普段の水分補給に、また、食事のときの飲み物として、子供にどんな飲み物を与えていますか?水でも良いのですが、ちょっと味気ないですよね。しかし、お茶類はカフェインが入っているのか気になります。子供に飲ませるお茶は何が良いのかについて解説します。
子供にカフェインはなぜ悪い?
コーヒーや緑茶などのカフェイン含有量が多い飲み物は、子供には不向きだと言われています。確かにレストランなどの飲食店で子供用に提供されるドリンクにはコーヒーや緑茶はありませんし、日常的にコーヒーや緑茶を飲ませているご家庭は少ないでしょう。では、なぜカフェインは子供に良くないとされているのでしょうか。
カフェインを過剰摂取すると健康被害が起こる
カフェインは、適度に摂取すると体に良い効果を得られます。例えば覚醒作用がありますので、眠気をすっきりと覚ましたり、集中力を高めたりすることが可能です。また、利尿効果もありますので、体内の老廃物を輩出する役割も果たします。
しかし、カフェインを過剰に摂取すると、下痢や吐き気、心拍数の増加などの健康被害が起こることがあります。しかも、カフェインには中枢神経系を刺激する作用がありますので、興奮したり不安感が強くなったり、場合によっては不眠症状を訴えることもあるのです。
子供は大人よりも過剰摂取しやすい
子供は大人よりも体が小さいため、大人にとっては少量のカフェインであっても、子供にとっては過剰な量になってしまうことがあります。しかも、子供はカフェインに対する感受性が高いことが分かっており、大人よりも少ない量のカフェインを摂取しても、興奮や心拍数の増加、下痢などの症状が強く出る傾向にあります。
カフェインへの耐性や感受性には個人差があります。ごく少量のカフェインであっても、子供によっては過剰な量となるかもしれません。子供には、特に小さな子供には、カフェインが入った飲料を避けておく方が良いでしょう。
子供にとって安全なカフェイン量とは?
日本では、子供が摂取できるカフェイン量に対して特に規定はありません。しかし、カナダでは、4~6歳の子供には1日45㎎まで、7~9歳の子供には1日62.5㎎まで、10~12歳の子供には1日85㎎までと定めていますので、子供にカフェインが入った飲料を与えるときの目安にするとよいでしょう。13歳以上の子供に関しては、体重によってカフェイン許容量が変わるため、1㎏の体重に対して2.5㎎のカフェイン量を超えないようにしておきましょう。
なお、カフェインはコーヒーや緑茶だけに含まれているわけではありません。例えばココアやコーラには緑茶と同程度のカフェインが含まれていますので、緑茶を避けるなら、ココアやコーラも同様に避ける必要があります。しかも、苦みのある緑茶やコーヒーとは異なり、ココアやコーラは甘く口当たりが良いため、つい飲用量が増えてしまうという特徴があります。ココアやコーラを飲みすぎないように注意して見守るようにしてください。
9歳以下の子供はココアやコーラはカップ1杯まで
コーヒーマグカップ1杯(200ml)に含まれるカフェイン量は、およそ100㎎です。ココアやコーラに含まれるカフェイン量はコーヒーのカフェイン量の半分程度ですので、マグカップ1杯に50㎎くらいのカフェインが入っていると考えられます。
4~6歳の子供は小さめのカップ1杯程度、7~9歳の子供はマグカップ1杯程度なら、1日に1回ココアやコーラを飲むことができるでしょう。もちろん、カフェインが含まれるのは飲料だけではありません。他の食べ物からもカフェインを摂取してしまいますので、1日のカフェイン許容量を超えないように、子供のときはなるべくカフェイン飲料を飲ませないようにする方が良いかもしれません。どうしても飲むときは、小さな子供用カップに1杯程度を目安にしておけば、カフェインの過剰摂取を避けることができます。
参考:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」
お茶の葉っぱを使う飲料にはカフェインが含まれる
お茶の葉には、カフェインが含まれています。そのため、茶葉を使った飲料は、カフェインが含まれることになります。とりわけ抹茶など、茶葉からお茶の成分を抽出するのではなく茶葉そのものを飲む飲料はカフェインが多くなります。子供にはなるべく避けるようにしてください。
コップ1杯に30㎎以上のカフェインが入っている飲み物
コップ1杯(150ml)に30㎎以上のカフェインが入っている飲み物は、子供に飲ませるときは注意が必要です。6歳以下の子供に飲ませるなら、わずかコップ1杯で1日のカフェイン上限量に近づいてしまいますので、できれば飲ませない方が良いでしょう。
他の飲み物がないときなど、どうしても飲ませなくてはいけないときは、水やお湯で割って薄めるか、抽出時間を短くするようにしてください。例えば紅茶や煎茶をティーバッグで淹れるときは、10秒程度経ったらティーバッグを引き上げて、お茶の成分があまりお湯に入らないように注意してください。
カフェイン量が多い飲み物
- 抹茶
- 煎茶
- 玉露
- 紅茶
- ほうじ茶
- ウーロン茶
- ジャスミン茶
コップ1杯に30㎎未満のカフェインが入っている飲み物
少量のカフェインが入っている飲み物でも、何度も飲めば、1日のカフェイン摂取上限量を超えてしまいます。飲ませるときは1日にコップ2杯以上にならないように注意し、たくさん飲みそうなときは水やお湯で薄めてから飲ませるようにしてください。
また、カフェインが入った飲み物を初めて子供が飲むときは、カフェインに対してどの程度過敏に反応するか予測がつきませんよね。周囲の大人が気を配り、なるべく少量のみ、そして、なるべく薄めて与えるようにしましょう。
少ないけれどもカフェインが入っている飲み物
- 番茶
- 玄米茶
- 麦茶がメインのブレンド茶
カフェインゼロのお茶もある!
1日に何度も飲む日常的なお茶を探しているときは、カフェインゼロの飲料を選びたいですよね。しかし、ウーロン茶やジャスミン茶などの一見カフェインが入ってなさそうなお茶でも、茶葉を使う限りはカフェインが含まれます。
とはいえ、すべてのお茶がカフェイン入りというわけではありません。茶葉を使わないお茶ならカフェインはゼロなのです。子供だけでなく妊娠中の方や授乳中の方もカフェイン摂取を控えることが望ましいですし、その他の大人もカフェインの過剰摂取は避けたいものですので、毎日の日常的なお茶としてカフェインゼロのお茶を生活に取り入れてくださいね。
麦から作る麦茶はカフェインレス
麦茶はお茶の葉っぱではなく麦を焙煎して淹れますので、カフェインがまったく入っていません。カフェインレスかつどんな食事にも合うお茶を探しているなら、麦茶を普段のお茶にするのはいかがでしょうか。ただし、赤ちゃんには麦茶も刺激となってしまうことがあります。お湯や水で割って、十分に薄めてから飲ませるようにしてください。
ルイボスティーもカフェインレス
マメ亜科のルイボスの葉っぱから作るルイボスティーも、カフェインレスのお茶です。ただし、独特の苦みと薬のようなにおいがありますので、子供にはあまり適していない飲み物です。
カフェインレスの麦茶で水分補給を
カフェイン自体が体に悪いわけではありませんが、過剰摂取による弊害は気になるところです。子供の日常的な水分補給として、カフェインレスの麦茶をおすすめします。