食品をより美味しくより安全にするために、加工の段階で添加物を加えることがあります。ですが、加えることで安全性が落ちてしまう添加物もあります。しっかりと原材料表示を確認して、安全な食品を選んでいきましょう。
「添加物不使用」は安全?
「添加物不使用」と記載された食品も多く販売されています。「添加物は身体に悪い」と思いこんでいる人にとっては、添加物不使用の食品を食べることは健康にとって不可欠だと感じるかもしれません。
しかし、雑菌の繁殖を防ぐための添加物などの食の安全面を守るための添加物もたくさんありますので、添加物を入れないという選択をすることで「食の安全性が確保されない」という結果になってしまうこともあるのです。つまり、添加物を避けてしまったために食中毒になる可能性もあるわけですから、「添加剤不使用」がすべて身体に良いというわけではありません。
「保存料不使用」は安全?
保存料だけに注目し「保存料不使用」と記載している食品もあります。しかし、保存料以外の添加物が使われている可能性もありますので、「保存料不使用」が「添加物不使用」を意味しているのではありません。
また、保存料として表示が定められていない保存料を加えることで、「保存料不使用」を謳っていることもあります。例えば、ソルビン酸は保存料として表示が定められている添加物の1つですが、pH調整剤などの日持ち向上剤には保存料としての表示が定められていません。このように「雑菌繁殖を防ぐ効果はあるけれども保存料として表示しなくても良い」添加物を選んで、食品に入れている可能性があるのです。
もちろん、保存料として表示しなくても良い保存料が、一概に身体に悪いとは言えません。しかし、表示義務のある保存料と比べて大量に添加しなくてはならなかったり、保存効果が低かったりする可能性もあります。「保存料不使用」の言葉に魅かれて買ってしまうのではなく、慎重に原材料名をチェックするようにしてください。
食品添加物は安全性検査が済んだもののみ
では、実際のところ、食品添加物は危険なものなのでしょうか。現在、日本で販売・流通している食品に使用されている食品添加物は、いずれも農林水産省で安全性が確認されたもののみです。ですから、特定の添加物が入っているからといって、その食品を食べたら健康を損なってしまうということにはなりません。
ただし、農林水産省によって認可が下りていない食品添加物が食品に使われているときは注意が必要です。もちろん、これらの無認可の添加物を使うことは良くない事ですが、絶対にあり得ないことでもありませんので、消費者1人1人が注意して避けなくてはなりません。
ただし大量に摂取すると危険性が生まれることも!
添加物が入った食品を常識的な量だけ食べているなら問題はなくても、大量かつ継続的に食べていると思わぬ危険性が生じることもあります。
亜硝酸塩ナトリウム
主に肉類・魚肉類の発色をよくするために使用される添加物「亜硝酸塩ナトリウム」は、それ自体は農林水産省によって安全性が確認された食品添加物です。しかしながら、肉などに含まれるアミンと結合すると「ニトロソアミン」という発がん性が指摘されている物質を合成してしまいます。
アステルパーム
人工甘味料として使われる「アステルパーム」は、カロリーが低いためノンカロリーやローカロリーの飲料水や食品に入っていることが多いです。カロリーを気にする人にとっては魅力的な添加物ですが、継続的に摂取することで発がんリスクの向上やうつ症状の発現の可能性があると指摘されています。
アセスルファムカリウム
同じく人工甘味料として使われる「アセスルファムカリウム」も、カロリーがほとんどないためダイエット食品やお菓子、一部の健康食品などに入っていることが多いです。しかし、摂取し続けることで発がんリスクやうつ症状の発症可能性、腎疾患や肝疾患の可能性を高めることもあると指摘されています。
海外の食品はさらに注意が必要
海外の食品も、基本的には、日本で認可されている添加物以外のものを使っているならば、輸入して流通させることはできません。また、農薬の基準も日本で定められている基準を満たさなくてはなりませんので、海外の食品だからと言って安全性が確立されていないということはないのです。
しかしながら、個人的に持ち込んでいる食品やおみやげなどでもらう食品は、日本の基準を満たしているとは限りません。検疫所によるチェックや添加物の確認などは行われていませんので、日本では認可されていない添加物が使用されていることがないとは言い切れないのです。正規に輸入された食品には、かならず日本語で原材料表示がされていますので、購入するときはしっかりと確認するようにしてください。
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