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アトピーは遺伝する?小さなころに何に注意すべきか

 こんにちは。物心つく前からアトピーをわずらい、以後、40数年アトピーと戦っている出雲ゆき子です。アトピーで長く悩んできたため、子どもが生まれる時も、「この子はアトピーなのだろうか?」ということが不安で不安でなりませんでした。

アトピー体質は遺伝する

 現在、医学界ではアトピー体質は遺伝するということに異論をはさむ人はいません。アトピー性皮膚炎は敏感肌や乾燥肌の人がなりやすい疾患ですが、肌質は親子代々遺伝しますし、アトピー性皮膚炎の発症と強い相関があると考えられているフィラグリンという遺伝子の変異も、基本的には遺伝するものだからです。

 もちろん、アトピー性皮膚炎になるかどうかは、遺伝的要素だけで決定するのではありません。ダニやほこり、汗などが皮膚に付着することでアトピーが発症しやすくなりますし、普段は皮膚にトラブルを抱えていない人でも、不眠が続くときや強いストレスを受けたときはアトピー症状が出やすくなります。しかし、アトピー体質を持っているかどうかは遺伝的要素によって決まる部分が多いため、同じようなストレスを受けても、アトピー体質の人は皮膚症状として出やすくなりますし、アトピー体質ではない人は皮膚症状以外の症状が出ることが多いです。

アトピーの子がアトピーになる確率は3分の1

 アトピーになりやすい肌質は、日本人の3分の1と言われています。もちろん、まんべんなく3分の1のアトピーになりやすい人が分散しているのではありません。肌質は遺伝しますので、アトピー体質を持っている人が多い家族もあればアトピー体質の人がまったくいない家族もあり、日本におけるアトピー分布は非常に偏ったものであることが想像されます。

 結婚してからも定期的にアトピー治療のために皮膚科に通っていましたが、わたしが生まれる子どもがアトピーかどうかを気にかけていると、医師は「アトピーが遺伝する可能性はだいたい3分の1だから、子どもはアトピーでない確率でない方が高い」と励ましてくれました。おそらくわたしの気持ちを楽にさせようと言ってくれた言葉だとは思いますが、3分の1って多いですよね?

 また、医師は「両親ともにアトピーの場合は、子どもがアトピーになる確率は3分の2ほどになる」とも言いました。幸いなことに夫はアトピー体質ではありませんから、その点は少しだけ安心できるのかなと思いました。

とにかく保湿

 赤ちゃんが生まれてすぐは、アトピー体質なのかどうか判断することはできません。乳児湿疹ができただけでも「これはアトピーかも?」と恐怖におののき、手を掻くような仕草を見せただけでも「ねぇ、アトピー?アトピーなの!?」と大騒ぎしていました。体質的には3分の1はアトピーになりやすいということで、とにかく保湿を心がけ、アトピー症状が出ないように注意しました。

 お風呂に行ったら、時間をおかずに全身保湿クリーム。顔についた食べ物や汚れを拭いたら、すぐに顔用の保湿クリーム。また、紫外線もアトピーの人にとっては大きな刺激になりますので、毎日お出かけをする前には日焼け止めクリームを塗りました。しかし、日焼け止めクリームが皮膚を乾燥させる原因になるかもと考え、保湿クリームを塗ってから日焼け止めクリームを塗るようにしました。

皮膚に触れる布類はこまめに洗濯

 ダニやほこりなども、アトピー症状を発症させる一因となります。ベビーベッドに寝ているときは、毎日ベッド周りの布類を洗い、ベビーカーに乗せるようになったら、できるだけ頻繁にベビーカーのシートを取り外して洗っていました。

 よだれが大量に出るようになると、スタイを一日に何度も取り換えるだけでなく、顔回りをガーゼで何度も拭き(もちろん、拭いた後は保湿クリームを塗ります)ました。顔によだれなどの刺激する物質がついたままになると、かぶれてしまい、そこからアトピー症状を発症するかもしれません。よだれがついても放置しないように、毎日、赤ちゃんの顔をのぞきこんでばかりいる日々が続きました。

苦節10年!まだアトピーは出ていないが・・・

 子どもをこまめに保湿し清潔にする生活を10年以上続けてきたこともあり、今のところ、アトピーっぽい症状は出ていません。もともとアトピー体質なのにケアのおかげで発症が抑えられているのか、それとももともとアトピー体質ではないのかは分からないのですが、まず、よかったことだと思っています。

 しかし、顔をのぞきこんでばかりいる癖や一日に何度も保湿クリームと日焼け止めクリームを子どもに塗る習慣がぬけず、なんとなく毎日が子どものスキンケアに明け暮れているような気がします。本人はまったくケアをする気持ちもないので、いつもわたしにされるがままになっています。もう小さな子どもとは言えない年齢ですから、そろそろ自分自身でスキンケアをするようになってほしいものです。

著者情報

出雲 ゆき子

東京大学医学部で精神衛生学(専門は発達障害児の療育、親とのかかわり方)を専攻。博士課程では精神医学・看護学を専攻。博士号取得。卒業後、アメリカや韓国等で看護学や救急医学についてのリサーチに従事。現在は主に看護額、精神衛生学、金融関係の執筆業を営む。AFP、ファイナンシャル・プランニング技能士2級、JAPAN MENSA会員

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