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アトピーってとっても繊細!気分次第で症状が変わることもある

 こんにちは。物心つく前からアトピーをわずらい、以後、40数年アトピーと戦っている出雲ゆき子です。この前、特定非営利活動法人の日本アトピー協会のサイトをちらっと見たのですが、「アトピーというハンディキャップがありますので」という文章を見つけました。アトピーってハンディキャップなんですね。なんか切なくなりました。

気分が滅入るとアトピーは悪化する

 私以外のアトピー患者さんはどうなのか分からないのですが、少なくとも私は、気分が滅入るとアトピーが悪化します。「アトピーってハンディキャップなんだ」と落ち込んだり、電車に乗り遅れたり、朝起きたら目が腫れていたり・・・。気が滅入ることってたくさんありますよね。もちろん、1つ1つのささいな気が滅入る出来事でアトピーが悪化しているわけではありませんが、気が滅入るなあと思っているとかゆくなって、さらに気が滅入ることは多々あります。

ストレスを感じるとアトピーは悪化する

 アトピーの原因の1つに「ストレス」を挙げることも多いですよね。「ストレスだ」と思うと体は敏感に反応し、乾燥肌がひどくなって、かゆみが出たり、血しょうが出たりするのです。

 ストレスって、人によっても違いますよね。私にとってのストレスは「清潔ではない環境で過ごすこと」です。基本、掃除好きです。しかし、旅先ではかならずしも清潔な環境が用意されているとは限りませんよね。また、旅行でなくても入ったカフェのテーブルがちょっとべたついていたり、コーヒーの跡が残っていたりすると、「ここは汚い」と強いストレスを感じてしまいます。

 清潔ではない環境で長期間過ごすと、どことなく身体がかゆくなってきます。気がついたら手のひらの皮が破れていて、皮下にぶつぶつとしたかゆみ成分の塊のようなものが大量に発生しています。

お腹が張るとアトピーがひどくなる

 なんとなくお腹が張ることってありますよね。いつもと違うスケジュールのときや運動不足のときなど、お腹が張って、ちょっと苦しくなったりします。そんなとき、私はすぐ自分の腸の中を想像してしまいます。「お腹の中に老廃物が溜まっているんだなあ。腐敗すると毒素を発生して。体に毒だらけになるんだな・・・」

自分の想像で気持ち悪くなってアトピー悪化

 もちろん、老廃物が溜まって毒素を発生するのは事実ですが、身体が即、毒だらけになるわけではありません。そんなことは分かっているのですが、ついつい「毒が指先まで回っているのかな」「背中当たりに来たかな」と想像してしまうんですよ。

 すると、毒が回っていそうな部分がかゆくなってきます。もう、自分で自分に暗示をかけているのと同じですね。本当にかゆくなって、つい1回ひっかくと、止められなくなって、皮膚がやぶけて全治1週間の状態になってしまいます。あほですね。気持ち悪くなるなら毒が回ったという想像をしなければいいのに・・・と、思わざるを得ません。

気分次第でアトピーは良くなる?

 気分が滅入ったり、気持ちの悪い想像をしたりするだけでも、確実にアトピー症状が悪化します。しかし、反対はどうなんでしょうか。「アトピーが良くなりそうだ」「絶対にかゆくならないぞ」と思うだけで、アトピー症状は改善するのでしょうか。

気持ちだけではアトピーは良くならない

 私の経験では、今まで気持ちでアトピーを乗り切れたことはありません。自己暗示にかかるのが得意な私ですが、アトピーを悪化させることはできても、アトピーを治癒することはできないのです。

 考えてみたら当たり前ですね。気持ちでアトピーが治るなら、こんなにアトピー患者は多くはいませんし、アトピーを治療する医薬品も不要になります。アトピーは気持ちだけでは乗り切れませんので、アトピーの方は適切な治療を受けることをおすすめします。

治すのは無理だけど症状を軽減するのは可能

 「私はもうアトピー患者ではない」と思い込む療法をしてみたこともあるのですが、まったく効果はありませんでした。やはり乾燥がひどくなるとかゆみは強くなりますし、ストレスフルな出来事が続くと、ひび割れやささくれが手指にできてしまいます。

 しかし、全然アトピーが良くなっていないのに「そういえば最近、アトピーが昔に比べるとましになっているな」と思い込む療法は、やや効果がありました。言うほどアトピーは良くなっていなくても、「絶対、以前よりは良くなっている」と思い込むことで、アトピー症状がひどくなる回数が減った気がします。やはり、暗示にかかりやすい性格なのでしょうか。

自分にとってのストレス因子を把握しておこう

 アトピーとかれこれ40年ほども付き合っていると、どんなときにストレスを感じ、どんな風にアトピー症状が悪化するか、おおよそのパターンが分かってきます。自分にとってのストレス因子を理解しておくなら、前もって、「明日は早朝に起きるからストレスが強くなる。早めに寝ておこう」という風に、ストレス因子とストレス解消法を計画することができます。アトピーが悪化するパターンをつかみ、ストレスを適切なタイミングで解消しておきましょう。

ウェットティッシュを持ち歩くだけでもストレス軽減

 不潔な環境にいることが最大のストレスといってもよい私は、ウェットティッシュを持ち歩くことでストレス因子を減らしています。レストランやカフェでテーブルやいすが「ちょっとべたつくな」と思えるときは、すぐにウェットティッシュで拭き、ゆったりとくつろげる環境を自分で作るようにしています。

早起きもストレス!暗示療法で克服?

 早起きはわたしにとって2番目にストレスフルな出来事です。「明日早起きしなくてはならない」と思うだけで憂鬱になって食欲が衰えるほど、早起きは私の大嫌いなものです。早起きに対するストレスを軽減するには、「睡眠時間の確保」と「睡眠時間を充分にとったと自分に暗示をかけること」の2つを実施します。

 意外と効果があるのが「睡眠時間を充分にとったと自分に暗示をかけること」です。私が自己暗示にかかりやすいということもあるかもしれませんが、暗示にかけると実際の睡眠時間は5時間ほどでも翌日に眠くなりません。

 自己暗示の方法は簡単です。夜10時を過ぎたら時計を見ないだけです。最後に見た時間だけを覚えていますのでその後何時間も夜更かししていても、「昨日は10時に寝たから、充分に寝ている」と安心するのです。もちろん、時計だけでなく時間が分かるスマートフォンも見ません。

ストレスとアトピーのパターンを把握する

 アトピー患者としての時間が長い方は、みなさんそれぞれのストレスパターンやアトピーの発症パターンを把握していらっしゃるでしょう。アトピーをできるだけ悪化させないパターンを覚え、自己暗示にかけてみてはいかがでしょうか。私のように暗示にかかりやすい人はもちろん、暗示にかかりにくい人も、繰り返すことで何らかの変化がみられるかもしれませんよ。

著者情報

出雲 ゆき子

東京大学医学部で精神衛生学(専門は発達障害児の療育、親とのかかわり方)を専攻。博士課程では精神医学・看護学を専攻。博士号取得。卒業後、アメリカや韓国等で看護学や救急医学についてのリサーチに従事。現在は主に看護額、精神衛生学、金融関係の執筆業を営む。AFP、ファイナンシャル・プランニング技能士2級、JAPAN MENSA会員

EARTH CHILD アースチャイルド


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