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カビたパンはカビを取れば食べられる?意外と知らないカビの恐怖。

 少し放置しておくだけで、カビがパンに生えてしまうことがあります。緑色や白色のカビは大抵固まって生えていますので、その部分だけを取り除けば食べられるのでしょうか。カビが生えるメカニズムとカビが生えてしまった食べ物の取り扱い方についてまとめました。

カビの胞子はどこにでも飛んでいる

 特別な状況にならなくてもカビは生えます。数日置いておいたミカンやパン、お餅など、いろいろなものにカビは生えるのです。カビの胞子は大気中のさまざまな場所を飛んでいますので、どこに置いてあるものでも、真空状態でない限りカビが生える可能性があるのです。

カビは糖分やでんぷんが好物!

 カビは、糖分やでんぷんが好物です。空気中に浮遊するカビの胞子が糖分やでんぷんを含んだパンやお餅、ミカンなどに付着すると、急速に増殖し、白や緑色の固まりとなって目に見えるようになります。

 しかし、カビの種類によっては、糖分やでんぷんがあまり入っていない食べ物でも増殖することがあります。野菜やお米、豆類などにも付着して増殖し、食べ物を変色させたりネバつきが発生したりすることがあるのです。

低温に保管しているものでも生える

 大抵のカビは、温度が高い場所で増殖しやすくなります。しかし、温度が低い場所でもカビは増殖します。温度が5℃以上であれば大抵のカビは増殖しますので、冷蔵庫の庫内温度が5℃以上のときは、冷蔵庫を開け閉めするときにカビの胞子が入り込み、食べ物に付着してカビが増殖することもあるのです。

カビの見えている部分だけに毒性があるのではない

 食べ物の表面についた白や緑のカビ。目に見えるカビは、食べ物内のカビのごく一部にしか過ぎません。白や緑の部分を中心として、すでに食べ物全体にカビの胞子が張り巡らされているのです。

 つまり、目に見えるカビの固まりを取り除いたとしても、食べ物の内部にはすでにカビの胞子が大量に増殖していますので、カビを完全に取り除いたことにはなりません。白や緑のカビが付着した部分にももちろんカビの毒がありますが、目に見えるカビを取り除いた残りの部分にも、カビの毒は充満しているのです。

カビの毒は加熱しても洗ってもなくならない

 カビの毒は、加熱してもほとんど減りません。「パンにカビがついていても、焼けば食べられる」と考えている方もいますが、実際には加熱してもカビの毒は減りませんので、焼いたパンを食べてしまうと、カビの毒を大量に体に摂り入れることになってしまうのです。

 また、カビの毒は、丁寧に洗ってもなくなりません。「カビでネバついた野菜でも、洗ってネバつきさえ落とせば食べられる」と勘違いしている方もいますが、野菜内部はすでにカビの胞子で充満していますので、どんなに洗ってもカビの毒を体に摂り入れてしまうことになるのです。

カビを生えさせない保存方法

 カビが一旦増殖すると、その食べ物全体がカビに毒されます。カビの固まりを取り除いても過熱しても洗っても無駄ですので、カビが少しでも付着した食べ物は捨てざるを得ないのです。食べ物にカビを増殖させない方法について探っていきましょう。

1.冷所で保管する

 カビは20~30℃の常温でもっとも増殖しやすくなります。冷蔵庫の中でも増殖することはありますが、常温に保管するよりはカビが発生する時期を遅らせることができます。真空状態にない食べ物は、なるべく冷蔵庫の中で保管するようにしましょう。

2.湿度の低いところで保管する

 カビは湿度が80%以上ある場所で増殖しやすくなります。水周りや低い場所など、湿度が高くなりやすい場所に食べ物を保管しないようにしましょう。

カビが生えたものを食べるとどうなる?

 カビが生えた食べ物やカビ毒に侵された食べ物を食べると、次の3つの害を引き起こすことがあります。

1.アレルギーを引き起こす

 カビの生えた食べ物を体内に取り入れると、アレルギー症状が引き起こされることもあります。皮膚に赤みが出たり、喉の粘膜に痒みが出たり、場合によっては、呼吸困難や意識混迷などの重篤な症状が出ることもあります。

2.食中毒を引き起こす

 腹痛や嘔吐などの食中毒症状が出ることもあります。激しい嘔吐や下痢により、出すい症状が起こることもあるでしょう。

3.ガンの原因になることも!

 カビから発生する毒を体内に取り入れることが、ガンの原因になることもあります。カビが生えた食べ物は適切に廃棄し、カビやカビの付着した食べ物に触れた手は、石鹸を使って丁寧に洗いましょう。

長期保存したい食べ物は冷凍庫へ

 庫内が5℃未満に保たれた冷蔵庫であっても、開閉の度に温度が一時的に上昇しますので、カビが増殖する環境になってしまうことがあります。長期保存したい食べ物は冷凍庫に入れ、冷凍保存できない食べ物はなるべくすぐに食べるようにしましょう。

参考:
食品安全委員会「暑い季節はかびにも注意!」
山崎製パン「パンのカビ発生メカニズムと保存試験の結果について」

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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