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アトピーは冬の乾燥が一番辛い!アトピーの私が冬を乗り切る方法。

 こんにちは。物心つく前からアトピーをわずらい、以後、40数年アトピーと戦っている出雲ゆき子です。アトピー体質の人間にとって、心地よい季節なんてありません。アトピーは一年中つらいものなのです。冬のアトピーのつらさについてお話ししたいと思います。

乾燥が強くなるとアトピーも悪化する

 12月、1月、2月と、乾燥が強くなりますよね。アトピーは乾燥によって深刻化しますので、肌が切れ、透明の液が出、かゆみが広がり、毎日症状が悪化します。

 また、皮膚の見た目も夏より悪くなります。どんなに日焼け止めクリームを塗っても、やはり夏は一段濃いトーンの肌になりますが、色が黒くなることで関節部分の赤みや皮膚の荒れが目立ちにくくなるというメリットもあります。しかし、冬は肌の赤みも収まり、全体的に白い皮膚になるため、アトピーによって荒れている部分やガサガサした部分が目立つようになり、気分もふさぎがちになってしまうのです。

尿素系のクリームは合う?

 乾燥によるアトピーの悪化を少しでも防ぐためにも、日々の保湿ケアは欠かせません。入浴後はすぐにボディークリームを塗り、肌の湿度を保ちます。しかし、たっぷりと塗りすぎてしまうと、肌内部に浸透せずに肌表面に残ったクリームが刺激剤になり、アトピーが悪化してしまいます。適度に丁寧に塗ること、そして、万が一、肌表面に残ったときは、ティッシュなどで丁寧に拭き取ることが大切なのです。

 ドラッグストアに行くと、尿素系のクリームが売られていますよね。特に冬は、アトピーじゃない人たちも乾燥に悩まされがちですので、ガサガサとした肌を治癒する効果が高い尿素系のクリームが多数出回ります。しかし、尿素系のクリームは、アトピーの人には合わないことも多いのです。尿素系のクリームを塗ってかゆみが強くなったという人も少なくありません。

 わたしも尿素系のクリームが合わず、ハンドクリームに少し尿素が含まれているだけでもかゆみが悪化してしまいます。アトピーの人は尿素系のクリームで一気に乾燥症状を改善しようとするのではなく、刺激が少なく穏やかな成分だけで作られたボディークリームを使って、気長に乾燥症状を改善する方が良いのでしょう。

加湿器は必須!

 乾燥すると悪化するアトピーの肌。少しでも乾燥しないように、家の中では加湿器が必須です。また、旅行に行くときも、ホテルには必ず「加湿器をセットしておいてください」と電話を一本入れておきます。ホテルについてから加湿器を用意してもらっても良いのですが、一部屋に一台の加湿器がないホテルも多く、宿泊当日に「加湿器をお願いします」と伝えると、「申し訳ございません。もう加湿器が残っていません」と言われてしまうこともあるのです。

加湿器のメンテナンスは毎日1回

 アトピーの人にはマストアイテムである加湿器ですが、注意点があります。それは、加湿器のメンテナンスについてです。

 加湿器本体内部は常に高い湿度と温度になっていますので、どうしてもカビが発生しやすくなっています。カビが大気中に放出されて呼吸とともに体内に入り込むと、アトピー症状は悪化しますので、できれば給水する度に加湿器内部を食器用洗剤で洗い、カビが発生しないようにお手入れしてください。

加湿器の近くのカーテンもチェック

 加湿器の近くにカーテンを吊るしている場合は、カーテンにカビが付着している可能性があります。とはいっても、カーテンをこまめに洗うのは面倒ですよね。なるべくカーテンの近くには加湿器を置かないようにしてくださいね。

寝ているときにかゆみが増す

 羽毛布団に包まれて眠るのは心地よいことなのすが、体があまりにも温まってしまい、アトピーが悪化することもありますよね。特に体温が高くなりやすい子どもは、寝ている間に体がかゆくなってボリボリと掻いてしまいます。布団に血が付着しやすくなるのも、冬ならではのアトピーの風景ですよね。

 では、薄い布団で寝れば良いのかというと、それは違います。風邪をひきやすくなりますし、体が冷えて眠りに入っていけなくなりますよね。夏も高温とエアコンのダブルパンチで就寝時にかゆくなりますが。冬も高温と乾燥のダブルパンチで就寝時がつらいのです。

寝具カバーはこまめに洗濯しよう

 夏の布団とは異なり、冬はカバーをつけますから、洗濯する作業もちょっと手間ですよね。しかし、アトピーの人にとっては清潔さは何より大切ですので、少なくとも1週間に1度は寝具カバーを全部洗って、皮膚に触れる部分が清潔さを保てるようにしておかなくてはいけません。

 特にアトピーの症状が出やすい顔周りに当たる部分は、週に2度以上は洗濯することがおすすめです。布団の上部だけに取り付けるカバーなども使って、清潔さを保ち、寝ている間にアトピー症状が悪化しないように努めていきましょう。

著者情報

出雲 ゆき子

東京大学医学部で精神衛生学(専門は発達障害児の療育、親とのかかわり方)を専攻。博士課程では精神医学・看護学を専攻。博士号取得。卒業後、アメリカや韓国等で看護学や救急医学についてのリサーチに従事。現在は主に看護額、精神衛生学、金融関係の執筆業を営む。AFP、ファイナンシャル・プランニング技能士2級、JAPAN MENSA会員

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