ママモル

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン

本当に母乳が足りないの?おっぱいケアをしに行きました

 こんにちは!アトピー性皮膚炎のある長女を筆頭に3人の子育てをしている吉原久美子です。長女の夢子がアトピーをどのように克服してきたかを綴っています。

 母乳が良いといっても、母乳が不足していたらどうしようと心配な人も多いと思います。私もそうでした。やはり、プロの意見を聞くべきだと思い、母乳ケアをしている助産院に行くことにしました。

 今回は最初に助産院に行ったときのことを紹介します。

母乳が足りているのか心配

 牛乳がアトピー性皮膚炎の原因だとわかって、即人工乳を与えることはやめたのですが、母乳が足りているのかやはり心配でした。牛乳ではなく、他の材料を使っているアレルギー用のミルクも売っています。材料は大豆だそうで、つまり豆乳ということになるのでしょうか。ただ、大豆もまれにアレルギーの原因になる場合もありますから、毎日コンスタントに飲ませていていいのかという疑問も出てきました。(その後、説明していただいたら大丈夫だということでした。)

 夢子はなんといっても母乳が大好きで、母乳を飲んでいるときにとても幸せそうにしているので、できれば完母で育てたいと思っていました。そういうときに自然食品屋さんで助産師さんが母乳がちゃんと出るようにケアをしてくれるところがあると教えてもらいました。住んでいるところからもそんなに遠くないので早速行ってみました。

助産師さんの自然子育て研究所へ

 最初に夢子をちょっとだけ抱っこしてみてくれて、

「健康ないいお子さんよ!」

と言ってもらいました。もちろん、お肌のカサカサは別にして。

 それから日頃私が食べているものや授乳のタイムテーブルなどの質問。
そして、母乳の味見(!)がありました。

 そして、取り出した母乳をひと舐めして、

「美味しい!最高の母乳じゃない!」

と言ってくれました。きっとみんなに言っていて、励ますためにしているのだとこのときは思いました。

おっぱいケア

 それからおっぱいケアが始まります。最初に母乳を捨ててしまうことから始まりました。古い母乳が残っていると良くないのだそうで、出し切ってしまいます。母乳を出し切ってしまうと新しい母乳が生まれやすくなるということでした。なんとなく、こういう理論はそうかなって納得しますよね。母乳をどんどん捨てていくので、どんどんお腹も減ってきます。

 それからうつ伏せに寝て、もぐさマッサージ。もぐさの入ったアイロンみたいなものを背中にそっと当てて動かしてくれます。ただ、結構肩が凝っていたので、できればムンギュッと力一杯揉みまくって欲しいという気持ちでした。でも、優しいマッサージが終わってから、なんだか体が軽くなったように感じました。

母乳の量について

 一番肝心な「母乳が十分出ているかどうか」について質問しました。すると反対に質問されました。

「どうして十分じゃないと思うの?」

「2時間くらいですぐに夢子はおっぱいを欲しがるんです。育児書には3時間から4時間我慢できないなら、お腹が空いているためで、母乳が不足している可能性があると書いてありました。」

「でもね、夢子ちゃんは機械じゃなくて人間でしょ?」

「?」

「車ならガソリンがなくなるまで走るけど、人間はなんとなくふと食べたくなることありますよね。お腹は空いてないけど、ちょっとだけアイスを食べたいなとかあるでしょ?」

「まあ、そうですね。」

「夢子ちゃんだって、なんとなく口寂しいと感じることもあるし、ママと一緒にいたいなとかママをもっと感じたいなと思うことがあるのよ。それが人間でしょ?だからすぐに飲みたがっても必ずしも不足しているわけじゃないの。夢子ちゃん、華奢な赤ちゃんだけど元気に動いているし、何にも問題はありません。」

「でも体重が増えないんです。」

「体重なんていつか増えるわよ。人間ってそれぞれに成長の仕方が違うんだから。小学生がみんな同じ背の高さで同じ体重ってわけにはいかないでしょ?中には小学6年生で大人の大きさになっている子もいれば、高校まで小さかったのに急に大きくなる子もいるじゃない?それなのにどうして赤ちゃんだけみんな同じ速さで成長していかなくてはいけないの?」

そういうわけで、とても納得してしまいました。

本当に食べ物で母乳の味って変わるの?

 夢子のアレルギー検査をしてもらってから、夢子のアレルギーの原因になる食べ物を私も食べないようにしてきました。牛乳、牛乳で作られたもの(チーズ、バター、アイスクリームなど)、鶏肉、卵、卵が入っているもの(プリン、スポンジケーキなど)は完全に除去した食事にしていました。

 それ以外にもおっぱいクリニックでは色々と指導してくださいました。

  • 人工的なものを口にしない。出汁は昆布やかつお節などできちんととる。
  • 出来合いの食べ物は買わない、食べない。(材料がわからない)
  • お砂糖はNG。
  • ポテトチップスとかそういう類の食べ物は一切ダメ。
  • だからコカコーラなんて絶対ダメ。

「おやつが欲しかったら、おにぎり!ノリを巻いてね、梅干しとかお漬物、昆布なんかとね。そして日本茶。」

 ふと永平寺に座禅会でお泊まりした日々を思い出しました。つまり精進料理のような食べ物が母乳にはいいってことなのですね。

 基本的に私は出来合いの食べ物やインスタント食品は食べないので、毎月のケアで助産師さんに母乳が美味しいと言われていましたが1度だけまずいと言われたことがあります。

「わ、まずい。どうしたの?なんか変なもの食べた?」と聞かれて、少しだけ考えて思い出しました。実は前日ママ友の集まりでちょっとだけポテトチップスを食べてしまったのです。といってもわずか10枚程度。そう答えると、「ダメよ!たった10枚でも。」とお説教。私はそれまで母乳の味がいいとおっしゃっていたのは、あくまで褒めることで元気づけているだけだと思っていました。そして、本当にポテトチップスを食べたことが、母乳を味見しただけでわかるということに驚愕しました。

 こうやって助産師さんに母乳をチェックしてもらい、2年半の間、母乳中心の食事をすることで夢子のアトピーは改善していきました。

おっぱいケアでママボディも綺麗に!

 こうやって2年半の間、夢子を母乳で育てました。2年半というとびっくりする人も多いと思いますが、1964年の東京オリンピックの頃はもっと長く授乳していたそうです。そうやって食料が不足していても元気に育てていたのでしょう。いい母乳を作るために、いわゆる粗食をしていたおかげでその頃は太りすぎることもなく、お肌や髪もツヤツヤでした。

著者情報

吉原久美子

10代の頃に患った慢性腎炎を克服し、36歳、39歳、41歳で出産。3人の母親です。最初の2人を東京で産んだあと、長女が4歳、長男が1歳11ヶ月でスペインに移住し、次男をスペインで出産しました。丸高出産ですから、それなりの問題もありましたが、3人ともすくすくと大きくなりました。 現在、ウエブライターとして「扶桑社・日刊住まい」などでスペインの文化などを紹介しています。

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