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甘味料は安全なのか?ゼロカロリーの食べ物の危険性について。

 あまりにも砂糖が多く含まれる食べ物は、カロリーも高く、虫歯になる危険性もあり、子供に食べさせるのは控えたいと考えている親御さんも多いでしょう。では、砂糖の代わりに使われる「甘味料」は安全なのでしょうか。甘味料の安全性と、甘味料がふんだんに使われるゼロカロリーの食べ物の危険性について探っていきましょう。

甘味料とは?

 甘味料とは、その名の通り甘味をつけるための調味料です。砂糖やはちみつ、水あめ、メープルシロップも甘味料ですし、サッカリンなどの化学的に合成された調味料も甘味料です。また、ステビアやキシリトールなどのように天然成分から甘味を抽出した甘味料もあります。

天然由来の甘味料

 天然由来の甘味料は、そのままもしくは精製して調味料として使う甘味料と甘味成分を化学的に抽出して使う甘味料の2つに分けられます。そのままで調味料として使える甘味料としては、はちみつやメープルシロップなどがあり、精製して使える甘味料としては砂糖や黒糖、和三盆糖などがあります。一方、甘味成分を化学的に抽出して使う甘味料としては、ステビアやキシリトール、ソルビトールなどがあります。

人工甘味料

 天然の植物などから甘味を抽出するのではなく、人工的に甘味を合成した甘味料を「人工甘味料」と呼びます。例えば、人工甘味料の中でも使用頻度が高いアスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)は、製薬会社が薬品を製造する過程で発見したアミノ酸由来の強い甘味成分で、工場で化学的に作られます。少ない量で強い甘味を発揮するものが多く、砂糖の摂取量を減らすことができます。

甘味料がすべて危険というわけではない

 「甘いものは体によくない、歯にもよくない」というイメージが強いため、甘味料に対して否定的に捉える人も少なくありません。しかし、砂糖は天然のさとうきびやテンサイなどの植物を煮詰めて作りますし、適度に摂取すれば、身体に必要な糖質を効率よく摂ることができます。

 また、人工甘味料も、すべて危険とは言えません。市場に出回っている人工甘味料は安全性が確かめられたものばかりですので、過剰に摂取さえしなければ、健康被害を引き起こすことはないのです。

健康に良い食べ物でも過剰な接種は禁物

 健康に良いといわれる食べ物であっても、大量に食べることは健康に良いことではありません。例えば健康に良いというイメージが強いトマトは、しばしばテレビや雑誌でも特集が組まれるほど体に良い成分がたくさん入っています。しかし、トマトが体に良いからと言ってトマトばかり食べていると、トマトに含まれている酸が胃壁を刺激して、吐き気や下痢、胃のけいれんなどを招いてしまうことがあります。

 また、トマトに含まれる成分の中でも健康に良いことで知られるリコピンも、過剰に摂取すると発疹などのアレルギー症状を引き起こすことがあります。健康に良いとされている食べ物でも偏って摂取すると健康被害を引き起こしますので、砂糖や人工甘味料などの特に健康に良いとされていない食品は、なおさら量が多くなりすぎないように注意するようにしましょう。

過度の甘さに慣れてしまうことは危険

 人工甘味料は、天然由来の甘味料よりも少量で強い甘味があります。そのため、人工甘味料の甘さに慣れてしまうと、どんどん甘味に対する味覚が麻痺してしまい、さらに強い甘味を求めるようになる恐れがあります。また、砂糖には依存性があるため、甘味が不足すると食事に満足を覚えられないようになってしまいます。

 過度の甘さに慣れてしまうと、適度な甘さでは満足が得られず、砂糖や人工甘味料を過剰に摂取するようになるでしょう。例えばドレッシングやコーンシロップなどに含まれている果糖は、過剰に摂取すると肝臓に脂肪球を作り、内臓脂肪となって蓄積されます。しかし、過度の甘味を必要とするようになっていると、知らず知らずのうちに内臓に脂肪が蓄積してしまいます。蓄積した脂肪により、糖尿病や心臓病などの病気に罹患しやすくなることもあるのです。

ゼロカロリーの食べ物は本当にゼロカロリー?

