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夢子のアトピー皮膚炎の原因は人工乳!混合育児を始めた理由

 こんにちは!35歳で結婚して、3人の子供を産んだ吉原久美子です。3人ともなんらかのアレルギーを持っていましたが、特に1人目の夢子は生後3ヶ月でアトピーに。

 結論から言うとアトピーの原因は、卵・牛乳・チキンでした。新生児時点では口から入れる食べ物はミルクだけですから、原因は人工乳です。

 今回はなぜ私が人工乳を使い始めたかをお話しします。

初乳は問題なくクリア!

 赤ちゃんを産んだあとに、助産師さんがキュッと乳首をつまみあげ、その瞬間に水分が(つまり母乳)ほとばしったときの感動は今でも覚えています。初めて赤ちゃんができて、生まれて来たこと自体がほぼ奇跡のように感じていましたから、自分で赤ちゃんの「食べ物」を作り出すことができるなんて、ほぼ不可能のように感じていたのです。

 それでもそうやって、母乳が出たので、夢子はちゃんと初乳を飲みました。夢子は、体重3960gで生まれたので、比較的大きな赤ちゃんでした。ですから、吸引力もかなり強く、おっぱいを飲むことに関して全く問題はありません。ところが、大きく生まれたにもかかわらず、ちっとも体重が増えないのです。

最初のネックは入院中!

 新生児は生まれたあとに体重が激減します。出産した病院で、少なくとも出産したときの体重に戻らないと退院できないと言い渡されました。後で考えると、これっておかしいなと思ったんですが、なんといっても新人ママなので、困ったなと思いながら努力しました。

 それでもちっとも体重は増えません。

「体重が増えないのは母乳が足りないからです。」

と言われ、この時点で混合育児が始まります。生後、わずか3日目でした。

 ところが、夢子はミルクを嫌がります。口に哺乳瓶に付いている乳首を含ませると、舌を使って口から追い出します。夫は年の離れた弟がいて、赤ちゃんに比較的慣れていたので、あやしながらなんとか飲ませていました。

 夢子はいつも眉をしかめながら、本当にいやそうにミルクを飲んでいました。母乳を飲むときの、柔らかい満足げな顔と大違いです。

 それでも1週間目でまだ体重が戻りません。戻らないのでまた1日増えますが、個室ですから1日増えるとそれだけ支払いだって増えます。最終的には、話し合って退院させてもらいました。

 ヨーロッパではよっぽど状態が良くない限り、出産のときの入院は2日だけです。社会保険が全てカバーしているので、必要以上に税金を無駄遣いさせないためでもあるのです。しかし、反対にこのときのように、引き止められると入院代を取るためじゃないかと疑いたくなります。ちょうど1月初旬で入院している人が私たちと出産を控えたもう1人だけでしたし…

1ヶ月検診、そして少しずつ肌が乾燥して

 とりあえず、退院したあとも混合乳での育児が続きました。人工乳を与えると頭をイヤイヤするように大きく横に振ったり、哺乳瓶の乳首を舌で押し出したりは相変わらずです。今思うと、アレルギーがあって、人工乳は彼女にとって毒のようなものだったのですね。だから口に入ると不快感があったのでしょう。本当にかわいそうなことをしました。

 そしてあっという間に1ヶ月検診。1ヶ月検診では、生まれたときよりわずかに500g程度しか増えていなかったのです。1ヶ月検診では1000g増えていることが必須だということでした。

 でも、1ヶ月検診で1000gの体重増加ってどうしてそんな数字が出るのでしょう。生後1ヶ月というのも状態はそれぞれの赤ちゃんで違います。月足らずで生まれた子と、予定日が過ぎても生まれず、成長して生まれた子。

 人間の子どもは他の動物に比べると不完全な形で生まれます。カンガルーと同じです。馬などは生まれた瞬間に走りますから、だいたい人間で言えば少なくとも2歳くらい。ということは、生後1ヶ月の赤ちゃんはまだ胎児なのです。胎児として何ヶ月か。ある子は受胎の時から数えて12ヶ月、ある子は9ヶ月と違うので一律に成長曲線に当てはめると無理があるはずです。

 そういうことはあとから考えたことです。夢子が1ヶ月のときはただ体重が増えないということで、お説教とまではいきませんが、いろいろと注意事項を言い渡されました。こういうのが、育児ブルーとか産後クライシスに繋がるのかもしれません。

 そして、困ったことにさらに肌が乾燥してきたのです。新米ママとしては本当に泣きたくなりました。(実は夢子は育児書通りではちっともなくて、こういったこと以外にもいろいろと悩みがありました。)

そしてアトピーに

 こういう経過があって、母乳ではなく混合乳育児をしていたのですが、その後、お肌の乾燥、そしてアトピーは人工乳が原因だということがわかりました。

 2人目を産むときは他の病院で産んだのですが、その病院では自然分娩を提唱している病院で、もともと赤十字病院で働いていた医師が始めたばかりの産婦人科クリニックでした。そこで教えていただいたことによると、WHO(世界保健機関)では赤ちゃんが生まれて6ヶ月までは、完全母乳にすることが推奨され、生後数日(何日だったか忘れましたが)赤ちゃんに異物を与えることが禁止されているのだそうです。人工乳も「異物」です。あえて飲ませる必要のないものでした。

 こういうわけで、夢子は人工乳を飲み始め、そのために3ヶ月後にアトピー皮膚炎を発症してしまいます。

著者情報

吉原久美子

10代の頃に患った慢性腎炎を克服し、36歳、39歳、41歳で出産。3人の母親です。最初の2人を東京で産んだあと、長女が4歳、長男が1歳11ヶ月でスペインに移住し、次男をスペインで出産しました。丸高出産ですから、それなりの問題もありましたが、3人ともすくすくと大きくなりました。 現在、ウエブライターとして「扶桑社・日刊住まい」などでスペインの文化などを紹介しています。

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