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子どもの頃のアトピーの思い出!秋冬の肌が乾燥する季節はつらい

 こんにちは。物心つく前からアトピーをわずらい、以後、40数年アトピーと戦っている出雲ゆき子です。子どもの頃は、アトピー自体が珍しく、がさがさした皮膚を見た周囲の大人たちが、「うまれつきなの?」「痒そうね、かわいそう」「サメ肌ねえ」などと言っていたことを記憶しています。また、母親が「この子はアトピーだから」と説明しても、「アトピーって何?」「皮膚炎の一種か何か?」といった反応が返ってきていました。

 しかし、大学に入学した頃から、アトピーに悩む患者さん(主に子どもたち)が増え、同時にアトピーに対する世間的な認知度も高くなってきたように思います。アトピーを専門に診察する外来やアトピー治療が得意だといわれる皮膚科クリニックも増え、人気のクリニックでは、1~2時間ほど待たされることも珍しくなくなりました。

アトピーは大人になっても治らない

 幼稚園に入園する前から、アトピーの治療のために、いくつかの病院で診察を受けていました。しかし、どの病院でも、「小学校に上がるころには治るから」と医師に言われ、幹部に塗る外用薬だけを処方されました。どこに行っても「小学校に上がるときには治る」と言われていたため、本当に小学校に行ったら治るのだと信じていたのですが、小学生になっても中学生になっても治らず、乾燥が強くなる秋冬は、いつも手足が血まみれになっていたことを覚えています。

 投薬を受けるために総合病院の皮膚科にも通い続けたのですが、小学生になったときには「中学校に入ったら治る」と言われ、中学生になったときには「大人になったら治る」と言われ、結局のところ、まったく治らずに現在に至ります。おそらく、アトピーと診断される患者が少ないため、医師自身が、アトピーを乳児湿疹か何かの一種だと理解していたのではないでしょうか。

治療は外用薬のみ!乾燥に対するケアは大人になってから

 子どもの頃、アトピーの治療と言えば、いつでも外用薬の処方のみでした。1ヶ月に1回は、医師が患部を観察しますが、「掻かないようにしましょうね」とお決まりの文句だけを言い、いつも同じ軟膏の処方箋を出してくれました。顔用のステロイドが弱い軟膏と体用のステロイド成分が強い軟膏の2つを処方し、「お薬がなくなったら、またいらっしゃってください」と見送られていました。

 しかし、最近では、外用薬以外にも“乾燥肌を治療する保湿剤”や“痒くて眠れないときの睡眠導入剤”なども処方してもらえます。乾燥肌の改善がアトピーの治療に直結することに対する認識が広まったこと、QOL(生活の質)に配慮することの重要性が高まったことなどが、治療薬以外の処方につながっているのだと思われます。

秋冬は眠れない!かゆみとの闘い

 子どもの頃、もっともつらい季節は乾燥が強くなる秋冬でした。特に体温が高くなる夜はかゆみが強く、なかなか寝ることができずに苦労したものです。寝付くまでは掻かないように我慢していても、夜中には無意識のうちに描いてしまい、朝起きると手足(特に関節部分)に血がついていたり、爪の中や布団が血で汚れていたりすることは日常茶飯事でした。

 また、乾燥とアトピーの関係もあまり知られていなかったため、現在のように部屋に加湿器をつけるという発想もありませんでした。そのため、「秋冬はかゆい季節」だと理解し、「なぜ秋冬がかゆいのか」ということを考えようともしなかったのです。今思うと、あまり賢い行動ではなかったですね。

唇が切れる!耳が切れる!

 また、乾燥が強まる秋冬は、唇や耳がよく切れる季節でもありました。アトピー性皮膚炎が深刻なときは、皮膚の滑らかさや保水力も失われますので、唇の端や耳たぶの付け根が簡単に切れ、出血してしまうのです。

 しかし、子どもの頃の私は唇や耳が切れることとアトピーの関係について考えようともしませんでした。また、病院でも「アトピーは唇や耳が切れやすいですので、保湿クリームを塗ってください」とは指導しないため、「秋冬は唇や耳が切れて当然」と理解していました。研究者としてはあるまじき姿勢ですね。子どもの頃のこととはいえ、恥ずかしくなります。

リップクリームで急場をしのぐ

 秋冬のほとんどは唇が切れた状態で過ごしていた私。学校にランドセルを忘れても、常にポケットにはリップクリームを入れていました。リップクリームを塗ると切れた唇が一時的にましになるだけでなく、切れる痛みを気にせずに会話をしたり食事をしたりできるからです。そのうち、耳が切れたときも、リップクリームで対処するようになりました。耳にリップクリームを塗ると、一時的に耳の痛みが薄らぐような気になったのです。

リップクリーム依存は続く

 大人になっても、リップクリームへの依存は治りません。今もすぐに唇の端が切れてしまったり、唇の皮がめくれてしまうため、秋冬と言わず年中持ち歩いています。今後、アトピーが治ることがあっても、リップクリーム依存症は治らないだろうなと思います。

著者情報

出雲 ゆき子

東京大学医学部で精神衛生学(専門は発達障害児の療育、親とのかかわり方)を専攻。博士課程では精神医学・看護学を専攻。博士号取得。卒業後、アメリカや韓国等で看護学や救急医学についてのリサーチに従事。現在は主に看護額、精神衛生学、金融関係の執筆業を営む。AFP、ファイナンシャル・プランニング技能士2級、JAPAN MENSA会員

EARTH CHILD アースチャイルド


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