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海水浴ってアトピーに効果があるの?

 こんにちは!アトピー皮膚炎の娘、夢子を育てている吉原久美子です。今回は海に行くとアトピーが治るかどうかについて話したいと思います。

海水浴でアトピーが軽減する?

 夏になると毎週末は海に行っていました。結論から言えば海に行くとやはりアトピーは治ります。もちろん、全ての人が治るわけではないと思います。少なくとも夢子は、海に行くとかゆみが軽減され、1カ月くらいするとお肌もすべすべになりました。

 東京から行ける海は限られていますし、汚いというイメージも強いですよね。それでも大洗や三浦あたりならかなり綺麗で日帰りできます。泊まりがけで千葉の海にも行きました。

海水浴という言葉について:ヨーロッパでは温泉の代わりに海水浴

 「海水浴」という言葉。私は子供時代に変な言葉だなと思っていました。だって海水・「浴」ですよ。海に行くと泳いで、砂で山を作って、貝殻を拾うのが定番の子供時代。なぜ海水浴というのだろうというのがずっと疑問だったのです。

 「海水浴」という言葉は多分明治時代以降にヨーロッパの文学を翻訳するときに作られた言葉ではないかと思います。日本では温泉に行きますが、その代わりのようにヨーロッパの人たちは「海水浴」をします。海水に含まれるミネラルをたっぷりお肌に吸収するのが目的なのではないでしょうか。

 その延長上にあるのがヌーディスト。ヌーディストビーチもたくさんありますが、裸になることが性的な意味ではなく、自然に戻る、自然と触れ合うことに繋がっています。基本的には露天風呂を経験したドイツ人あたりが考え出したのではないかと勝手に想像するわけです。

 つまり、海には特別な効果を期待しているのではないでしょうか。だから海に行って水に浸かることをスペイン語やフランス語、多分ドイツ語でもお風呂に入るときに使う動詞で表現します。

 怪我をしたときに一度海に入ったのですが、最初はヒリヒリしていたのにその後治ってしまいました。もちろん血を流している状態や縫った後では逆効果になりますが、治りつつある場合にはかなり効果があると思います。そのように海には特別な力があるようです。

 そういうわけで、夢子は夏の間は毎週どこかの海に連れて行き、お正月休みやゴールデンウィークはセブ島やカナリア諸島、父島など常夏の島に行っていました。

海水はアトピーに効果がある?

 科学的にはどうなんでしょうか?海水浴はアトピーに本当に効果があるのでしょうか?そう思って少し調べてみました。「西日本皮膚科」という雑誌1995年1号に海水のアトピーへの影響を研究した論文が出ています。「アトピー性皮膚炎における塩水療法—臨床的有用性の検討—」という論文で成人と子どもでアトピーがかなりひどい人ばかりに塩水療法をしています。海水に近い状態になるために普通の塩をつかわず自然塩を使用しています。

 その結果は全体で60.9%に効果があったのですが、年齢別の結果では子どもは94.1%に効果があり、反対に成人は成人41.3%に止まりました。特にかゆみが止まり、皮膚に保湿効果があったそうです。やはり海水効果は期待できるんですね。紫外線のアトピーへの効果もあるそうですから、海水浴はかなりアトピーに効果が期待できます。

紫外線が怖くて海水浴に行けないお母さんも

 しかし、海水浴に連れて行くことを躊躇してしまうお母さんもいると思います。紫外線は肌の老化を進めると言われているので、シミやシワが心配です。私のように歳をとって子どもを産むと子ども第一に考えてしまうのですが、そうではない人も多いでしょう。

 ただね、シミやシワの原因が外からの物理的なことだけなのか、そしてシミやシワがあることで「美」がそこまで損なわれてしまうものなのかをちょっとだけ考えてみましょう。例えば駐日アメリカ合衆国大使だったキャロライン・ケネディさん。シワがたくさんあるけど魅力的という声が高かったですよね。

 フランスのことわざに「女は女のシワを見て、男は女のシワを見ない」というのがあります。男性はシワよりもその人の魅力に目がいくという意味です。(日本の男性は若い子が好きという話もありますが、それは置いといて)

 海に行くことで得られるものって必ずあると思います。イタリアやスペインでは夏に海に行くことは必須です。紫外線のデメリットもありますが、メリットもたくさんあります。更年期が比較的遅いのもメリットのひとつです。実際、50代で子どもを産む人もたくさんいます。婦人科系の病気も少なめだと言われています。(もちろん、50代で子どもなんて産みたくないというご意見も多数でしょうが、そのくらい肉体的に若いということで)

 そして何と言ってもメリットは子どもと一緒に素敵な思い出を作れること、そしてアトピーが軽減することです。メリットとデメリットを天秤にかけて考えてみましょう。

海水浴に行ってアトピーを軽減

 夢子は今でも冬の間に少しだけアトピーが出てしまいます。アトピーと呼ぶほどのものではなく、軽く乾燥肌になって膝の後ろにブツブツが出る程度ですが。それでも夏になると海に行ったり、プールに行ったりしてお肌が綺麗に戻ります。

 たぶんストレスも原因のひとつでしょう。夏休みになると解放されて気持ちも楽になるし、2月の試験はかなりきついこともあります。アトピーの原因はひとつだけではないし、解決の方法もひとつだけではありません。

 それに人それぞれ。アトピーに海水が良いと言っても合わない人もいますから、行く前にお医者さんに相談してみてくださいね。

著者情報

吉原久美子

10代の頃に患った慢性腎炎を克服し、36歳、39歳、41歳で出産。3人の母親です。最初の2人を東京で産んだあと、長女が4歳、長男が1歳11ヶ月でスペインに移住し、次男をスペインで出産しました。丸高出産ですから、それなりの問題もありましたが、3人ともすくすくと大きくなりました。 現在、ウエブライターとして「扶桑社・日刊住まい」などでスペインの文化などを紹介しています。

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