 人工甘味料は、カロリーがまったくないわけではありません。しかし、ごく少量で強い甘味を発揮しますので、一食に含まれるカロリーが1kcal未満になることがあります。食品表示法では1kcal未満の食品はゼロカロリーと表示できますので、厳密にはゼロカロリーでなくても、ゼロカロリーと表示されます。

 例えばコーヒーや紅茶などは、そのままで飲めばゼロカロリーの飲料です。しかし、砂糖やミルクを加えれば砂糖やミルク分のカロリーを摂取することになり、カロリーを制限している人にとっては好ましいことではありませんよね。一方、一食分のカロリーが 1kcal未満の人工甘味料を加えればいかがでしょうか。コーヒーや紅茶全体も1kcal未満の飲料になりますので、ダイエットなどでカロリーを制限しているときも、安心して飲めますね。

ほぼゼロカロリーの甘味料で味が付けられている

 1kcal未満の人工甘味料と元々カロリーがほとんどないゼリーなどに混ぜると、カロリーが1kcal未満の食べ物を作ることができます。つまり、世の中で売られているゼロカロリーの食べ物は、カロリーが元々少ないゼリーやコーヒーなどの食品にカロリーが0kcalに近い人工甘味料を合わせたものであることが多いのです。カロリーがないという安心感から、ダイエットをしている人たちに好まれます。

ゼロカロリーの食べ物は危険なのか?

 ゼロカロリーだと表示されてドラッグストアなどで販売されている食品は、そのほとんどが、安全だと認められた人工甘味料がゼリーやコーヒーなどの元々カロリーが低い食品に添加されたものです。いたって安全な成分だけが使用されていますので、ゼロカロリーの食べ物を食べたからといって、健康被害が生じるわけはありません。

 しかし、ゼロカロリーの食べ物は危険だと考える人は少なくありません。インターネットや健康雑誌などでは、ゼロカロリーの食品の危険性を訴える記事が頻繁に出ています。なぜ、ゼロカロリーの食べ物は危険だといわれているのでしょうか。

人工甘味料の持つ中毒性が危険

 先程も述べましたように、甘味には中毒性があり、甘味に慣れてしまうと、どんどん強い甘味を欲するようになります。そのため、人工甘味料が入った甘味の強い食品を食べると、さらに強い甘さを求めたり、大量に食べたいと思うようになったりすることがあるのです。

 砂糖が入った食品なら、たとえ「たくさん食べたい」と思っても、「カロリーが高いから少量にしておこう」と自制する気持ちが働くでしょう。しかし、ゼロカロリーの食べ物なら、どんなに食べてもカロリー過多になることはありませんから、安心して大量に食べてしまうこともあります。ダイエットをしたいという思いから、人工甘味料中毒になってしまうこともあるのです。

人工甘味料自体が危険

 現在、市販されている食品に含まれる人工甘味料は、安全性が確証されたものばかりです。しかし、過去に使用されていた人工甘味料の中には、例えばチクロやズルチンのように、一度は安全だと出回っていたのに、後になってから発がん性や催奇形性が発見されて使用が禁止されたものも少なくありません。今後も、現在使用されている人工甘味料が本当は危険であるということが発見されないとは言い切れないのです。

人工甘味料を摂りすぎないように注意しよう

 人工甘味料=危険、というわけではありません。しかし、強い甘味に慣れてしまうことや依存してしまうことは、健康被害を招くおそれがあります。また、人工甘味料にまったく問題がないのかどうかも、確実な形で言い切ることはできません。

 栄養のバランスが取れていることが、健康的な食生活には何より大切です。甘味に偏りすぎないよう、今一度、食生活を見直してみてはいかがでしょうか。

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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