添加物を気にしている方は、無添加のハムやソーセージを選ぶことが多いのではないでしょうか。しかし、無添加のハムやソーセージなどの加工肉は、通常の加工肉よりも腐りやすいというデメリットがあります。なぜ無添加のハムやソーセージは腐りやすいのか、また、何に注意して保存すれば良いのかについてまとめました。
保存料が含まれていないので腐りやすい
通常のハムやソーセージには、カビや細菌の繁殖を抑える保存料が添加されています。代表的な保存料としてソルビン酸がありますが、ソルビン酸が含まれているハムやソーセージは消費期限が長くなり、指定された保存方法で保存するなら、長期にわたって安全性を保ったまま食することができます。
ソルビン酸以外の加工肉に使われる保存料
ハムやソーセージに使われる保存料はソルビン酸だけではありません。例えばフマル酸は、加工肉内のpHを調整することで細菌等の微生物の発生を抑制します。また、ビタミンCを加えることで酸化を防止し、腐敗が進行することを防ぎます。
消費期限内に食べれば安全?
無添加のハムやソーセージに記載されている消費期限は、保存料が添加されているハムやソーセージよりも非常に短く設定されています。しかし、消費期限内に食べれば絶対に安全かというと、そうでもないのです。
未開封で保管していること
消費期限が有効になるのは、その食品を未開封で保管しているときだけです。開封して空気に触れてしまうと、消費期限が来る前に腐ってしまうこともあるのです。
適正な場所で保管していること
開封せずに保管しているなら消費期限まで安全に食べられるというわけでもありません。ほとんどの無添加ハムや無添加ソーセージは冷蔵保存することが勧められていますので、一定温度以下の環境で保管していなくてはならないのです。
また、温度は一定温度以下だとしても、直射日光の当たる明るい場所で保管することもお勧めできることではありません。日光に当たることで酸化が進むこともありますので、暗く冷えた場所(=冷蔵庫内)に保管する必要があるのです。
冷凍保存が基本
通常よりも腐敗が進行しやすい無添加のハムやソーセージ。安全に食べるためにも、できれば冷凍庫内に保存するようにしましょう。
解凍方法にも注意が必要
冷凍した食品を解凍するときも注意が必要です。早く常温に戻そうとして日光が当たる場所や温かい部屋に長時間置くなら、解凍する際に腐敗が始まることもあるのです。次のいずれかの方法で解凍するようにしましょう。
冷蔵庫に置く
夕食分の無添加加工肉なら、午前中から冷蔵庫に移し替えましょう。ただし商品の周りに霜がついているときは、お皿に載せてから冷蔵庫に移し替えてください。
電子レンジの解凍機能を使用する
真空パックに入っている商品は封を切り、発泡スチロールのトレイに入っている商品は発泡スチロールと中に敷かれたシートを取ってから、電子レンジに入れましょう。ターンテーブル式でない電子レンジの場合は、ハムやソーセージの一部が加熱されてしまうことがあります。解凍中は、適度に方向や位置を変えるようにしてください。
そのまま調理する
解凍せずにそのまま調理しても、おいしく食べることができます。耐熱パックに入ったソーセージなどは、そのまま封を切らずに熱湯に入れてボイルさせましょう。また、フライパンで加熱する場合も、冷凍ソーセージやハムをそのままフライパンに入れてOKです。
開封後はすぐに食べ切る
開封したソーセージやハムは、消費期限内であっても腐敗が進行する可能性があります。開封したら一両日内に食べ切るようにしてください。
腐っているかどうかの見極め方
無添加のハムやソーセージは、消費期限内であっても保管方法によっては腐ってしまいます。また、“真空パック”と記載されていても空気が入っている商品も稀にありますので、適切い保管しても消費期限内に腐ることもあります。次の3つの方法で、開封した無添加のハムやソーセージが腐っているかどうかを見極めてください。
粘り気をチェック
ハムやソーセージの周りが糸を引くようにべたついているとき、また、切り口が粘ついているときは、間違いなく腐っています。廃棄処分してください。
においをチェック
本来のにおいとは異なるにおいがあるときも、腐っている可能性が濃厚です。すぐに廃棄処分しましょう。
カビをチェック
カビが生えているときは、カビの菌が食品全体に回っています。カビの部分を切り取って捨てるのではなく、食品全体を廃棄処分してください。
無添加加工肉は早めに食べよう
保存料を使っていない無添加のハムやソーセージ。安全においしく食べるためにも、早めに調理して食べ切るようにしてください。
参考サイト: