ビタミンやミネラルに富み、腹持ちの良さが特徴のバナナ。気軽な栄養補強として、忙しいときの朝食として、バナナを日常的に食べている方も多いのではないでしょうか。しかし、バナナには、栄養補給以外にも素晴らしい効果がたくさんあります。特に、ダイエットやうつ病など、現代人のニーズに合う優れた効果もあることが分かってきています。バナナの魅力についてまとめてみました。
便秘を防ぐ!2種類の食物繊維が含まれるバナナ
便秘は、さまざまな身体の不調をもたらします。便秘が長引くと身体がだるく感じますし、吹き出物が出たり、お腹が張ったりと、不快な症状がたくさん現れます。また、身体に老廃物が溜まりますので、食欲不振や体重増加なども現れます。心身の健康を保つためにも、便秘は解消しておきたいですよね。
便秘解消に役立つ栄養素と言えば、食物繊維です。食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2つの種類がありますが、いずれも食物繊維も便秘解消には必要な成分です。バナナには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれますので、便秘を解消したい人には特におすすめの食品と言えるのです。
水溶性食物繊維の効果
水溶性食物繊維とは、その名の通り、水で溶ける食物繊維です。水に溶けて食べたものを包み込みますので、消化・吸収を遅らせ、小腸で過剰に栄養分が吸収されないようにしてくれます。ダイエットを目指すなら、水溶性食物繊維をしっかりと摂って、不要なカロリーが体につかないようにしたいですよね。
不溶性食物繊維の効果
一方、不溶性食物繊維は、腸の働きを活発にし、食べたものを体外に排出する作用を活発にします。また、水に溶けにくいため、水を含んで容積を増やし、便として排出されやすくするという効果もあります。なお、実際には、不溶性食物繊維は水にまったく溶けないというわけではありません。水に一部は溶けますので、不溶性食物繊維ではなく「難溶性食物繊維」と呼ぶこともあります。
バナナはビタミンが豊富な果物
バナナには、ビタミンが豊富に含まれています。特にビタミンB1とビタミンB2が多く含まれており、不足しがちなビタミン補給のためにもおすすめの食品と言えるのです。
ビタミンB1でエネルギーを作ろう
ビタミンB1は、糖質が熱量に変わるときに不可欠な栄養素です。つまり、ビタミンB1が不足すると、糖質が熱として消費されず、脂肪として蓄積されてしまうのです。食べたものをしっかりと燃やすためにも、ビタミンB1をしっかりと摂取しておきたいですよね。バナナ1本には、ホウレンソウの約3分の1のビタミンB1が含まれています。食べたものを熱に変えるためにも、ビタミンB1が不足しないように注意しましょう。
発育と再生に不可欠なビタミンB2
ビタミンB2も、糖質やタンパク質などをエネルギーに変える補酵素としての役割があります。脂肪蓄積を予防したいなら、ビタミンB1だけでなくビタミンB2も積極的に摂取したいですよね。
また、ビタミンB2には、発育を促進させる働きや細胞を再生させる働きもあります。お子さんの健やかな成長のためにも不可欠ですし、いつまでも若々しく健康的に暮らしたいすべての人にも不可欠な栄養素と言えるのです。バナナには、ビタミンB2がピーナッツ約60粒分も含まれています。手軽にビタミンB2が補給できるバナナを、子供の発育や大人のアンチエイジングに役立てていきましょう。
生活習慣病を予防するポリフェノールも豊富
シミやシワが増えるのは、身体の中が錆びること、つまり、体内で活性酸素による酸化が進行してしまうことも理由の1つです。ポリフェノールには活性酸素を不活性にする「抗酸化作用」があり、エイジング抑制効果も期待できます。
また、ポリフェノールには、アンチエイジングだけでなく、生活習慣病を予防する効能もあります。活性酸素が必要以上に増えると正常な細胞に攻撃をかけ、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病になりやすい状態を作ってしまいますが、ポリフェノールの抗酸化作用で活性酸素が適度に取り除かれると、生活習慣病のリスクを下げることも可能なのです。
バナナには、1本あたり約1.1グラムのポリフェノールが含まれています。ポリフェノールは1日に1~1.5グラム摂取することが望ましいと考えられていますので、バナナ1本食べれば、1日に必要なポリフェノール量をほとんどすべて摂取できます。アンチエイジングのためにも、生活習慣病予防のためにも、積極的にバナナを食べたいですね。
バナナでうつ病予防が可能?
活動しているときに働く交感神経と休息時に働く副交感神経のバランスを「自律神経」と言いますが、自律神経が乱れていると、目覚めが悪くなったり、身体のだるさや疲れが抜けきらなくなったりするようになります。一日中不快なまま過ごすことで、気分が滅入り、うつ病になることもあるでしょう。
自律神経のバランスを整えるためには、ホルモンの一種、セロトニンの分泌が不可欠です。セロトニンは、体内時計を調整するホルモンとしても知られています。セロトニンがしっかりと分泌されることで、身体のリズムが整い、朝はしっかりと目覚め、夜は質の高い睡眠を得られるのです。バナナにはセロトニンの分泌を促すアミノ酸「トリプトファン」が豊富に含まれています。快適に一日を贈るためにも、バナナを生活に取り入れていきたいですね。
セロトニン分泌のためにできること
トリプトファンを摂取することも、セロトニン分泌には不可欠な要素です。しかし、他にも、セロトニン分泌を促す方法はいくつかあります。まず1つ目としては、朝目覚めたらすぐに明るい日に当たることを挙げられます。日の光をしっかりと体に浴びることで、セロトニン分泌が促進され、身体のリズムも整いやすくなるのです。
また、就寝時間や起床時間、食事の時間を一定にすることも、セロトニン分泌を促す要素になります。生活リズムが整うことで、夜に深い眠りが得られるようになり、朝の目覚めが爽快になり、適度なセロトニン分泌が期待できるのです。
意外とカロリーが低いのもバナナの魅力
「バナナはおいしいけれど、カロリーが高い」と敬遠している人もいるのではないでしょうか。しかし、実際には、バナナは100グラムあたりわずか86kcalですので、中くらいのサイズで80~100kcalしかありません。1本全部食べても、お茶碗の半分量のご飯や何もつけないトースト半分(6枚切り)のカロリーしかないのです。
ご飯やトーストは、そのまま食べるのはちょっと寂しいですよね。おかずやバター、ジャムなどが欲しくなり、ついカロリーも増えてしまいます。しかし、バナナなら、それ1本でも充分においしく食べられます。しかも、ご飯やトーストではビタミンやミネラルが不足してしまいますが、バナナにはビタミンやミネラルが豊富ですので、バナナ単品でバランスの良い食事が可能です。朝ごはん代わりにバナナを1,2本食べるのもおすすめです。
食生活にバナナを加えていこう
バナナには体に良いさまざまな成分が含まれているだけでなく、病気の予防やダイエットなどの嬉しい効果が期待できます。普段の食生活にバナナを取り入れていきたいですね。しかし、栄養は、さまざまな食材から摂ることも大切です。バナナ以外の食品もバランスよく食べ、健康増進に役立てていきましょう。