近年では、偏食や過食、運動不足やストレスなどが原因で、子供の肥満や糖尿病などの生活習慣病の増加が大きな問題となっています。こうした糖尿病などの生活習慣病の予防・改善のために、近年、医学的に推奨されているのが、「糖質」を制限する「ロカボ」と呼ばれる食生活なのです。
糖質とは?過剰摂取は糖尿病に
まず糖質とは、具体的にどのようなものでしょうか。それは、米やパンや麺に含まれるデンプン、果物に含まれる果糖、砂糖に含まれるショ糖などをいいます。実際に糖質を多く含む食品をあげてみますと、次のようなものがあります。
ご飯やパンや麺類などの主食、小麦粉や砂糖を多く含む甘いお菓子、果物、
イモ類、カボチャ、レンコン、トウモロコシ、大豆以外の豆類、
ジャム、おせんべい、ソース、砂糖、みりんなどの調味料。
糖質は腸で吸収されて血液といっしょに全身をめぐることで、エネルギー源となり体力アップや疲労回復に役立つ大切な栄養素。同じエネルギー源である脂質やたんぱく質よりも、すばやくエネルギーに変わる特徴があります。しかし、摂取しすぎると体の中で脂肪となって蓄積されやすく、肥満や生活習慣病を招く恐れがあります。さらに、食後の血糖値を急激に上昇させることから、糖尿病へのリスクを高めます。
生活習慣病の予防・改善に ロカボのすすめ
こうしたことから健康維持のために推奨されるのが、「糖質を上手に制限した食生活」。近年ではローカーボハイトレード(低炭水化物)を略して「ロカボ」とも呼ばれています。一回の食事の糖質摂取量を20g以上40g以下に制限、プラスおやつも10gまで糖質を制限。血糖値の上昇を意識的に減らすことで、脂肪がつきにくい体質になります。
糖質制限食 辛くならない工夫は?
では糖質40gとはどれぐらいの食事量になるのでしょうか。それは大体おにぎり一個分に相当します。しかし「一食がおにぎり一個なんて辛いし、栄養のバランスが悪い!」と思わず感じてしまいますね。しかし、食べ方や選ぶ食材に気をつければ、糖質を抑えながらも満足がいく食事ができます。上手に糖質制限を行うためには以下のようなことに気をつけていきましょう。
- ご飯、パン、麺、イモ類、菓子など、糖質を多く含む食品の摂取を控えて食べる量に気をつける。一方で糖質の低い食材、例えば「肉、魚、葉物野菜、ブロッコリー、アスパラガス、卵、海藻、キノコ、大豆製品、アボカド」などをきちんと摂取する。
- 血糖値上昇を抑えるために、繊維質の多い野菜を先に食べる。
(食事では、野菜→肉魚→主食のご飯やパン、の順に食べるとよい) - 最近は、糖質オフや糖質ゼロの製品が数多く開発されているので、上手に利用する。
開発が進む 糖質オフ&ゼロ食品
近年、食品メーカーが開発に力を入れる「糖質オフ・糖質ゼロ」の製品は、スーパーやコンビニやネットなどで多く販売され、気軽に入手できるようになりました。例えば。。。
- ラーメンやパスタに使えるおからとこんにゃくで作った「糖質0g麺」(紀文食品)
- 国産小麦粉でうどん本来のおいしさを実現した「本うどん糖質40%オフ」(シマダヤ)
- 有機JAS認定の有機野菜使用の「糖類カロリーハーフソース」(ブルドックソース)
- 糖質84%オフで食物繊維10倍、小麦ふすまのパン用ミックス粉「パンdeスマート」(鳥越製粉)
- 低糖質&カロリーゼロで砂糖に変わる自然派甘味調味料「ラカントS」
など、まだまだここに紹介できないくらい数多くの製品が開発されています。お子様の血糖値や肥満が気になるご両親は、こうした食品を上手に取り入れながら、糖質制限食を心がけてみてはいかがでしょうか。