健康食品売り場でよく目にする“マヌカハニー”。普通のハチミツとは何が異なるのでしょうか。マヌカハニーとは何か、また、マヌカハニーが持つ驚くべき効果についてまとめました。
マヌカハニーとは
マヌカハニーとは、ニュージーランドのみに原生する“マヌカ”の花の蜜を西洋ミツバチが採取したハチミツのことです。ニュージーランドでは古来マヌカの葉を薬として利用してきましたので、マヌカの花の蜜を集めて作られたマヌカハニーも、薬としての効果がある食品として珍重されてきました。
マヌカとミツバチの出会い
元々、ニュージーランドには野生のミツバチはあまり多くいません。そのため、マヌカを利用する歴史は古くても、マヌカハニーを食用する歴史は長くはないのです。19世紀の初頭にイギリス人によってミツバチとミツバチによるハチミツがニュージーランドに広められ、マヌカハニーが作られるようになりました。
マヌカハニーは何が他のハチミツと異なる?
すべてのハチミツには、“抗菌効果”が認められます。ハチミツを水で薄めると殺菌消毒剤としても使われる過酸化水素を発生し、すぐれた抗菌効果を発揮するのです。もちろん、マヌカハニーもすぐれた抗菌効果を発揮します。しかし、マヌカハニーの抗菌効果は、過酸化水素由来の抗菌効果だけではないのです。
過酸化水素を分解させても抗菌効果を発揮するマヌカハニー
水で薄めたハチミツにカタラーゼを加えて過酸化水素を分解すると、抗菌効果が見られなくなったり、減少してしまったりすることが一般的です。そのため、ハチミツを食べるとある程度の抗菌効果を期待できますが、肝臓や腎臓に含まれるカタラーゼによって過酸化水素が分解されると、抗菌効果は期待しにくくなってしまうのです。
しかし、マヌカハニーは異なります。過酸化水素をカタラーゼで分解した後も、すぐれた抗菌作用を発揮するのです。マヌカハニーには過酸化水素に因らない抗菌効果がありますので、体内に摂り入れた後も継続して抗菌作用が続くことを期待できるのです。
ピロリ菌の除菌効果も!
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の中に生息する短桿菌です。普段は人体に作用を及ぼしませんが、感染すると胃炎を引き起こし、ストレスなどの身体にとって悪影響を及ぼす環境が整うと、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃ガンを引き起こすこともある有害菌でもあるのです。
マヌカハニーの抗菌作用は、強酸性の胃の中でも発揮されます。実験では、マヌカハニーを5~40%の濃度に薄めても、胃の中のピロリ菌を除菌することが観察されています。
マヌカハニーの選び方
体内の有害菌を殺菌する効果に優れるマヌカハニー。しかしながら、マヌカハニーは工場で生産する食品ではなくミツバチとマヌカの花によって生産される自然食品ですので、製品ごとの品質の違いは大きいと言わざるを得ません。次の方法で、抗菌効果がきちんと作用するマヌカハニーを選ぶようにして下さい。
UMFをチェック
マヌカハニーの容器には、UMF(Unique Manuka Factor)が記されています。これは、マヌカハニーが持つ抗菌度を示す数値で、例えばUMFが10なら、濃度10%のフェノール溶液と同等の抗菌効果を発揮します。なお、UMFが4未満のマヌカハニーはマヌカハニーと呼ぶことができない決まりになっており、商品ラベルにも単にハニー(ハチミツ)としか記載することができません。UMFが高ければ抗菌効果も高くなりますので、抗菌効果を期待してマヌカハニーを購入するときはUMF値が高いものを選びましょう。
マヌカハニーの使い方
強い抗菌効果を持つマヌカハニー。主に次の2つの方法で使用します。
飲用する
マヌカハニーは水に薄めて飲用することで、体内に生息する有害菌を除菌することが期待できます。また、水で薄めずにそのまま少量を飲用し、体内に潜むピロリ菌を除菌した例もあります。もちろん、マヌカハニーを1回飲用するだけで有害菌が除菌されるわけではありませんので、除菌されたことが確認されるまで継続的に飲用する必要があるでしょう。
ピロリ菌などの有害菌とは関係なく、ストレスやその他の理由によって胃炎が起こっているときにもマヌカハニーは有効です。胃が痛むときや腹部の張り、下痢気味などの胃を含む消化器系の不調に、マヌカハニーをそのままもしくは薄めて飲用することがすすめられます。
患部に直接塗る
マヌカハニーの抗菌効果は、過酸化水素に因らずに発揮されます。そのため、水で薄めて過酸化水素を発生させなくても、充分に強い抗菌作用を示します。例えば、歯周病に罹患した歯茎や皮膚炎の患部に直接マヌカハニーを塗ることで、症状の回復や痛みの軽減を期待することができるのです。
家庭に1つ、マヌカハニー
単に甘みをつける以上の効果が期待できるマヌカハニー。口当たりが良いので、お薬が苦手な子どもなどに飲用させることも可能です。ただし、ハチミツにはボツリヌス菌が含まれていることがありますので、消化器系統が充分に発達していない乳児には与えないようにしてください。
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