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アトピーにもメリットがある!美肌とアトピーの関係は?

 こんにちは。物心つく前からアトピーをわずらい、以後、40数年アトピーと戦っている出雲ゆき子です。あまりにも長いアトピー歴の中、アトピーにメリットはないのかとポジティブに考えるようになりました。そして、1つだけメリットと呼べるメリットが見つかったのです。

肌が敏感なのは肌理が細かいから

 アトピー体質の人は、基本的には敏感肌です。空気が乾燥しているといっては肌が荒れ、かゆみが生じてしまいます。また、空気の汚れやストレス、汗やダニなどの刺激物が付着しても、肌が荒れて、切れたり血が出たりすることがあります。

 なぜ敏感なのか・・・というと、これは体質だと一言で片づけることもできますが、肌の肌理が細かすぎて刺激を受けやすいというのも無関係ではありません。見るからに肌が厚そうな人っていますよね?おそらく肌そのものも丈夫で刺激を受けにくいと考えられます。一方、見るからに肌が薄くて弱そうな人もいますよね?透けそうな美肌のことも多いのですが、刺激を受けて、すぐに赤みが出たり、かさついたりしてしまいます。

 アトピー体質の人は、肌が敏感なことがほとんどですので、肌理が細かく、薄く繊細な肌を持っていることが多いです。そのため、アトピーによってかぶれた部分がより一層赤くがさついて見えてしまうのです。

美肌に色素沈着

 しかし本来はきめの細かな美肌の持ち主であっても、度重なるアトピー症状により、肌は分厚くなって色素沈着してしまいます。切り傷を作ると、傷口の部分が盛り上がってうっすらと黒っぽくなりますよね?アトピーによる肌荒れも切り傷と同じですから、肌が切れたり荒れたりする症状が治まると、盛り上がってうっすらと色素沈着するのです。

 アトピーの人は切り傷→分厚く色素沈着して治癒→切り傷→分厚く色素沈着して治癒を何十、何百、何千回と繰り返します。治癒するたびに肌が厚く黒っぽくなり、本来の美肌が損なわれていくのです。

ステロイド系の塗り薬と色素沈着

 ステロイド系の薬の副作用の1つに、色素沈着があります。アトピーによる皮膚症状を抑える代わりに、肌が黒っぽくなってしまうのです。そのため、傷口が治ることによる色素沈着だけでなく、薬品による色素沈着も加わり、アトピー性皮膚炎の人以外よりもくすんだ黒っぽい皮膚になってしまうことが多いのです。

皮膚症状を極力抑えれば美肌になる素養がある

 つまり、アトピーの人は本来は通常以上に肌理の細かい美肌のことが多いのです。それが、長年にわたる肌荒れと薬物療法により、黒ずみ、凹凸を生じ、美肌とは言えない状態になってしまうのです。

 反対に言えば、アトピーの人は通常以上に美肌の素養があるのですから、肌荒れしないように十分に心がけてスキンケアに力を入れていれば、アトピー体質ではない人以上に美しい肌になることは可能なのです。では、皮膚症状が悪化しないために、どのようなケアを行うことができるのでしょうか?

保湿に保湿、とにかく保湿

 肌荒れをさせないためには、保湿に力を入れることに限ります。肌を清潔に保つために顔や体を丁寧に洗い、流れ落ちた皮脂を補うためにも、十分に保湿クリームを塗ります。もちろん、適度に塗るのは良いことですが、塗りすぎはNGです。肌に浸透しなかった油分が肌を刺激する元となりますので、必要な量をしっかりと見極めて塗ってください。

 どの程度の量が必要な量なのかというのは個人差がありますが、保湿クリームや化粧品に記載されている量を守ればほぼ十分だと思われます。とにかく保湿クリームが不足しないように、しかも余らないように塗ることが大切なのです。

ビタミンCを積極的に取り入れよう

 アトピーも扱う美容皮膚科に通ったこともあるのですが、そこでは、通常の塗り薬に加えてビタミンCの錠剤も処方してくれていました。ビタミンCには漂白効果がありますので、ビタミンCを積極的に摂取することで、ステロイドによる色素沈着を抑えることができるということです。

短期間に治すことも大切

 また、ステロイド薬の塗り方にも注意が必要です。ステロイド成分が少なく治療効果が薄い軟膏を長期にわたって塗り続けるよりも、ステロイド成分が多く含まれている軟膏を短期集中で塗って早めに治してしまうほうが、ステロイドの肌への刺激も少なくなり、色素沈着を起こす可能性も低くなります。

 もちろん、ステロイドを塗っている間とステロイドを塗り終わった後1ヶ月間(肌の細胞サイクルが1ヶ月ほどなので)はビタミンCを摂取することも忘れてはなりません。せっかく美肌の素養があるのですから、スキンケアと薬の塗り方、ビタミンCの摂取に注意をして、美しい肌を目指しましょう。

著者情報

出雲 ゆき子

東京大学医学部で精神衛生学(専門は発達障害児の療育、親とのかかわり方)を専攻。博士課程では精神医学・看護学を専攻。博士号取得。卒業後、アメリカや韓国等で看護学や救急医学についてのリサーチに従事。現在は主に看護額、精神衛生学、金融関係の執筆業を営む。AFP、ファイナンシャル・プランニング技能士2級、JAPAN MENSA会員

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