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暑い夏の季節にアトピーの私が気をつけていた悪化させないポイント

 こんにちは。物心つく前からアトピーをわずらい、以後、40数年アトピーと戦っている出雲ゆき子です。アトピーと言うと、「乾燥する秋冬が深刻」というのが共通認識になっているようですが、それは違います。アトピーは一年中つらいのです。夏のアトピーのつらさについてお話ししたいと思います。

季節に変わり目なんてない!一年中が季節の変わり目

 アトピーの治療のために皮膚科に行くと、医師は判で押したように「季節の変わり目ですからね。アトピーがつらいって来られる患者さんが多いんですよ」と言いますが、あれって何なんですか?季節は1年に4回変わるのではありません。夏も、梅雨に始まり初夏、盛夏、晩夏と暑さや湿度が日々変わっていきます。

 つまり、季節に変わり目なんてなく、毎日、何かは変わっています。ですから、季節の変わり目にアトピーが悪化するのなら、一年中アトピーは悪化してばかりなのです。アトピーがつらいのは今が季節の変わり目だからではなく、毎日、何かしら皮膚や体に刺激を受けているからなのです。

梅雨は意外と快適かも

 なぜか怒り口調で始まってしまいましたが、あきれずにお付き合いください。アトピーはちょっとした変化で悪化するため、本当に季節の変わり目かどうかに関係なくつらいんですよ。6月と言えば梅雨ですが、梅雨でじめじめし始めると、アトピーの調子が良くなる人が多いんです。これは大気が湿っているからなんですが、アトピーは乾燥が最大の敵といっても過言ではないので、梅雨になるとかゆみもおさまり、皮膚の炎症も沈静化するのです。

 しかし、家の中があまりにも湿ってしまうと、カビなどの細菌によるアトピー悪化が始まります。適度に室内を除湿しつつ、アトピー暮らしの小康状態を楽しみましょう。

梅雨の終わりとアトピーの悪化

 梅雨が終わるといよいよ夏本番です。熱いのは大好きなので、気持ち的にはハッピーなのですが、アトピーにとっては最悪の事態が近づいています。それは、汗です。アトピーは汗に弱く、アトピーの炎症部分に汗がかかると、刺激となり、炎症が悪化するのです。

 汗によって刺激を受けると、かゆみが普段以上に強まります。掻かないように意識していても、寝ている間に描いてしまい、朝起きたら指の付け根やひざ裏、ひじ裏が切れていたということも、人生において1,000回は軽く超えているでしょう。

体温の上昇とアトピーの悪化

 夜中に体が熱くなると、アトピーは如実に悪化します。とはいえ、エアコンをかけたまま眠ると皮膚が乾燥してアトピーが悪化しますので、どちらにしても夏の夜はアトピーが悪化する運命にあるのです。

 体が火照るとかゆくなるので、使い捨ての保冷剤で体を局部的に冷やしてみたのですが、これは全然効果はないですね。冷やした部分の皮膚が乾燥し、さらにかゆくなってしまいました。湿度を保ったまま温度を下げるタイプのエアコンを買い、エアコンの直風が体に当たらないように風光を調整するのが、わたしにとってはベストの夏の夜の過ごし方です。

紫外線と高温でアトピーも最悪状態に

 アトピーの人は紫外線に弱いことが多いのですが、夏は強い紫外線と高い温度のダブルパンチでアトピーも最悪状態になってしまいます。外に出るときはSPF50の日焼け止めクリームは当たり前、家の中にいるときも紫外線は確実に入ってきていますので、SPF50の日焼け止めクリームを塗って防御しています。

 それでも2日に1日は、アトピーがひどくなって、手のひらにブツブツができてしまいます。ひどくなると、日焼け止めクリームが手のひらに染みて痛みが生じるため、日焼け止めクリームを顔や体に塗れないんですよね。

塩素入りのプールでもアトピーは悪化

 ここ数年、夏はかならず竹富島の某ホテルに行き、1週間は何もしないでただくつろぐ時間をとっていました。某ホテル内には大きなプールがあるんですが、すごく水がきれいで、塩素のにおいがしたことがないんですよね。どうやってろ過しているのかは分かりませんが、刺激に弱いわたしが1時間以上入っても、アトピーが悪化したことがないんですよ。

 ところが、去年は一度別の離島に行ってみたいという思いがわき、八重山諸島の別の島のリゾートホテルに泊まることにしました。そこのプールがひどい塩素のにおいで、アトピー歴40年のわたしの本能が「ここに入ってはいけない」と指令を出し、結局、プールに入ることがないまま滞在を終えました。

 プールには入らなかったのですが、プールサイドにはちょっとだけ行ったんですよ。プールサイドを歩いていてプールの水が足元に少しかかったんですが、なんとそれだけで夜には足が水膨れ。かゆみはMAX。本当に死にそうな思いをしました。もう二度と行くことはないと思いますが、本当に最悪の思い出です。やはりわたしには塩素の少ない竹富島のホテルのプールが合っているようです。

著者情報

出雲 ゆき子

東京大学医学部で精神衛生学(専門は発達障害児の療育、親とのかかわり方)を専攻。博士課程では精神医学・看護学を専攻。博士号取得。卒業後、アメリカや韓国等で看護学や救急医学についてのリサーチに従事。現在は主に看護額、精神衛生学、金融関係の執筆業を営む。AFP、ファイナンシャル・プランニング技能士2級、JAPAN MENSA会員

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