カロリーやアルコールを避けたい人にとっては、「ノンカロリー食品」や「ノンアルコールビール」は理想的な機能性食品です。しかし、「ノンカロリー食品」や「ノンアルコールビール」にはあまり好ましくない添加物が含まれていることがあります。どのような添加物が入っている可能性があるのか、また、どのような危険性があるのかについてまとめました。
ノンアルコール飲料とノンカロリー食品に含まれる人工甘味料
ダイエットすることが当たり前の現代において、「カロリー=悪者」と思い込んでいる人も少なくありません。しかし、カロリー摂取を避けている人の味方の「ノンカロリー食品」には、高カロリー食品である砂糖の代わりに「人工甘味料」が配合されています。また、近頃種類が増えてきた「ノンアルコールビール」にも、糖質を控えたい人のために「人工甘味料」が添加されていることが多いです。
2つの種類の人工甘味料
砂糖やはちみつなどは、元々甘みをつける目的で使用されます。しかし、人工的に抽出あるいは生成した甘みを付加する調味料もあり、そのような人工的な調味料を総称して「人工甘味料」と呼ぶことがあります。尚、人工甘味料を、砂糖の代わりに用いるものという意味で「代用甘味料」と呼ぶことも少なくありません。
天然甘味料
人工甘味料はさらに2つの種類に分けることができます。1つは、天然成分由来の人工甘味料です。例えば漢方にも使われるカンゾウ(甘草)は、その名の通り甘みが強い植物です。そのため、カンゾウの甘み成分だけを抽出し、天然由来の人工甘味料(天然甘味料)として使われることもあります。
また、ステビア属の多年草植物にも、甘み成分が多く含まれています。ステビア属の植物から抽出した甘み成分を「ステビア」と呼び、天然由来の人工甘味料として使うこともあるのです。
天然甘味料は、いずれも砂糖と同じく天然由来の調味料です。しかし、元々甘みをつけるために使われていたのではないということが、砂糖やとうきび糖、はちみつなどとは異なります。
合成甘味料
甘み成分を化学的に生成したものは、人工甘味料の中でも「合成甘味料」と呼ばれます。砂糖や天然甘味料とは異なり植物由来ではありませんので、工場的に大量生産できることが特徴とも言えるでしょう。代表的なものとしては、アスパルテームやスクラロース、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)などがあります。尚、商品によっては、合成甘味料のことを「人工甘味料」と呼び、天然甘味料と区別することがあります。
人工甘味料を含まないノンアルコールビールもある
ノンカロリー食品には甘みをつけるために人工甘味料が含まれていますが、ノンアルコールビールの中には人工甘味料が添加されていない商品もあります。とはいえ、人工甘味料の中でも合成甘味料を含んでいないという意味であることが多いですので、「人工甘味料不使用」と記載されていても天然甘味料は配合されていることが一般的です。
注意すべき合成甘味料とは
人工的に作られた甘味料の中でも、「天然甘味料」に分類される甘味料は原料も安全な植物ですので、健康に害を与えることはありません。しかし、化学的に工場で製造される「合成甘味料」は、次の点で注意が必要だと言えるのです。
甘みが強すぎる
砂糖による甘みを1とすると、アセスルファムカリウムの甘さは約200、アスパルテームの甘さは100~200もあります。少量で強い甘みを補給できるため、調整して添加しても甘みが強くなりすぎてしまうこともあります。習慣的に合成甘味料が入った食品を摂取していると、甘みに舌が慣れてしまい、甘味料や砂糖の摂取量が徐々に増えてしまうことあるのです。
発がん性
合成甘味料の1つ、サッカリンは、発がん性があることが指摘されて来ました。日本ではサッカリンを添加物として食品に入れることは禁じられていますが、海外ではサッカリンが入った食品が流通していることもあります。海外で食品を購入するときは、成分表示にも注目するようにしてください。
糖尿病の発症
人工甘味料を継続して摂取することで、糖尿病になりやすくなるという研究もあります。しかし、厚生労働省では、健康に害を与えると思われる量の人工甘味料が使われることはないと判断し、アスパルテームやアセスルファムカリウムなどの合成甘味料の使用を禁じてはいません。
情報を鵜呑みにしないようにしよう!
特定の物質が「発がん性物質」や「糖尿病を引き起こす物質」であると聞くと、絶対に摂取を避けなくてはいけないと考えがちです。しかし、健康に害がない物質であっても、大量摂取を長期的に続けていると栄養素の偏りから何らかの健康被害を招くことがあります。メディアの情報を鵜呑みにして極端に反応するのではなく、厚生労働省などの信頼できる情報源から得られる正確な情報を参考にするようにしましょう。