒れ、かゆみによる不眠など、ありとあらゆるアトピーによる不快症状を経験している私ですが、ごくわずかながら「アトピーで良かった」と思う瞬間もないわけではありません。
もちろん、アトピーがない方がアトピーがあるよりも何倍も良いのはわかっています。それでも、アトピー生活で小さな(小さすぎる)喜びが見つかることがあります。今回は、アトピーで良かったと思えることをいくつか紹介します。
アトピーの症状が少ないだけでも喜び
日中よりも夜中にかゆみが強くなるアトピー患者は多いです。寝ているときは布団で体が温まりますので、血行が良くなり、かゆみもヒートアップします。寝ているときに無意識でかきむしっていることも多く、眠るときよりも起きたときの皮膚状態が悪くて普通です。
そんな状況が続く中、朝起きたときに「あれ、指の湿疹が治っている!」「膝裏がかぶれていない!」ということになると、もう嬉しくって小躍りしてしまいますよね。だって、寝て起きたらアトピーの症状がましになっているんですよ?いつもと逆じゃないですか!
すぐに眠れることも喜び
布団に入って身体が温まってくると強烈なかゆみが襲ってきます。それが普通なんですが、まれに、ごくまれに、身体が温まってもかゆみが起こらないことがあるんですね。かなり嬉しくなってしまいます。いつもは眠りに就くのに数十分もかかっていたのに、瞬間で眠りに落ちられます。いい夢見そうですよね!
布団に血痕がついていないって素晴らしい
夜中にかゆみがおそうと、無意識に体をかきむしってしまいます。血が出るまで搔いてしまうこともしばしばあります。血が出るまで搔いてしまうと、当然、布団には血がつきますよね。敷布団や掛布団カバーに点々と血痕が残っていることも、アトピー患者には日常です。
血痕がついた布団は、なるべく早くに洗濯したいですよね。しかし、布団の洗濯はパジャマの洗濯ほど簡単ではありませんし、カバーを装着したりベッドにセッティングしたりと、洗濯以外の手間がかかるのも困った点です。しかも、血痕は通常の洗濯洗剤では落ちないことが多いです。洗濯用の固形石鹸を使って血痕部分を手洗いしないと、血痕そのものや血痕による輪染みはすっきりと落ちません。
布団の洗濯は、特に血痕の洗濯は手間がかかるということを十分に知っていますから、朝起きたときに布団に血痕がついていないと、本当にうれしくなります。「今日は一日を洗濯に追われなくて良い」と思うだけで、一日が有意義に遅れそうな気持ちになるのです。
小さなときからスキンケアを日常的にする喜び
物心ついたときからアトピーだったため、幼稚園に入る前くらいの小さなときから、いつもハンドクリームや化粧水、日焼け止めクリームなどのスキンケアアイテムが身近にありました。朝起きたときや入浴後はすぐに化粧水を塗りましたし、お出かけ前にはいつも日焼け止めクリームを塗らされました。手を水で濡らしたときもすかさずハンドクリームを塗りますので、スキンケアをしない生活の方が想像つきません。
スキンケアを日常的にしていると、アトピー症状が出にくくなるだけでなく、肌のきめが整いやすくなります。顔にアトピー症状が出ていないときは結構美肌でいられるのも、日常的にスキンケアをしてきたからだと言えるでしょう。
美白効果もある
肌を紫外線から保護するための日焼け止めクリームですが、毎日こまめに塗ることで日焼けしらずの肌となり、美白効果も期待できます。もちろん、アトピーがあるから美白できるというわけではありませんが、アトピー治療のためにスキンケアをこまめに行うことで、結果的にホワイトニングが叶うのは事実と言えるでしょう。
素材にこだわった服選びができる
化学繊維が入った服を着ると、アトピーの症状が悪化する人も多いですよね。私も、肌に直接触れる衣類に化学繊維が入っていると、皮膚がかゆくなったり赤くかぶれたりすることがあるので、できるだけ天然素材のみでできている洋服を購入するようにしています。
天然素材だけでできている服を探すとなると、使える素材はほとんど限定されていますよね。下着なら綿かシルク、下着以外なら綿かシルクか麻、ウール、カシミアなどが、かゆくなりにくい素材です。いずれも化学繊維が入っている洋服や下着と比べると高価なことが多く、自然と高価な服を買ってしまうことが多くなります。基本的にはおしゃれにはあまり関心がない私ですが、良い素材の服を着ていることが多いため、結構おしゃれを褒められることが多いのです。
天然素材でも毛足が長いものはかゆくなる
ところで、天然素材なら何でもOKというわけではありません。モヘアのように毛足が長い素材のセーターを着ると、繊維が肌を刺激してかゆくなることがあるのです。セーターやコートは、毛足が短い圧縮ウールや糸が細いカシミアなどを選ぶことが多いです。
自然と体に良いものだけを食べたくなる
あまりにも小さい時からアトピーを患っているため、アトピー治療に良いといわれる食べ物を選択的に食べることが習慣になっています。卵や脂っこい肉を極力減らし、野菜とフルーツを無意識に多く食べています。食生活が健康的なため、病気になることもほとんどなく、アトピーを除けばかなり健やかな日常を過ごすことができるのです。
アトピー症状を緩和する食事はダイエットにも最適
アトピーは完ぺきな治療法がまだ確立されていないため、さまざまな民間療法がおこなわれています。民間療法の中にはかなり怪しいものもありますが、「なんとなく調子が改善される」程度なら効果があるものも多くあります。
一般的にアトピー治療に良いといわれる食事法は、脂っこいものや乳製品、卵などの動物性脂肪を極力避けたり、小麦粉を使う料理を避けたり、ビタミン豊富な野菜や果物を多く食べたりするものです。つまり、ダイエットにも効果のある食事法が、アトピー治療にも効果が期待できるのです。アトピー治療に良いとされる食事を続けることで、自然とスリムなスタイルも実現しやすくなりますね!
小麦粉を避ける食事法が特におすすめ
アトピー患者はグルテン不耐性のことが多いため、グルテンを豊富に含む小麦粉を避けると、アトピーの症状が緩和されることが多いです。小麦粉自体は特別にカロリーが多いわけではないのですが、小麦粉が含まれている食べ物は脂肪分が多くカロリーも高いことが多いため、小麦粉を避けるだけでダイエットが叶いやすくなります。
例えば、ケーキやクッキーなどの洋菓子には小麦粉が含まれていますよね。ほとんどの洋菓子は小麦粉が含まれているといっても過言ではありません。小麦粉を避けるだけで、洋菓子のほとんどが食べられなくなりますから、お菓子が好きすぎて体重が増加していた人なら、グルテンフリーを目指すだけで体重を大幅に減らせます。
小さな喜びを見つけられる幸せ
「身体がかゆくない」ということは、アトピー患者以外にとっては当たり前すぎてありがたみも何もないことかもしれません。しかし、アトピー患者にとっては大きな喜びですし、かゆくないだけで1日がハッピーになるのです。アトピーに悩まされている方も、ぜひ小さな喜びを見つけてくださいね。