こんにちは。物心つく前からアトピーをわずらい、以後、40数年アトピーと戦っている出雲ゆき子です。アトピーの人って、結構、食べ物に気を付けている人が多いですよね。また、お子さんがアトピーの場合やアトピーの可能性が高い場合も、親御さんは、食事改善を中心としたケアをしていることが多いです。実際に本屋さんに行っても、「アトピーの人のための食事療法」的な書籍が山ほどあります。
アトピー改善のための食事の基本
わたしもアトピー患者として、大抵のアトピー本には目を通してきました。誤差はあるものの、大抵のアトピー改善食事は、糖質と脂質を控えて、ミネラルとビタミンをたくさん摂るというもの。方針は明確ですので、簡単に取り組めることも魅力と言えば魅力ですね。
厳しい食事制限を指南するアトピー本も多い
中には、極端な食事療法を提案しているアトピー本もあります。例えば、「ご飯は玄米しか食べない」「砂糖が入っているものは絶対にとらない」「乳製品を一切食べない」など。
もちろん、実行してアトピーが改善された人もいるでしょうが、外食もしづらくなりますし、友人や家族との食事を楽しみづらくなるのは確実です。アトピーの程度が特別に深刻ではないのなら、まずはライトな食事制限から始めていく方が良いでしょう。
実際に試してみた!糖質制限は効くみたい
わたしも長年アトピーに向き合っていますので、大抵の食事制限は一通り挑戦してきました。その中でも比較的簡単にできるのが糖質制限です。糖質、つまり、主食やお菓子を食べない食事療法です。
抜くだけ食事療法は簡単
「何かを食べなくてはいけない」という食事療法は、継続するのが難しいですよね。例えば「いつでも玄米を食べなくてはいけない」なんて決められているなら、どうでしょうか?どこに出かけるのも玄米おにぎりを持ち歩かなくてはなりませんし、給食や会食、外食の度に「玄米以外は食べられないの」と、雰囲気を壊すような発言をしなくてはなりません。
しかし、「何かを抜けば良い」という食事療法は簡単です。おかずはしっかりと食べて「ご飯だけ食べられない」。お菓子は避けて「紅茶とフルーツだけ、いただくわ」と、結構、融通が利きますので、日常生活に支障が出にくいのです。料理を作るのが嫌いな人や面倒な人にも、「何かを抜けば良い」的な食事療法は取り組みやすいのではないでしょうか。
糖質を抜いたらかゆみが穏やかに
糖質を全部抜くのは、ほぼ不可能です。しかし、ご飯やパンを減らす、ケーキ類は時々だけにする程度の、ゆるい糖質制限なら誰でも取り組めますよね。
生来、なまけもの、かつ、細かくルールを設定することが苦手なわたしは、糖質制限もゆるゆるのルールで実施しました。「普段の半分にしよう」程度のゆるいスタンスで、糖質制限にチャレンジしたのですが、1ヶ月ほど続けてみると、なんだか体のかゆみがかなり穏やかになっていたのです。
なぜか皮膚も潤っている
かゆみが収まると、皮膚も潤うものなのですね。わたしの当時のスキンケアと言えば、入浴後に少しだけボディークリームを塗る程度のものだったのですが、そんないい加減なスキンケアでも皮膚がきちんと潤うようになっていたのです。
皮膚がガサガサでなくなると、皮膚が切れたり、かゆくなったりすることも減りますよね。洋服で皮膚がこすれても、かゆみを感じることがなく、気持ちよく一日を過ごせるようになっていきました。
乳製品も抜いて見たけど・・・
糖質制限で効果は見られたものの、元々ご飯が大好きなので、あまり長くは続けられませんでした。ご飯を控える生活を続けていたときに、お腹いっぱい白ご飯を食べると、本当においしいんですよね。
やっぱり、ご飯最高!お米最高!と、ご飯だけ・・・では無理ですが、ご飯とご飯に合うおかずがあれば、毎日食事が楽しくなります。ご飯に合うおかずがないときは、チャーハンや炊き込みご飯などのご飯系単品も幸せですよね。そんなこんなで、糖質制限は2ヶ月も続けられませんでした。
元々乳製品を食べないから効果がない?
アトピー体質の人は、乳製品を控えた方が良いというようなことを書いてあるアトピー本もあります。とりあえず、牛乳やヨーグルト、チーズ、バターなどの乳製品を食生活から減らすようにしてみました。
しかし、よく考えれば、わたしは元々乳製品をそこまで食べないんですよね。ヨーグルトを食べるのも年に数回ですし、チーズも時折、牛乳も残っていれば少し飲む程度です。そのため、乳製品を控えてもあまり明確な食生活の変化もなく、体調の変化もなく、食事制限を終わることになりました。たくさん乳製品を食べる人は、乳製品制限食事療法を試してみても良いですね。
そもそも本当に乳製品制限には効果があるの?
乳製品に関する意見は、アトピー本によって大きく分かれます。乳製品に含まれる乳脂肪分は元々日本人の腸では分解されにくいから、身体に残ってしまい、アレルギー反応としてアトピー症状が表れるといった論調のものが多いのですが、乳製品をどんどん食べるべきと指南してある本もあります。
便秘解消効果があるヨーグルトはアトピーにも良い?
乳脂肪が分解されないなら乳製品は控える方が良いのかなと思ってしまいますが、乳製品にはアトピーの人にも嬉しい便秘解消効果がありますよね。便秘になってしまうと腸内に食べ物の老廃物が溜まり、腐敗して、肌荒れやアトピー症状の悪化が見られるようになります。特に乳酸菌がたくさん含まれるヨーグルトは、便秘解消のパートナーとしても知られていますから、便秘が気になる人は、積極的に食べておきたいですよね。
アトピーの人が避けたい便秘。便秘解消に役立つ乳酸菌食品。このように考えるなら、あながち乳製品がアトピーにとっては悪とは決めつけられません。個人差もありますので、各自が体調を見ながら、ヨーグルトを食べるかどうか、食べるならどの程度の頻度にするかを決めていく必要があるのでしょう。
お菓子制限療法は効果がある
糖質制限食事療法とは別に、お菓子を制限するという食事療法もやってみました。お菓子って、栄養バランス的には決して優れていないんですよね。特に小麦粉とバター、砂糖の3つを使った洋菓子は、カロリーと糖質・脂質は高いけれども、ビタミンやミネラルはほとんど含んでいません。そのため、栄養バランスだけを考えたら、「なんでわざわざ食べるの?」という風な位置づけなんですよね。
しかし、おいしい。おいしいケーキ屋さんのケーキは、本当においしい。ということで、わたしも体には悪いということは分かってはいるものの、お菓子絶ちをするのは多大な決断力を必要としました。
とりあえず1ヶ月!調子が良いかも?
いつまでもお菓子を食べないというのは悲しすぎますので、とりあえず1ヶ月だけ「洋菓子は食べない」という食事制限をしてみました。「洋菓子」だけ食べないというのが、わたしの意志の弱さが表れていますよね。しかし、洋菓子を食べないだけでも、なんとなくかゆみは収まり、糖質制限食事療法を実践しているときと同じような快適さを味わうことができたのです!
何が合うかは人によってさまざま!まずは糖質制限から
どんな食事療法がアトピーに合うかは、人によっても異なります。今まで一度も食事療法に取り組んだことがない人は、とりあえず糖質制限から始めてみてはいかがでしょうか。すべての糖質を制限するのは難しいですので、「ご飯を半分にする」「パンだけの食事はしない」「洋菓子は避ける」程度のゆるい制限がおすすめです。