健康食品の中でも最近とりわけ注目を集めている“マヌカハニー”。ニュージーランドだけに原生する植物“マヌカ”の花の蜜をミツバチが集めたハチミツです。マヌカハニーの製品ラベルには数字が記載されていますが、この数字には何の意味があるのでしょうか。マヌカハニーを選ぶ指標ともなる数字についてまとめました。
マヌカハニーの抗菌効果を示す“UMF”
マヌカハニーの製品ラベルには、“UMF”という文字と数字が記載されています。UMFとはUnique Manuka Factorの頭文字で、マヌカハニーの特徴でもある抗菌力の強さを示す指標を示しています。なお、UMFはマヌカハニーだけに使われる指標ですので、他の食品やハチミツに用いられることはありません。
フェノール水溶液の濃度とUMF
UMFが10のマヌカハニーは、濃度が10%のフェノール水溶液(石灰酸水溶液)と同等の抗菌作用を示します。なお、UMFが4未満のときは、例えマヌカの花の蜜をミツバチによって採取したものであっても、マヌカハニーの名前を使うことはできません。
UMFとマヌカハニーのランク
マヌカの花の蜜から採取されるハチミツは、UMFの数字によって3つのランクに分けることができます。マヌカハニーを生産する会社によっては、異なるランク付けを採用することもありますが、ニュージーランド政府では以下のランク付けが採用されています。
UMFの数値 | マヌカの花の蜜から採取されたハチミツの呼び方 |
---|---|
4未満 | Honey(ハチミツ) |
4以上10以下 | Manuka Honey(マヌカハニー)もしくはActive Manuka Honey |
10より大きい | Active UMF10+ Manuka Honey |
UMFとマヌカハニーの使い分け
UMFが4未満のときはマヌカハニーを呼称することができませんので、市場に流通しているマヌカハニーはすべてUMFが4以上であると言えます。では、UMFの数字は大きければ大きい方が良いのでしょうか。UMFの数値とマヌカハニーの使い分けについて探っていきましょう。
UMFの数値が10未満のときは普段の健康管理用
UMFの数値が10未満のマヌカハニーは、普段の健康管理や健康維持の目的に適していると言えます。マヌカハニーを食べる習慣を付けたい人も、まずはUMFの数値が10未満のものから始めてみてはいかがでしょうか。
UMF10以上は医療目的で使う
胃の辺りの不快感解消や歯茎や皮膚の炎症解消などの目的でマヌカハニーを使う人は、UMFの数値が10以上のものを選ぶことをおすすめします。マヌカハニーは食品ですので医薬品には分類されませんが、胃の不快感や歯肉炎・皮膚炎などの解消に効果を発揮するケースも多く見られていますので、家庭の常備薬的食品として家庭に1つ置いておくのも良いかもしれませんね。
食物メチルグリオキサールの含有量を示す“MGO”
UMFはニュージーランド政府によって定められたマヌカハニーの表示法ですので、ほとんどすべてのマヌカハニーの製品ラベルに記載されています。一方、すべてのマヌカハニーではありませんが、“MGO”という文字が記載されているのを見かけることもあるでしょう。このMGOとは、マヌカハニーに含まれる“食物メチルグリオキサール”の略語で、食物メチルグリオキサールが1kg当たり何mg含まれているかを示しています。
MGOがあると過酸化水素除去後も抗菌活性を示す
ハチミツは抗菌作用を示しますが、基本的にはハチミツを水で薄めたときに発生する過酸化水素による抗菌作用です。しかし、マヌカハニーに含まれている食物メチルグリオキサールは、過酸化水素を除去する物質“カタラーゼ”を投入しても除去されず、抗菌作用を示し続けます。一般的に、マヌカハニー1kgには、食物メチルグリオキサールが20~800mg含まれています。
MGOの数値とおおよその選び方
MGOの数値によって、どのような人におすすめかが異なります。MGOでマヌカハニーを選ぶときは、次の表を参考にしてください。
MGOの数値 | どのような人におすすめか |
---|---|
30以上100未満 | 手軽にマヌカハニーで栄養補給したい人 |
100以上250未満 | 毎日マヌカハニーを食べることで健康維持を目指す人 |
250以上450未満 | 体調がすぐれないときにマヌカハニーを食べたい人 |
450以上550未満 | 健康維持だけでなく美容目的でマヌカハニーを食べたい人 |
550以上 | 食物メチルグリオキサールを積極的に摂取したい人 |
マヌカハニーを摂取するときの注意点
MGOやUMFの数値が高くなればなるほど抗菌作用を期待できますが、その分、どうしてもクセが強くなり食べにくくなってしまいます。マヌカハニーが初めての人は、まずはMGOやUMFの数値が低いものから試してみるようにしてください。
また、ハチミツにはボツリヌス菌が含まれていることがあり、乳児が摂取すると乳児ボツリヌス症を発症しかねません。消化器系統が未発達の乳児には、マヌカハニーなどのハチミツは与えないでくださいね。
化学薬品を減らしたい人にもマヌカハニー
化学的に製造された医薬品すべてが悪いわけではありませんが、ちょっとした痛みや炎症にでも化学薬品を使用する習慣がついているのは好ましいことではありません。マヌカハニーのような治癒効果が見られる自然食品を利用することで、化学薬品に頼りすぎない生活を実現していきましょう。
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