こんにちは。物心つく前からアトピーをわずらい、以後、40数年アトピーと戦っている出雲ゆき子です。わたしがアトピーだと言うと、「秋冬は乾燥してつらいでしょう」という返事をもらうことも多いのですが、実際には違います。アトピーは季節の影響も受けますが、基本的には一年中つらいのです。まずは、春のアトピーのつらさについてお話ししたいと思います。
黄砂、飛んできましたね・・・
春一番とともに、西の方から黄砂が飛んでくると、アトピーの症状も目に見えて悪くなります。最近は黄砂だけでなくpm2.5などの極小の汚染物質も飛んできますから、刺激に弱いアトピー肌はもうボロボロです。
日本は南北にも長い国ですが、東西にも長いですよね。やはり大陸に近い西日本では黄砂やpm2.5の飛来量も多く、東日本と比べるとアトピーの悪化具合も深刻なものがあります。西日本よりもさらに中国寄りの韓国に住んでいたときは、朝、車の窓ガラスが毎日まっ黄色になっていました。こんなに大量の黄砂を浴びているのか(そして、その一部は肺の中に入っているのか・・・)と、ぞっとしたことを覚えています。
花粉も飛んできますね
冬の終わりから、花粉も飛んできますね。花粉症の人にとってはつらい時期が始まりますが、アトピーの人にとっても花粉はつらいことがあります。アトピーの人はアレルギー症状を起こしやすいですので、花粉症にもなっている人が多く、かゆみと鼻水、涙、咳などの症状で、生きているのがつらくなるほどのこともあるのです。
紫外線の量が増えてくると
3月、4月、5月と夏に近づくと、紫外線の量も増えていきます。5月は1年の中でも有数の紫外線の多い月ですから、日焼け止めクリームを塗ってしっかりと防御しなくてはいけません。
アトピー性皮膚炎の人は、紫外線に対して過敏に反応する人が多いですよね?ちょっと紫外線に当たるだけでも肌が赤く腫れてしまい、かゆくなってしまいます。わたしも紫外線に過敏に反応するタイプのアトピーですので、1年中日焼け止めクリームを塗って対策をしています。しかし、子どもの頃は紫外線が肌に悪いという認識がなく、ましてや紫外線がアトピーを悪化させるという認識もなく、いつも春に1度は顔がパンパンに腫れて、水膨れ状態になっていました。
春のスポーツイベントは止めて欲しい
わたしが通っていた小中高は、なぜか常に球技大会が4月か5月に開催されていました。紫外線が強くなってくる季節に、屋外で、しかもなぜか半袖半ズボンの体操服に指定されて、1日中球技に取り組みます。球技大会があるたびに、確実に夜は高熱を出し、手足はかぶれ、顔は真っ赤に腫れてしまいます。それなのに、「紫外線が悪い」ということに思い当たらず、毎年、紫外線ケアをしないまま屋外に出ていたんですよね。
球技大会=翌日からはアトピーがひどくなるイベントだと認識し、あるがままの状態で受け止めていたようです。今から思えば、過去の経験から学習しないなんて、愚かとしか言いようがありません。子どもは紫外線ケアの重要性が分かっていないのですから、春のスポーツイベントはちょっと考えてほしいものです。先生が日焼け止めクリームを塗ろうと子どもたちに促すなど、何か良い方法はないものでしょうか。
気温差もアトピーを悪化させる
春は1日のうちの温度の差が激しい季節ですよね。夜は10度以下に冷え込みますが、日中は日が当たると30度を超えることもあります。いろいろな刺激に弱いアトピーっ子ですが、気温差にも弱いです。日較差が大きくなると、体調を崩し、関節部分が乾燥してかゆくなり、ちょっと引っ掻くだけで透明の液が出るのです。
かゆみの始まりは皮膚の下から
いろいろな原因でアトピーが悪化する春。アトピー症状の悪化はかゆみで始まりますが、かゆみの始まりは皮膚の下のもぞもぞ感で分かります。皮膚そのものではなく皮膚の下(体の内部)がかゆくなり、少しかくと、皮膚の下に直径0.5~1㎜程度のブツブツができ、さらに掻くと、おきまりの透明の液が飛び出します。
こうなると、もうかゆみを止める方法がありません。マイザークリームなどのストロング~ベリーストロングのステロイド系の外用薬を塗り、ときには掻き、またステロイドを塗り、としている間にかゆみが広まっていくのです。
春野菜もアトピーには不向きなことが多い
春ならではのふきのとうやタケノコなども、アトピーの人には合わないことが多いです。わたしも大好きなので春に一度は食べたいなと思うのですが、独特の苦みやえぐみがあるため、食べた後にはかならずアトピーが悪化しています。
それでも食べるのは根性が曲がっているからなのですが、やっぱり旬のものを食べたいという日本人ならではのDNAが働いているからかもしれません。そんなこんなで、春はアトピーにとってつらいことが多すぎる季節なのです。