こんにちは。物心つく前からアトピーをわずらい、以後、40数年アトピーと戦っている出雲ゆき子です。もう40年もの間、アトピーと付き合っていると、大体の体調パターンはつかめてきます。例えば私の場合なら「夜更かしをすると翌日は手指がかゆくなる」「髪の毛を完全に乾かさないで寝てしまうと頭皮がかゆくなる」などのパターンがありますので、アトピーが悪化してしまう要因はできるだけ生活から排除して暮らしています。
洗濯用石鹸を使いたくはないが・・・
アトピー症状が出ないように慎重に悪化要因を避けて暮らしている私ですが、どうしても避けられないものがあります。それは洗濯用の固形石鹸です。子供の服についたシミを落とすには液体の洗剤だけでは不十分ですから、青緑の色の固形石鹸で目立つシミを直接落とします。
ゴム手袋を使ってこすってもよいのですが、やはり繊維の奥の奥まで落とそうとすると、手で洋服の繊維を広げて力を入れてごしごしとこするのが一番です。でも、手で洗濯用石鹸を触ると、100%アトピー症状が出るんですよね。もう百発百中です。どんなに体調が良くても、洗濯用石鹸を使うだけで指先が赤く腫れ、皮膚が裂けて、強いかゆみが手指をおそいます。
治る前にまた洗濯用石鹸!エンドレスにアトピー症状が続く
手洗いが終わると、数分後には強いかゆみが生じます。手のひらも真っ赤になりますので、かゆみが深刻な部分にステロイド系の軟膏を塗りこみます。しかし、1時間も経つとさらにかゆみがひどくなります。赤く腫れた部分に熱を生じ、皮膚が何ヶ所か切れてしまいます。
再度、ステロイド系の軟膏を擦り込み、皮膚が切れた部分に自然治癒力を高める高機能絆創膏を貼ります。しかし、1日、2日後にはまた汚れた部分を洗濯用石鹸を使って部分洗いしなくてはなりませんので、かゆみの増大や皮膚の亀裂といった不快な症状を繰り返すことになります。
子供が小さなうちは仕方ないのかもしれませんが、洗濯用石鹸を使う生活にうんざりします。食べ物染みを落とす良い方法があればよいのですが、今のところ、青緑の洗濯用石鹸に勝る洗剤がないため、まだまだ洗濯用石鹸とアトピー悪化の日々が続くのかと悲しくなります。
なぜ洗濯用石鹸はアトピーに良くないの?
固形石鹸というと、液体の科学的な洗剤よりも手にやさしいイメージがありますよね。「塩素系」や「酸素系」といった怖い文字もありませんし、人間の肌にも地球環境にもやさしそうです。しかし、実際に私の指は毎回荒れますし、尋常ではないかゆみがおそいますから、何かしらの刺激があるのは事実です。洗濯用石鹸がアトピー症状とどのような関係があるのかちょっと調べてみました。
え?洗濯用石鹸は肌にやさしいの?
しつこく言いますが、本当に洗濯用石鹸を使うたびにアトピーがひどくなるんですよ。例外はありません。どんなに手指の調子が良いときでも、洗濯用の青緑の固形石鹸を使うだけで、一気に奈落の下に落とされます。みなさんも洗濯用の固形石鹸に苦しめられているのでは?と思ってグーグル検索してみたら、洗濯用石鹸は肌にやさしいという情報ばかり。一体どうなっているんでしょうか。
「子供がアトピーだから洗濯用の固形石鹸を使っています」「汚れ落ちは良いのに、肌に優しいのが嬉しいですね」「お風呂場に洗濯用の固形石鹸を置いていたら、旦那が使っていました。肌トラブルもないようです」などなど、固形石鹸の回し者?と思わざるを得ないようなサイトのオンパレードです。私だけ異常なの?と悲しくなってきました。
数は少ないが洗濯用固形石鹸で手荒れする人もいる
しかし、ちらほら、「うちの子は肌が弱いから、青緑の固形石鹸は使えません」「白い洗濯用固形石鹸は大丈夫ですが、青緑の固形石鹸は手荒れします」といった情報も見つかりました。洗濯用固形石鹸の肌へのやさしさを絶賛しているサイトに比べると、肌への刺激を訴えているサイトは圧倒的に数が少ないです。しかし、私と同じように肌が弱い人の一部には、洗濯用固形石鹸でアトピー症状がひどくなることもあるようです。
蛍光増白剤が肌に刺激を与える?
白色の洗濯用固形石鹸では手荒れをしなくても、青緑の固形石鹸では手荒れをする。どうやらこの2つの成分の違いが分かれば、手荒れの原因、アトピー症状悪化の原因がつかめそうです。
メーカーのサイトに公開されている情報から石鹸成分の違いを比較したところ、青緑の固形石鹸には「蛍光増白剤」が使われているけれども、白色の洗濯用固形石鹸には「蛍光増白剤」が含まれていないことが分かりました。アトピー症状悪化の犯人は、蛍光増白剤なのではないでしょうか?
蛍光増白剤とは
蛍光増白剤とは、紫外線を吸収して青白い光に変える成分で、見た目が白くなるための薬剤です。石鹸だけでなく、白い衣服の染料にも使われ、すっきりとした白さを演出します。白い服が洗濯を繰り返すうちに黄ばんでくるのは、素材が黄ばんできているのではなく、染料に含まれている蛍光増白剤が徐々に落ちてきているからです。そのため、綿や麻などの素材本来の黄色っぽい白色が顔を出し、買ったばかりの青みをもった白さが薄まってしまうのです。
染料としての蛍光増白剤は青緑色です。青緑色ですが繊維を青白っぽく染めますので、繊維が青緑色になることはありません。皆さんご存知の洗濯用固形石鹸の青緑色は、蛍光増白剤の色でもあったのです。
蛍光増白剤は肌に優しくない?
薬事法では、局方ガーゼや脱脂綿には蛍光増白剤を使用してはいけないことが定められています。また、食品衛生法でも、蛍光増白剤を食器や食べ物が入る容器には使用しないことが明記されています。つまり、蛍光増白剤の刺激が強いため、口に入るものや人間が直接触れるものへの使用は制限されているのが現状なのです。
蛍光増白剤は肌への直接の使用が禁じられている物質ですから、肌に刺激を与える可能性があると言えます。特にアトピー性皮膚炎を患っている人のように、刺激に対して敏感な人なら、蛍光増白剤に触れるだけでもアレルギー症状が出てしまうのは当然のことです。汚れ落ちが多少悪くなっても、ゴム手袋を装着してから青緑の洗濯用固形石鹸を使わなきゃと思いました。
すすぎも大切
洗濯用固形石鹸が手につくのも困りますが、洋服に残って肌に密着するのも困ります。青緑色の洗濯用固形石鹸で洗った衣服は、他の衣服よりも念入りにすすぎをする方が良さそうです。固形石鹸は体にやさしいというイメージを勝手に持っていましたが、青緑色の蛍光増白剤が入ったものは例外だと考えなくてはなりませんね。
手洗いするほどのひどい汚れがつかないのがベスト
もっとも良いのは、通常の液体の洗濯洗剤だけで汚れがしっかりと落ちることです。衣類に部分洗いをしなくてはいけないほどのシミができなければ、私も青緑色の洗濯用固形石鹸を使う必要がなくなりますし、アトピー症状の悪化で悩むこともなくなります。早く子供が洋服を汚さずに食べられるようになればいいのに・・・と心の底から願っています。