朝はトーストにオレンジジュース、ヨーグルトというようなご家庭も多いのではないでしょうか。日本の食の欧米化が進んでいるだけでなく、日本の伝統的な「ご飯と味噌汁、焼き魚、野菜の副菜」というような食事は忙しい朝に準備するのが大変であることもあり、朝は簡単にパンで済ませる家庭が増えているようです。
もちろん、時代の流れに合わせて、ある程度食生活が変化するのは当然のことです。共働きの家庭が増え、朝食の準備に長い時間を取れなくなってきたのも仕方のないことです。しかし、最近、パン食はガン発生率が高くなるとの意見も耳にしたことはありませんか?もし、これが本当なら、健康が気になる方やお子さんがいる方は、いくら時間が無くてもちょっと聞き逃すことはできませんよね。一体どのような根拠で、パン食はガン発生率を高めると言われているのか探っていきましょう。
欧米型の食事では乳がん率が急上昇
国立がんセンターでは、欧米型の食生活は乳がんのリスクを32%も高めるということを報告しています。
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3809.html
反対に、味噌汁にはがんを抑える効果があると発表しています。国立がんセンターでは、日本食に欠かせない味噌汁を1日に2杯以上飲むと、乳がんの積極的な予防効果が得られると発表しています。また、1日に3杯以上飲むならば、乳がんの発生率は40%も減少するとも報告しているのです。
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/258.html
輸入される小麦に使用される農薬は数十倍
欧米型の食生活による乳がんの発生率の問題だけではありません。小麦に使用される農薬の問題もあります。米はほぼ100%が日本で生産されていますが、小麦は約9割を輸入に頼っています。栽培するときに農薬が使用されるだけでなく、輸入作業をする際に殺虫剤や防かび剤などのポストハーベスト(収穫後に使用する農薬)も使用されます。そのため、日本国内に出回っている小麦はもちろん、小麦の原産国内で通常出回っている小麦よりも、輸入される小麦は明らかに使用されている農薬量が多いと言えるのです。
このポストハーベスト農薬は、通常畑で使用される農薬の数十倍もの濃度で使用されます。しかも、ポストハーベストの成分にはOPP、TBZ、2.4-Dなどの薬品が使われており、いずれも発ガン性物質かつそれ自体が劇薬でもあります。これらのポストハーベストの農薬の中には、日本では危険すぎて認可されていない農薬も含まれています。農薬を散布する人すら防毒マスクと保護服を着ないと仕事ができないほどの劇薬を、食べ物である小麦に直接振りかけているのです。
パンと一緒に食べるものにも発がん性があるものが多い
危険なのは輸入小麦だけではありません。パンの周りにも危険な食品はたくさん潜んでいます。例えば、食パンを食べるときは、マーガリンやバターをつけることが一般的です。マーガリンはトランス脂肪酸を含む食品としてよく知られています。アメリカでは2018年6月以降はトランス脂肪酸を食品に添加することが禁じられるようになるなど、トランス脂肪酸は危険な物質として認識されています。また、トランス脂肪酸を大量に摂取すると、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えてしまい、心臓病に罹患するリスクを高めることが分かっています。
パンと一緒にヨーグルトを食べたり、牛乳を飲んだりすることも多いでしょう。これらの乳製品にも危険が潜んでいます。例えば、バターやヨーグルト、牛乳などの乳製品は、摂りすぎるとガンを引き起こす可能性があるといわれています。もちろん、適量を食べることには問題はありませんが、パン食には乳製品が合いますので、ついついたくさん食べることになってしまうのです。
さらに、昼食や夕食にパンを食べるときは、メイン料理も洋食になることが多いです。ハムやソーセージなどの添加物が多く含まれた加工肉も、パンと一緒に頻繁に食卓に上ることになります。世界保健機構(WHO)では「加工肉を毎日50グラム食べると大腸癌のリスクが18%増加する」と発表していますので、加工肉を食べる機会はなるべく少なくしたいものです。
