こんにちは。物心つく前からアトピーをわずらい、以後、40数年アトピーと戦っている出雲ゆき子です。アトピーは季節の変わり目に悪化するといいますが、それは違います。アトピーは一年中つらいのです。秋のアトピーのつらさについてお話ししたいと思います。
暑さと汗に苦しむ9月
夏の暑さは、アトピー体質の人にとっては耐え難いものがあります。アトピーは体温が高くなるとかゆみを増す傾向にありますので、気温が高く、体がほてりがちになると、アトピーも悪化して、常に体のどこかはかゆい状態になってしまいます。
そして、汗。汗はアトピーを抱える人間にとっては、非常に影響力の強い刺激物です。湿疹や炎症のない普通の肌に汗が留まるだけでもかゆみを引き起こすことがありますし、炎症部分や切れている部分に汗が入り込むと、かゆみと痛みで悶絶することがあるのです。
疲労が加わることでかゆみもピークに
夏が大好きなわたしですが、暑さに疲れないわけではありません。連日、40度近い猛暑が続くと、さすがに体力が衰え、体の抵抗力がなくなっていきます。アトピーも悪化し、かゆみと腫れに悩まされる日々が続きます。
絆創膏がくっつかない!
かゆい→掻く→皮膚が切れるという悪循環を繰り返していると、切り傷が治らなくなっていきます。傷口が深くなり、皮膚だけでなく内側の肉まで割れてしまいます。わたしはよく手指の関節部分の内側(手のひら側)が割れるので、お箸を持つことすら痛くなってしまい、絆創膏を貼って傷口を覆うことがあります。
傷が早く治るタイプの絆創膏をアトピーでできた傷口に貼ると、放置しているよりも早く傷口がくっつきますので、最近はもっぱら傷を早く治すタイプの絆創膏を使っています。しかし、夏には不向きなんですよね。絆創膏治療。手のひらも汗をかきますので、貼ったはずの絆創膏が自然にはがれて、いつの間にか傷口が露出してしまいます。皮膚の状態が最悪、治療もできない・・・そんな悩みを抱える9月なのです。
イベントが多いとアトピーも悪化する10月
10月に入って暑さと汗が収まってくると、アトピーの状態も徐々に収まっていきます。しかし、アトピーの状態がましになるのは一瞬だけです。運動会やお稽古ごとの発表会、家族との遠足、友人との紅葉狩り、小旅行などのイベントが続き、体の疲労度が高まるとアトピーの状態もまた悪くなってしまうのです。
秋の食べ物はアトピーにはあまり影響がない
春の旬の食べ物、タケノコやふきのとうなどは、えぐみが強く、アトピー体質の人には合わないことが多いです。わたしはタケノコやふきのとうなどの少しあくのある食べ物が好きなのですが、食べるとなんとなく体に毒素が溜まったようなだるさに襲われ、数日間はかゆみがつよくなってしまいます。
秋も旬の食べ物が多い季節ですよね。栗やサツマイモ、銀杏、マツタケなど、おいしい旬の食材が豊富に出回ります。もちろん、旬の食べ物ラブのわたしとしては見過ごせません。できるだけ食卓にも旬の素材を取り入れ、味覚で秋を感じるようにしています。しかし、春の旬の食べ物とは異なり、個人差はあるとは思いますが、秋の食べ物はあまりアトピーに影響しないんですよ。春の旬食材とくらべるとあくが少なく、えぐみもほとんどないからでしょうか。
北風が吹き始めるとアトピーも悪化する
11月に入るころから、乾いた北風が吹き始めます。高温もアトピーを悪化させる要素ですが、乾燥もアトピーを悪化させる要素です。大気が乾き始めると、アトピーならではのムズムズ感が皮膚の下に生まれ、ブツブツが目に見えるようになり、かゆみが日ごとに強まっていきます。
乾燥すると髪の毛が顔を刺激する
空気が乾くと、髪の毛も乾きます。髪の毛が乾くと静電気が発生しやすくなり、顔周りにくっついてしまいます。アトピーの状態があまりよくないときは、顔周りにかかる髪の毛すらも刺激になり、アトピーを悪化させる原因になります。髪の毛が顔にかからないようにまとめれば良いのですが、冷え込んでくると、そういうわけにもいきませんよね。
衣類も肌を刺激する
夏の間は、ほぼ毎日コットン素材の服を着て過ごします。しっかりと洗って肌馴染みをよくしたコットン素材の服が、アトピーの肌には合うようです。しかし、いつまでもコットン素材の服だけを着ているわけにはいきませんよね。寒くなってくるとウールなどの毛足の長い素材の服も着たくなります。
自分の髪の毛すら刺激物になるのに、他人というか他の動物の毛が刺激物にならないわけはありません。長時間ニットなどを着ていると、体がほてり、かゆみが強くなることも多いのです。室内や建物に入ったら速攻でコートやカーディガンを脱ぎ、皮膚への刺激が少なくなるように、そして、体温が高くなってかゆみが強くならないようにしなくてはいけないのです。