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アトピーのかゆさと食べ物って関係ある?気をつけるべき食品とは。

 こんにちは。物心つく前からアトピーをわずらい、以後、40数年アトピーと戦っている出雲ゆき子です。アトピーはあるけれども食品アレルギーは1つもないわたし。好き嫌いもほとんどないので、何でもおいしく食べて生活しています。

甘いものを控えるとかゆみが減る?

 6歳年下の弟がいるのですが、彼もアトピー体質で、皮膚の荒れが年中気になっています。とはいえ、もちろん一年中かゆがっているのではないので、ある夏、とりあえずどんな時にかゆそうにしているのか観察していました。

 すると、1つ分かったことがあります。それは、アイスクリームを食べた日の翌日は、普段以上にかゆそうにしていること。もちろん、個人差があるので絶対とは言えないのですが、弟に限っては、アイスクリームがアトピーにはネガティブに反応していました。

アイスクリームを止めてみると・・・

 そこで、弟に、とりあえず「かゆみを抑えたかったらアイスクリームを止めてみては?」と提案しました。1日まったくアイスクリームを食べないで過ごすと、確かに皮膚のかゆみがましになったようで、見た目にも炎症が落ち着いているようでした。

 しかし、「アイスクリームを食べないでかゆくないのと、アイスクリームを食べてかゆいのなら、アイスクリームを食べるほうを選ぶ」という弟の決断(?)により、アイスクリーム断ち療法は終わりを迎えました。体調よりもアイスクリームを選ぶ弟。当時は19か20歳の大学生だったのですが、本気で姉として「バカなのか?」と心配しました。

甘いものというより糖質がダメなのか?

 アイスクリーム断ち療法の効果をうっすらと感じたその年の冬。わたしが腎臓系の病気になり、糖質を控えるようにと医師から指示を受けました。なんの病気だったのかまともに聞いていなかったのでよくわからないのですが、食べてよいものと食べないほうが良いもののリストを渡され、「なるべくこのリストに従って食事をしてください」と言われました。

 食べてはいけないものとしては、パンやうどん、パスタ、おせんべい、ドーナツなどの高糖質のものがずらっと並んでいました。一方、食べることを推奨されるものとしては、おそばやヨーグルト、りんご、豆腐などの比較的糖質が低い食事が挙げられていました。思えば今でいう“低GI食品”ですね。食べても血糖値が急上昇しない食事として、高血圧予防や高血糖予防の必要がある人に勧められています。

低GI食品を食べるとかゆみがましに!

 低GI食品を積極的に食べる生活を続けると、1ヶ月を過ぎたころから、かゆみがなくなってきました。もともとは腎臓関係の病気のための食事でしたが、わたしにはアトピー症状が改善されるという嬉しい副作用があったのです!

 いつまでも続けたらアトピーも良くなり、体調も良くなり・・・とうれしいことが続くはずだったのですが、次の検診日で「だいぶ、改善されていますね~。もう、食事療法を厳しく続けなくても良いですよ」と言われ、即、低GI食品だけを食べるという食生活をやめてしまいました。しかし、「食事でアトピーの症状は改善する」ということだけは、深く理解することができました。

ダイエットにもおすすめ

 もちろん、アイスクリーム断ち療法と同じで、すべての人に効果があるとは言えません。しかし、血糖値が上がりにくい→食事によって急激に熱を発生することが少ない→かゆみが刺激されにくいという感じで、ある程度は普遍性のある結果なのかもしれませんね。

 かゆみがつらくて眠れない日が続く方は、ぜひ低GI食品のみを食べるという療法を試してみてはいかがでしょうか。世の中のほとんどのものは高GI食品ですし、しかも、高GI食品はカロリーが高い食べ物が多いですので、低GI食品だけを食べると確実に摂取カロリーが減って、やせやすくなります。

 わたしも2ヶ月だけの低GI食品生活でしたが、特に運動などをしなかったにも関わらず体重が2キロほど減っていました。もともとやせ型なので体重が減りにくいのに2キロも減ったのは、やはり低GI食品のおかげなのかなと思います。

いろんな食べ物で人体実験してみよう!

 アトピー体質の方は、食べ物によってかゆみが増したり、反対にかゆみが収まったりすることがあるかもしれません。ぜひご自身の体を使ってアトピー改善につながる食生活を模索してみることをおすすめします。

 もちろん極端に低カロリーな食品だけを食べたり、栄養バランスが著しく崩れるような食行動は勧められませんが、プチ偏食程度でアトピーの状態が変わることもありますので、試してみる価値は十分にあるといえますよ。また、わたしのように体重減や体調全体の改善などの嬉しいおまけがつくこともあります。まずは体調をくずさないことは前提で、無理なく1ヶ月程度を目安に、食事療法の人体実験を始めてみてはいかがでしょうか。

著者情報

出雲 ゆき子

東京大学医学部で精神衛生学(専門は発達障害児の療育、親とのかかわり方)を専攻。博士課程では精神医学・看護学を専攻。博士号取得。卒業後、アメリカや韓国等で看護学や救急医学についてのリサーチに従事。現在は主に看護額、精神衛生学、金融関係の執筆業を営む。AFP、ファイナンシャル・プランニング技能士2級、JAPAN MENSA会員

EARTH CHILD アースチャイルド


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