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マクロビオテックとは?どのように身体によいか。

 近頃よく耳にする“マクロビオテック(マクロビオティック)”。何やら健康に良さそうなイメージがありますが、実際のところはどのように健康に良いのでしょうか?マクロビオテックとは何か、また、身体にどのような影響を与えるのかについてまとめました。

マクロビオテックとは

 マクロとは大きいこと、ビオは生命や自然、テックとは学問や術を指し、マクロビオテックとは“長寿食”を意味して使われます。西洋で始まった概念・言葉のイメージがありますが、実際にはマクロビオテックは日本の桜沢如一氏によって確立された概念で、日本古来の食事による養生にさまざまな原理を加えて作られたものです。

逆輸入で日本に広まったマクロビオテック

 桜沢氏によると、マクロビオテックとは正しい食事(正食)を指しており、継続することで身体が健康になり、結果として長寿が期待できます。桜沢氏はマクロビオテックを広めるために西洋を中心とした世界各地を訪れ、マクロビオテックの具体的な方法やマクロビオテックを用いた健康法を伝えました。現在は、西洋でマクロビオテックの概念が広がり、日本に逆輸入される形で伝わっています。

マクロビ食とは

 マクロビオテックを略してマクロやマクロビと呼ぶことがあります。マクロビオテックに基づいた食事を“マクロビ食”と言いますが、具体的にはどのような食事を指すのでしょうか?

玄米と旬の素材を使った味噌汁がマクロビ食の基本

 マクロビオテックでは、日本人が昔から食べていた食事を基本的な食事として位置付けています。つまり、玄米ご飯と旬の野菜や海藻類を用いた味噌汁がマクロビ食の根幹を成します。このようなシンプルな食事を続けてきた日本人が、食事の選択肢が増えることで生活習慣病を引き起こすようになったことを省み、本来の日本伝統食である玄米と味噌汁に回帰しようという流れがマクロビオテックなのです。

世界中の伝統食がマクロビ食の基本

 日本人には日本古来の伝統食、つまり、玄米ご飯と旬の素材を使った味噌汁がマクロビ食の基本となります。旬の素材を使った漬物を添えるのも、マクロビ食と言えるでしょう。しかし、日本以外の国においては、玄米ご飯や味噌汁・漬物は古来の伝統食ではありません。日本以外の国は日本の伝統食がマクロビ食になるのではなく、その国の伝統食がマクロビ食になるのです。

日本のマクロビ食のメリット

 日本人が日本古来の食事を食べる日本独自のマクロビ食。なぜ、玄米ご飯と旬の素材を使った味噌汁が日本人の身体に良いと言えるのでしょうか。

アミノ酸のバランスが良い

 米粒の胚乳(白米として食べる部分)よりも、糠としてそぎ落としてしまう胚の方にさまざまな栄養素が豊富に含まれています。特にアミノ酸がバランス良く配合され、わざわざ糠として捨ててしまうのはもったいないことが指摘されています。マクロビ食における主食である玄米は、アミノ酸が豊富に含まれた胚部分も一緒に食べますので、人間の代謝と健康に欠かせないアミノ酸をしっかりと摂取することができるのです。

食物繊維が豊富

 玄米には食物繊維も豊富に含まれています。人間が健康に暮らしていくためには、食べたものがしっかりと栄養として身体に取り込まれ、不要な物質が適切に排泄されることが大切です。食べたものを適切に排泄するために、食物繊維は欠かせません。第六の栄養素と呼ばれるほど健康に不可欠な成分である食物繊維を豊富に含む玄米を食べることで、身体の消化排泄のリズムが整い、健康に近づいて行くのです。

発酵食品を摂取できる

 日本のマクロビ食のメリットとして、味噌や漬物などの発酵食品をしっかりと摂取できるという点を挙げることができます。発酵食品には乳酸菌やペプチド(タンパク質がアミノ酸に分解される過程の成分。腸管で吸収されやすい)が豊富に含まれており、発酵していない食品だけでは摂取しにくい成分を摂取することができます。

マクロビ食は世界の食物事情も変える?

 マクロビ食は、地産地消(その土地で作られたものを食べる)の考え方にも通じるものがあります。毎日、肉を食べることが悪いことではありませんが、肉牛や食肉用の動物を育てるために必要な飼料(穀物)は莫大な量となりますので、それらの穀物を食糧が不足する地域に回すことができれば、世界の飢えの解消にもつながると考えられます。もちろん、食品の輸出入や家畜を減らすことで新たな貧困や問題を生みますが、マクロビ食を始めることで世界の食物事情が何らかの形で変わることは事実です。

シンプルな食事の良さを発見しよう

 毎日豪華な食事をすることは悪いことではありませんが、食事に含まれる脂肪分や塩分が生活習慣病に導く可能性は否めません。玄米と味噌汁が基本のシンプルなマクロビ食を(たとえ時々であっても)実践することで、食と健康を見直す1つのきっかけにし、より健康な身体を目指してみてはいかがでしょうか。

参考サイト:
正食協会「マクロビオティックについて」
厚生労働省「食物繊維の必要性と健康」

著者情報

ママモル編集部

子供の健康を守る米国のサイト『Safbaby』が運営するウェブマガジン『ママモル』の編集部です。

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