肉の端の部分や骨周りの部分、内臓などを寄せ集めて結着剤で固めた成型肉。体に危険な成分を使っているわけではありませんが、できれば避けたいと考えている人も多いのではないでしょうか。成型肉の危険性と見分け方、避けるためのポイントをまとめて紹介します。
成型肉は避けるべき?危険性は高い?
成型肉は、一般的な精肉や内臓だけでなく、肉の断片をくっつけて安定させるために様々な添加物が使われています。もちろん、日本で作られた成型肉に使用される添加物は、国内の安全基準を満たすものだけです。しかし、次の2つの理由から、成型肉を食べることで健康被害を引き起こすこともあるのです。
添加物と食品アレルギー
肉や内臓の断片を結合させるために、小麦粉や卵、ゼラチンなどの成分が使用されることもあります。そのため、肉自体にはアレルギーがない人であっても、小麦粉や卵、ゼラチン等で食品アレルギーが起こる人は、アレルギー症状を引き起こしてしまう恐れがあります。何らかの食品アレルギーを持っている人が成型肉を食べるときは、かならず添加されている成分をチェックするようにしましょう。
成型肉に頻繁に使われる添加物として、カゼインナトリウムがあります。カゼインナトリウムは乳由来の成分ですので、乳アレルギーや乳製品アレルギーの方は、避けるようにしてください。
食中毒菌
通常、O157のように食中毒を起こす菌は肉の内部に入り込むことは滅多にありません。しかし、成型肉のように肉表面も肉内部もすべて混ぜ合わせて作られた肉なら、通常は内部に入り込みにくい食中毒菌が肉内部に入ってしまうこともあるのです。しっかりと内部まで火を通すことで食中毒菌に対処することができますので、成型肉以外の肉よりもじっくりと内部まで加熱するようにしてください。
成型肉の見分け方
成型肉が常に「成型肉」を表示されているなら、容易に見分けることができます。しかし、かならずしも成型肉と記載されているわけではありませんので、スーパーなどの小売店はもちろん、外食時はますます判別が困難になります。成型肉の見分け方を4つ紹介しますので、成型肉を避けたい人はぜひご活用ください。
商品ラベルをチェックする
スーパーなどで購入するときは、商品ラベルをかならずチェックしてください。商品名の後ろに「成型肉」と書かれていることもありますし、「成形肉」と表示されていることもあります。
また、直接「成型(成形)」という言葉を使わずに、「やわらか加工」や「霜降り加工」を記載されていることもあります。いずれの表記があるときも間違いなく成型肉ですので、避けたい人は注意してください。
添加物をチェックする
通常の食肉には添加物は入っていません。しかし、成型肉には肉の成分を結合するための添加物が入っていますので、カゼインナトリウムやその他の添加物の名前が原材料名に表示されています。
商品のキャッチコピーをチェックする
商品のキャッチコピーもチェックしてみましょう。パックのお肉に「やわらか加工」というステッカーが貼ってあることもありますし、外食店のメニューに「繊維を切ってあります」とか「霜降り(サシ)を入れてあります」と記載されていることもあります。いずれの表現も成型肉を示唆していますので、成型肉以外を選びたいときは避けるようにしてください。
商品説明を熟読する
メニューを見るときは、商品の名前だけでなく商品説明も熟読するようにしてください。商品名だけでは成型肉と分からないときでも、商品説明をじっくりと読めば成型肉であることが明記されていることもあります。
成型肉を見分けるときの注意点
成分表示や添加物、キャッチコピー、メニューの商品説明をじっくりと読めば、大抵の場合は成型肉かどうかを見極めることができます。しかし、じっくりと読むのは面倒なときや時間がないときもありますよね。短時間で成型肉かどうかを判別したい方は、次の2点に注意してください。
サイコロステーキは成型肉の可能性が高い
本物の肉をただ単にサイコロ型に切っただけなら、通常のステーキ用の肉と同じ値段に設定されているはずです。しかし、ステーキ肉よりはるかに安い値段がつけられているなら、そのサイコロステーキは成型肉である可能性が高いです。
外食時も同様です。通常のステーキよりもはるかに安い値段設定のサイコロステーキは、成型肉だと思って間違いないでしょう。
霜降り加工は成型肉
霜降り加工とは赤みが多い肉に脂分を注入して霜降り肉のように見せている肉のことです。肉の脂分を使って成型しているわけですから、成型肉の一種ということができます。
成型肉かどうかを見極めて購入しよう
成型肉を避けたい人は、購入する前や注文する前に成型肉かどうかをきっちりと判別する必要があります。商品表示や添加物、キャッチコピー等に注意し、欲しい種類のお肉を選ぶようにしましょう。