発ガン率以外にも、小麦粉の中のグルテンが体に悪影響をもたらす
小麦粉にはグルテンという物質が含まれています。このグルテンは過敏症を起こすことがあり、お腹の不調や疲労、頭痛、関節リウマチ、めまい、不妊、自閉症、ADHDなどのさまざまな症状として現れるとされています。アメリカではグルテンによる過敏症の人は人口の15%ほどにものぼるといわれているほど、一般的な病気として認識されています。日本人に至っては、もともと米食文化のために国民全体の8割ほどがグルテン過敏症だとも言われています。グルテン過敏症を引き起こしている原因として、遺伝子組み換えの小麦を使用していることと関係があるのではと考えられています。
また、小麦はアレルギーを引き起こす三大食品(小麦以外としては卵と乳が挙げられる)の1つでもあります。特に乳幼児は、小麦に対してアレルギー症状を示す確率が高いです。食品アレルギーの症状としては下痢や嘔吐、かゆみ、発疹などの比較的軽いものから、生命の危機をもたらす可能性があるアナフィラキシーショックなどの重いものまでありますが、小麦は食物依存性運動誘発アナフィラキシーの最多原因食品としても知られています。
この食物依存性運動誘発アナフィラキシーとは、アレルギーの原因となる食品を摂取してから数時間以内に運動をすると突如としてアナフィラキシーショックが現れることを指しています。つまり、小麦を食べてから数時間は、身体をむやみに動かすことも危険だと言えるのです。
その他にも、小麦アレルギー独自の症状や病気として、Baker’s Asthmaやセリアック病などがよく知られています。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004727295
http://www.jcpa.or.jp/qa/a2_07.html
セリアック病はグルテンに対してアレルギーが起こる病気で、小腸に炎症が起こり、栄養を吸収しづらくなってしまいます。セリアック病が重症化するとガンを引き起こすこともありますので、「たかがアレルギー」などとは言えないとても恐ろしい病気なのです。
http://ci.nii.ac.jp/naid/500000139350
http://www.nihs.go.jp/library/eikenhoukoku/2014/047-056.pdf
まとめ
もともと日本人は米を中心に食べていた民族です。ですが、戦後になって食の欧米化が進み、朝食の食卓にはパンが並ぶ家庭が増えてきました。特にお子さんがいる場合には、簡単に調理でき簡単に食べられるパン食を選ぶ家庭が、朝食にご飯を食べている家庭よりも多いのではないかと考えられます。
また、学校給食にもパンは頻繁に出ますし、主食のパンに合わせて加工肉や乳製品のメインディッシュや副菜も登場します。おやつに市販の菓子パンを食べるお子さんも多いのではないでしょうか。もちろん小麦を使った食品はパンだけではありません。うどんやパスタなどの麺類、お好み焼きやたこ焼きなどのいわゆる粉モノ、クッキーやケーキなどの洋菓子、ピザやホットケーキなどの軽い食事等、私たちが毎日食べる食品の中には、非常に多くの小麦製品が含まれているのです。
近年は多くの小麦を食べていると言っても、歴史的に見てみると日本人は欧米人よりも小麦に慣れておらず、小麦に対して身体が過敏な反応を取る可能性は高いと言えます。もちろん、小麦だけではありません。動物性脂肪の多い食事や加工肉、乳製品などの洋食全般についても、欧米人と比べると身体が慣れておらず、アレルギー症状や他の疾病に罹患するなどの過敏な反応が出てしまいやすいと言えるでしょう。
大切なお子さんをガンなどの病気から守るためにも、ガン発生率を高める危険性の高いパン食より、日本古来の伝統的な食事である米食をもう一度見直してみるのはいかがでしょうか?味噌汁などのガン罹患率を積極的に下げる食事もあります。身体のためにも、日本食の良さを再認識して見ましょう。